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ミラノ五輪で中国に何が起きた?フィギュア退席とスピードスケート失格の全容

ミラノ五輪フィギュア団体戦で空席になった中国ブースのイメージ

| 読了時間:約10分

坂本花織が渾身の演技を終えて振り返ったとき、中国代表のブースには誰ひとりいなかった。

2026年ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート団体戦。
各国の選手が互いの演技に拍手を送る中、中国ブースだけが空席となる異例の事態が起きた。

さらに大会6日目には、スピードスケートで中国選手の進路妨害が世界中で物議を醸している。

なぜ中国選手は退席したのか。
廉子文はなぜ失格になったのか。
ミラノ五輪で中国に何が起きているのか。

フィギュア退席の知られざる時系列から、スピードスケートの「再レースの悲劇」、そして対照的に輝く日本の活躍まで——現地の事実を整理する。

 

 

 

 

フィギュア団体戦で「中国ブースが消えた」——退席の全容と不明な理由

2月6日、フィギュアスケート団体戦1日目。坂本花織がトップの78.88点を叩き出した直後に映し出されたのは、空っぽの中国ブースだった。

SNSでは「日本の演技が始まった途端に中国が一斉退席した」という情報が広まった。
あたかも日中関係の悪化がリンクにまで持ち込まれたような印象だろう。

ところが映像を細かく確認すると、実態はやや異なる。

ペアSPの時点では7名いた中国ブースの人数が、女子SPの中盤には2名に減り、最終滑走の坂本花織の演技時にはゼロになっていた。
一斉退席段階的に人が消えていったのだ。

種目 中国ブースの人数 備考
アイスダンスRD 多数在席 自国選手の応援あり
ペアSP 7 隋文静ずいぶんせい韓聡かんそうペア出場
女子SP(中盤) 2 中国の張瑞陽の演技後
女子SP(坂本花織) 0 カナダは拍手、中国は不在

THE DIGESTの報道によると、カナダの選手らが坂本の演技に称賛の拍手を送る中、中国代表のブースだけが空っぽになっていた。
「なんで誰もいないの?」「びっくりした」と視聴者から驚きの声が相次いだ。

 

 

 

この退席をさらに複雑にしているのが、直前の出来事だ。

THE ANSWERによると、ペアSPに出場した北京五輪金メダリストの隋文静ずいぶんせい韓聡かんそうペアはミスが相次ぎ、65.37点で種目6位に沈んだ。
隋文静は演技後に二度涙を流し、「みなさんの期待を裏切ってしまった」と謝罪した。

隋文静の涙の言葉

「他のチームメートの演技のときにもっと応援したい」——そう語ったはずの彼女が去った後、ブースは無人になった。
韓聡かんそうによれば、隋文静は大会前に痛み止めの注射を5本打つほどの故障を抱えていた。

満身創痍の状態を考えると、体調面での離席はあり得る。
だが問題は、選手1人だけでなく関係者を含めた全員がいなくなったことだ。

週刊女性PRIMEによれば、退席の理由は2月12日時点でもまだ公式に明らかになっていない。

 

 

 

⚠️ ここからは推測です

退席理由については複数の見方がある。以下は確定した事実ではなく推測にもとづく。

予選敗退が確定していたから帰った——そんな見方もあるだろう。
Wikipediaの公式結果によると、中国は4種目合計14ポイントで8位タイに終わり、上位5チームの決勝には進めなかった。

ただし、この説には反論がある。
予選敗退が確定していた韓国やポーランド、イギリスの選手団は最後まで席に残り、他国の演技にも拍手を送っていた。
「予選落ちだから帰った」は中国だけには当てはまらない。

政治的な意図による退席ではないか——日中関係の悪化を背景に、SNSではそう指摘する声も少なくない。
ただしフィギュアブログ sulogでも指摘されているように、映像では女子SP序盤まで中国選手が他国の演技に拍手している姿も確認されている。
自分たちの意志で政治的に退席したとは断定しがたい。

⚠️ 推測ここまで

理由が偶然であれ意図的であれ、五輪の団体戦で応援ブースが空っぽになる光景は前例がない。
フィギュアのリンクで起きたこの「不在」の問題——だがミラノ五輪で中国が巻き起こした波紋は、これだけではなかった。

 

 

 

