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札幌白石区の落雪で3人生き埋め・1人死亡 なぜヘルメット着用でも防げなかったのか

札幌白石区の落雪事故——ヘルメット着用でも防げなかった理由を専門家の見解とともに解説するアイキャッチ画像

| 読了時間:約8分

ヘルメットを着け、4人で作業していた。
それでも1人が命を落とした。

2026年2月18日、札幌市白石区の会社倉庫で屋根の雪下ろし中に大量の雪が崩落した。
3人が生き埋めになった。

事故の全容と、専門家が「屋根に上がるな」と断言する根拠を整理する。

 

 

 

札幌白石区の落雪事故——「トンカチで叩いたら一気に崩れた」通報者が見た全貌

2026年2月18日午前10時半ごろ、札幌市白石区平和通15丁目北の会社倉庫で、屋根の雪下ろし中に大量の雪が崩落。従業員3人が約3メートルの高さから転落し、生き埋めになった。

事故が起きたのは、株式会社イブカの2階建て倉庫だった。

HBC北海道放送の報道によると、当時は従業員4人が高さ約3メートルの屋根で雪下ろしをしていた。
4人ともヘルメットを着用していた

📝 HBC北海道放送の報道より

「従業員4人で屋根の氷を割る作業をしていて、4人ともヘルメットを着用していた」

通報者が見た「崩落の瞬間」

事故を目の前で見ていた近隣住民の証言が、崩落の原因を物語っている。

HTB北海道テレビの報道が伝えた通報者の言葉はこうだ。

「凍っているところをトンカチで叩いていた。トンカチの振動大丈夫かなと思って見てて、しばらくしたらバーッと一気に落ちた」

屋根の氷をトンカチで砕く作業中だった。
その振動が、大量の雪を一気に滑り落とすきっかけになったとみられる。

FNNプライムオンラインの報道でも、別の近隣住民が「ドドドって音がして、3人埋まっていくのが見えた」と語っている。


 

 

 

通報から救助、そして死亡確認まで

STVニュース北海道の報道では、通報者がその後の様子も詳しく証言している。

「3人埋まったと思って、窓を開けて声をかけた。埋まっている2人の声が聞こえたので、とりあえず2人は大丈夫だと思って。意識のない人だけ頭が下になっていた、足だけ出ていた」

この通報者はスコップを手に取り、足が見えていた男性を自ら掘り出した。
消防が到着し、通報から約20分で3人全員が救助された。

⚠️ 被害状況

日テレNEWS NNNの報道によると、3人は約3メートルの高さから落雪とともに転落していた。
心肺停止で搬送された合田末松さん(69歳)は、搬送先の病院で死亡が確認された
70代の男性2人は命に別条なし。

2日前の大雪と当日の気温上昇

この事故には、気象条件が深く関わっている。

FNNプライムオンラインによると、2日前の2月16日に札幌では12時間で20cmの降雪があり、積雪は100cmを超えていた。

🌡️ 事故当日の気象条件

事故当日の18日午前10時、札幌の気温は2.9℃。3月上旬並みの暖かさだった。——HBC北海道放送

大雪の直後に気温がプラスへ転じた。
金属板の屋根と雪の間の氷が緩み、トンカチの振動が最後のひと押しになったのだろう。

ヘルメットをしていたのに、なぜ合田さんは亡くなったのか。
その答えは、屋根から落ちてくる雪の"正体"にある。

 

 

 

しまり雪1立方メートルで300kg——専門家が「屋根に上がるな」と断言する理由

屋根から落ちてくる雪の重さを、正確に想像できる人は少ない。

HBC北海道放送の天気解説が示したデータは衝撃的だ。
時間が経って圧縮されたしまり雪しまりゆきは、1立方メートルで300kg
ファミリー向け冷蔵庫3台分の重さが、一瞬で頭上から落ちてくる。

雪の種類 1m³の重さ 特徴
新雪 50〜150kg 降ったばかりで軽い
しまり雪 150〜500kg 圧縮されて重い。屋根上に残りやすい
ざらめ雪 300〜500kg 水分を含み極めて重い

HBC北海道放送の検証取材では、北海道科学大学の千葉隆弘教授が実際に積雪を掘り出して密度を計測している。
1月に降った古い雪の層は密度0.42g/cm³で、水の半分近い重さがあった。

降ったばかりの新雪(0.15g/cm³)の約3倍だ。

💡 見えない重り

屋根の上で最も危険なのは、目に見えている表面の新雪ではない。
その下に潜む、1ヶ月以上かけて圧縮された古い雪の層だ。


「軟らかい雪でも埋まれば動けない」

防災科学技術研究所は、落雪の衝撃を「高さ10mから落下した場合、時速50kmで壁に衝突したのと同じ」と説明している。

今回の事故では高さ約3mだったが、しまり雪の塊が体ごと巻き込んで地面に叩きつけている。
ヘルメットだけで防げる衝撃ではない。

📝 防災科学技術研究所の指摘

「落ちてきた雪が軟らかくても全身が埋まってしまうと身動きが取れなくなり、窒息や低体温症の危険性があります」

今回の事故で合田さんは「頭が下になって埋まっていた」と証言されている。
腰まで雪に埋まるだけで身動きが取れなくなるという千葉教授の実験結果を踏まえれば、頭から突っ込んだ状態での生存は極めて厳しかったのだろう。

 

 

 