スピードスケートでも波紋——廉子文の「進路妨害」と不条理な再レース

2月11日、スピードスケート男子1000メートルで事件が起きた。中国の廉子文れんしぶんがオランダのベンネマルスの進路を妨害し、失格となった。

ベンネマルスは23歳の世界王者。
メダル圏内のペースで滑っていた。だが残り1周のコーナーを抜けた瞬間、運命が変わる。

中央日報の報道が経緯を詳しく伝えている。
スピードスケートには交差区域クロッシングゾーンと呼ばれるレーン交代区域がある。ここではアウトコースからインコースに入る選手に優先権がある。
インコースから出る選手は、アウトコースの選手の進路を妨げてはならない。

ところが廉子文は、インコースからアウトコースへ出る際にベンネマルスと接触。
ブレードが触れた瞬間にベンネマルスはバランスを崩し、大きく失速した。

なんとかゴールまで滑り切ったものの、タイムは1分07秒58
銅メダルとの差はわずか0.24秒。まばたき1回にも満たない差で、メダルを逃した。

 

 

 

ゴール直後、ベンネマルスは感情を抑えきれず廉子文に詰め寄った。
審判団は廉の妨害を認定し、失格を宣言。ベンネマルスには救済措置として再レースが認められた。

ここで、多くの人が「再レースがあるならまだ救われる」と思ったのではないか。

現実はまったく違った。

サンスポによると、再レースが行われたのは1走目から約30分後。
15組のレースが終わった後だ。会場のオランダファンから「ユップ」コールが響く中、ベンネマルスはたった1人でスタートラインに立った。

スピードスケートの再レースが「救済」にならない理由

スピードスケートは本来2人で走る。同走の選手が風よけになることで、タイムが出やすくなる。
だが再レースに風よけはいない。すでに全力を出し切った疲労も残っている。

再レースのタイムは1分08秒46。1走目の1分07秒58を上回れず、5位が確定した。

 

 

 

ベンネマルスはレース後にこう語った。
「数十分後に風よけになる同走の選手もいない状況でスタートラインに立って、同じ状態で滑ることは不可能です。不公平だと思います」。
さらに「涙も出ない」と声を落とした。

一方の廉子文はどうか。
同じくサンスポによると、「故意にブロックしたわけではないが、申し訳ないと思っている」と謝罪しつつ、「なぜ私がペナルティーになったのかは分からない」と失格判定に不服を唱えた。

  ベンネマルス(オランダ) 廉子文(中国)
年齢 23 27
立場 世界王者・メダル候補 第11組の対戦相手
接触後の反応 激高、廉に詰め寄る 「ごめん」と声をかける
レース後の発言 「不公平。涙も出ない」 「故意ではない。なぜ失格か分からない」
結果 5位(再レースでも更新できず) 失格

そしてこのレースには、もうひとつ見逃せない事実がある。

THE DIGESTによると、失格になった廉子文と同じ中国代表の寧忠岩ねいちゅうがんが銅メダルを獲得している。
タイムは1分07秒34。ベンネマルスの1走目との差は0.24秒だ。

チームメイトの妨害で相手が失速し、その結果として別のチームメイトがメダルを手にする——意図的かどうかにかかわらず、この構図が国際的な批判を招いている。
海外のSNSでは「寧が表彰台に立てたのは、仲間のおかげだ」という皮肉の声すら上がった。

フィギュアの退席、スピードスケートの進路妨害——ミラノ五輪で相次ぐ中国の振る舞いが注目を集める中、対照的な光景も生まれている。

 

 

 

対照的な光景——日本の銀メダルと「もうひとつの中国」

中国の問題行動が目立つ裏で、日本は存在感を示し続けている。

フィギュアスケート団体戦で、日本は米国にわずか1ポイント差の68ポイントで銀メダルを獲得した。

Wikipediaの公式結果によれば、米国が69ポイントで金、日本が68ポイントで銀、イタリアが60ポイントで銅。
坂本花織はショート・フリーともに種目1位、りくりゅうこと三浦璃来・木原龍一組もペアで自己ベストを更新する圧巻の演技を見せた。

中国ブースが空になったあのリンクで、日本チームは最後まで全力を出し切った。

村瀬心椛——日本女子スノーボード初の金メダル

サンスポによると、決勝1本目でバックサイド・トリプルコーク1440斜め軸に縦3回転、横4回転を完璧に決め、3本目の逆転で頂点に立った。
21歳村瀬心椛むらせここもは「信じられないぐらいうれしい。昔から夢見ていた舞台で、金を取る姿勢で3本とも挑めた」と涙を見せた。

女子で世界初となるバックサイド・トリプルコーク1620斜め軸に縦3回転、横4回転半も、大会前の公式練習で成功させている。
「中国の退席」がニュースになる同じ大会で、21歳の日本人が歴史を塗り替えていた。

 

 

 

ところで、「中国選手は全員スポーツマンシップに問題がある」と言い切れるだろうか。

同じミラノ五輪で、フリースタイルスキー・モーグルで3位に入った中国選手は、日本人選手の優勝について「ジャッジは公平だった」「僕は心から日本人を祝福したい」と語ったと報じられている。
母国のSNSでは「判定がおかしい」という声が噴出していたにもかかわらず、本人がそれを一蹴した形だ。

フィギュアの隋文静ずいぶんせいも、涙ながらに「もっとチームメートを応援したい」と語っていた。
痛み止めを5本打って出場するほどの覚悟を持った選手だ。彼女個人のスポーツマンシップを疑う根拠は、少なくとも報道からは見当たらない。

退席の理由が組織的な判断なのか、個々の事情が重なった偶然なのか、真相はまだ分からない。
廉子文の妨害が故意なのか不注意なのかも、本人の主張と審判の判定が食い違ったままだ。

「中国」とひとくくりにすることで見えなくなるものがある。
国際大会で起きた問題を正確に批判するには、「国」ではなく「何が起きたか」に目を向ける必要があるのではないだろうか。

 

 

 

まとめ

  • フィギュア団体戦で中国ブースが空席になったのは事実。ただし「一斉退席」ではなく、ペア→女子SPの間に段階的に人数が減少していた
  • 退席の理由は2月12日時点で公式に不明。予選敗退後の帰宅説と政治的理由説があるが、他国は予選敗退でも最後まで席に残っていた
  • スピードスケートでは廉子文の進路妨害でベンネマルスがメダルを逃し、同じ中国の寧忠岩が銅メダルという皮肉な結果に
  • 一方で日本はフィギュア団体銀メダル(1ポイント差)、村瀬心椛が女子スノーボード初の金メダルと歴史的快挙
  • 中国選手の中にもスポーツマンシップを見せた選手はおり、「国」で一括りにする見方には注意が必要

 

よくある質問(FAQ)

Q1. フィギュア団体戦で中国選手が退席した理由は?

2月12日時点で公式な理由は不明です。予選敗退後の帰宅説と政治的理由説がありますが、他国は予選敗退でも席に残っていました。

Q2. 中国ブースはいつから空席になった?

ペアSP時は7名いましたが女子SP中盤で2名に減り、最終滑走の坂本花織の演技時にゼロになりました。

Q3. スピードスケートの廉子文はなぜ失格になった?

クロッシングゾーンでインコースから出る際にアウトコースのベンネマルスの進路を妨害したためです。

Q4. ベンネマルスの再レースはなぜ行われた?

廉子文の失格を受けた救済措置です。ただし約30分後に1人で走る形式で、タイム更新はできませんでした。

Q5. フィギュア団体戦の最終結果は?

米国が69ポイントで金、日本が68ポイントで銀、イタリアが60ポイントで銅。中国は14ポイントで8位でした。

Q6. 廉子文と同じ中国の寧忠岩が銅メダルを取ったのは問題ない?

ルール上は問題ありませんが、チームメイトの妨害で相手が失速した結果の銅メダルとして国際的に批判が出ています。

Q7. 村瀬心椛はどんな技で金メダルを取った?

バックサイド・トリプルコーク1440(斜め軸に縦3回転、横4回転)を決勝で2回成功させ逆転優勝しました。

Q8. ミラノ五輪で中国選手全員がスポーツマンシップに問題がある?

全員ではありません。モーグルの中国選手は「心から日本人を祝福したい」と語るなど良い振る舞いも報じられています。

Q9. 2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪はどこで開催されている?

イタリアのミラノとコルティナダンペッツォを中心に2026年2月6日から22日まで開催されています。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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