「そもそも屋根に上がらないでほしい」

ここで、多くの人が抱く常識を覆す専門家の見解がある。

屋根の雪は放置すれば建物を壊す。だから雪下ろしは必要だ専門家は「屋根に上がること自体が危険」と断言

北海道に住む人なら、多くがそう信じている。
今回の事故でも、従業員4人はまさに「やるべきこと」をしていた。

ところが、千葉教授はHBC北海道放送の検証取材でこう断言している。

「建物に被害を及ぼすほどの重さではない。とけてなくなっていくという認識を持ってほしい」

——北海道科学大学 千葉隆弘教授

千葉教授は北海道の屋根の構造にも言及している。

STVニュース北海道の報道によると、「北海道はほとんどが金属板の屋根なので滑りやすい。凍りついていれば滑らないが、気温がプラスだと途端に滑りやすくなる。危険な場所なので絶対に上がらないでほしい」と語った。

金属板屋根は気温がプラスに転じると、雪との間に水の膜ができる。
この膜がそのまま"滑り台"になる。
2月18日の札幌はまさにその条件が揃っていた。

屋根の雪がこれほど危険なら、どうすれば身を守れるのか。
今シーズンの被害状況とあわせて確認しておきたい。

 

 

 

今季の北海道で11人が死亡——気温上昇が続く週末に向けた落雪対策

北海道の雪害は、今回の事故だけの話ではない。

朝日新聞の報道によると、今シーズン(2025年11月以降)の道内の雪関係事故は48件、11人が死亡している。
最も多い死因は屋根からの転落で7人。

全国では1月20日以降の大雪で49人が亡くなった。

📊 国土交通省のまとめ

国土交通省によると、多雪の年には年間1000件以上の除雪事故が発生し、100人以上が亡くなっている。
死亡事故の約8割は65歳以上の高齢者だ。

今回亡くなった合田さんも69歳だった。

「大雪の直後に気温が上がる」パターンの繰り返し

白石区の事故の前日、2月17日には旭川市で89歳の女性が自宅敷地内で落雪に巻き込まれて亡くなっている。

さらに事故の2日後となる20日にも、札幌市北区で「雪の下に子どもの手足が見える」と119番通報があった。
実際には落雪ではなく70代男性が倒れていたのだが、連日の事案が市民の恐怖を物語っている。

⚡ 共通する気象パターン

「大雪が降った直後に気温が上がる」——この落差が、屋根の雪を一気に不安定にさせた。
2月16日の大雪で積雪100cm超、18日に3月上旬並みの気温。


 

 

 

週末は札幌で9℃予想——どう身を守るか

そして、このパターンはまだ続く。
2月21日(土)の札幌の予想最高気温は9℃。4月並みの暖かさだ。

屋根に残っている雪がさらに緩み、落雪リスクは一段と高まるだろう。

あなたの自宅や職場の屋根にも、同じ雪が載っている。

✅ 落雪事故から身を守るために

① 軒下に近づかない。気温がプラスの日は特に危険

② 屋根に上がらない。千葉教授によれば、北海道の屋根の雪は「建物を壊すほどの重さではなく、とけてなくなる」

③ やむを得ず雪下ろしをする場合は、命綱・安全帯を装着し、必ず2人以上で行う

④ 周囲に声をかけてから作業を始める。作業開始直後の10分が最も危険とされている

国土交通省は「雪下ろし安全10箇条」を公開し、除雪作業中の事故防止を呼びかけている。

ヘルメットや命綱の着用はもちろんだが、千葉教授の指摘を踏まえれば、まず「屋根に上がらない」選択肢を検討すべきだ。
どうしても必要な場合は、専門業者に依頼するのが最も安全だろう。

 

 

 

まとめ

  • 2026年2月18日、札幌市白石区で屋根の雪下ろし中に3人が落雪に巻き込まれ、合田末松さん(69歳)が死亡した
  • トンカチで屋根の氷を叩いた振動が、崩落のきっかけになったとみられる
  • しまり雪は1立方メートルで最大300kg。ヘルメットだけでは防げない衝撃がある
  • 専門家は「屋根の雪は建物を壊す重さではない」として、そもそも屋根に上がらないよう警告している
  • 週末にかけて気温がさらに上昇する。軒下に近づかず、雪下ろしは専門業者への依頼を検討してほしい

よくある質問(FAQ)

Q1. 札幌市白石区の落雪事故はいつどこで起きた?

2026年2月18日午前10時半ごろ、白石区平和通15丁目北の会社「イブカ」の2階建て倉庫で発生した。

Q2. 落雪事故で亡くなったのは誰?

同社従業員の合田末松さん(69歳)。心肺停止で搬送され、病院で死亡が確認された。

Q3. ヘルメットを着用していたのになぜ死亡した?

しまり雪は1m³で300kgにもなり、ヘルメットでは防げない衝撃がある。約3mの高さから雪と一緒に転落した。

Q4. しまり雪とは何?どのくらい重い?

時間が経って圧縮された雪のこと。1m³で150〜500kg、冷蔵庫3台分に相当する重さになることもある。

Q5. なぜ専門家は「屋根に上がるな」と言っている?

北海道の金属板屋根は気温がプラスになると途端に滑りやすくなり、雪も建物を壊すほどの重さではないため。

Q6. 今シーズンの北海道の雪害死者数は?

2025年11月以降で48件の事故が発生し11人が死亡。最多の死因は屋根からの転落で7人。

Q7. 落雪事故を防ぐにはどうすればいい?

軒下に近づかない、屋根に上がらず専門業者に依頼する、やむを得ない場合は命綱を着けて2人以上で作業する。

Q8. 落雪に埋まるとなぜ危険?

軟らかい雪でも全身が埋まると身動きが取れず、窒息や低体温症の危険がある。

Q9. 気温が上がるとなぜ落雪が起きやすい?

金属板屋根と雪の間の氷が緩み水の膜ができるため、雪が一気に滑り落ちやすくなる。

Q10. 雪下ろしは本当に必要?

専門家によると屋根の雪は建物に被害を及ぼす重さではなく、とけてなくなる。まず業者への相談を推奨。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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