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イオンモール熊本爆発、会社が「売上金を金庫に」と指示し謝罪

| 読了時間:約5分

避難した従業員に「売上金を金庫に戻して」と会社は指示していた。

地震で一度は建物の外へ逃げ、家族に無事も伝えた22歳の女性が、その後もう一度館内へ入った。

そして 約5分 後、爆発に巻き込まれた。

テナントの雑貨店を運営する会社「 ハビタ 」は8月2日の通夜で、この指示を認めて遺族に謝罪した。

一度は安全な場所まで逃げた人が、なぜもう一度あの建物に戻ったのか。

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「売上金を金庫に」 イオンモール熊本で死亡の22歳女性ら2人 勤務先のコスメ店運営会社が指示を認め遺族に謝罪(2026年08月03日)(FNNプライムオンライン)

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イオンモール熊本爆発、会社が「売上金を金庫に」と指示し謝罪

「売上金を金庫に戻して」会社が指示を認め謝罪

「売上金を金庫に戻してほしい」——会社はそう伝えていた。

熊本県嘉島町のイオンモール熊本で爆発が起きたのは、7月28日の午後5時50分ごろだ。

この日は午後4時27分ごろに強い地震があり、施設は午後5時ごろに避難を終えていた。

つまり揺れから爆発まで、1時間以上の間があった。

亡くなった 大竹玖瑠美 さん(22)は、いったん屋外の駐車場まで避難していた。

そこで会った親族に「売り上げを金庫に入れないといけない」と話し、「会社の上の人に言われた」と言い残して同僚とともに館内へ戻ったと 読売新聞 は報じている。

親族は「危ないからやめた方がいい」と止めたという。

その数分後、建物は爆発した。

地震そのものではなく、 避難のあとに戻った先で命を落とした

ここに、この事故が「ただの災害」では語り切れない理由がある。

避難完了から爆発までの約50分に、売上金の指示が挟まった
避難完了から爆発までの約50分に、売上金の指示が挟まった(※イメージ図)

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では、会社はこの指示を、事故の直後から認めていたのだろうか。

事故直後、会社は遺族に真逆の説明をしていた

事故直後、会社は遺族に 真逆の説明 をしていた。

通夜での謝罪より前、会社側は遺族に対し、亡くなった従業員は「私物を取りに戻る同僚に付き添った」と説明していた。

売上金の指示があったこととは、方向が逆の話だ。

ところが遺族が問いただす中で、話は覆る。

ハビタの 湯瀬剛二 取締役営業部長は テレ朝news の取材に対し、荷物を取りたいという話が出たのは「金庫に金を入れてほしいと言ったあと」だったと認めた。

店長とのすり合わせで、当初の説明が事実と食い違っていたことが分かったという。


私物取りに付き添い
当初の説明
売上金を金庫にと指示
実際

一度は「付き添っただけ」と伝えていた会社が、後になって「自分たちが売上金を戻すよう頼んでいた」と認める。

遺族が「話をすりかえないでほしい」と抗議したのも、この経緯があってのことだ。

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そもそも、なぜ売上金を「戻す」必要があったのか。

売上金の金庫は1階、店は2階だった

売上金を入れる金庫は、店とは別の階にあった。

報道によると、大竹さんが働いていた雑貨店は2階、売上金をしまう金庫は1階にあったとされる。

つまり現金を金庫に納めるには、店のある2階と金庫のある1階を行き来する必要があった。

店は2階、金庫は1階。“戻す”は建物を縦断する行為だった(推定)
店は2階、金庫は1階。“戻す”は建物を縦断する行為だった(推定)(※イメージ図)

「店に戻る」という言葉は軽く聞こえる。

しかし実際には、強い地震のあとで安全がまだ確かめられていない建物に入り、階をまたいで現金を運ぶ行為だった。

避難所として離れた駐車場から、その建物の奥へ入り直すことでもある。

売上金を守るという目的のために、人が危険な空間を縦に移動する。

この物理的な距離が、 指示の重さを実際以上に見えにくくしていた のではないか。

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危険を冒して戻った人がいる一方で、館内には無事だった人が大勢いた。

客約3000人は無事、犠牲者7人は全員が従業員

約3000人 は無事だった。

しかし犠牲者は、全員が従業員だった。

イオン の発表によると、この爆発で亡くなったのは 7人 、負傷したのは5人(熊本県・イオンの公表による)。

買い物に来ていた客はおよそ3000人にのぼったが、その中に死者はいない。

亡くなった7人は、いずれもテナント(専門店)で働く従業員だった。

イオン本体の従業員には、死者は出ていない。

同じ建物、同じ地震である。

それでも客はほぼ全員が避難して助かり、 亡くなったのは働く人だけ という偏りが残った。

イオンの 吉田昭夫 社長は 読売新聞 によると会見で「マニュアルでは、いったん避難した者は館内に入らないのがルール」と述べ、従業員の再入館を誰かが許可した事実は「明確に否定」している。

客はほぼ全員無事、亡くなったのは働く人だけだった
客はほぼ全員無事、亡くなったのは働く人だけだった(※イメージ図)

「戻らない」を徹底できた側は無事で、現場の判断で戻った人が犠牲になった。

爆発の原因はLPガス漏れの可能性が高いとされるが、まだ調査が続いている段階だ。

同じ危険の中で、生死を分けたのはガスそのものより「戻ったか、戻らなかったか」だった。

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命令でもない「お願い」に、なぜ人は従ってしまったのか。

「もし可能であれば」——命令でない一言が招いた再入館

「もし可能であれば」——それは命令ではなく、お願いだった。

湯瀬営業部長が語ったのは、「もし可能であれば売上金を金庫になおしてくれないだろうか」という言葉だった。

しかも本人が現場の従業員に直接言ったのではない。

営業部長から、その日は休みだった店長へ。

店長から、出勤していた同僚へ。

電話を伝って、依頼だけが現場に届いた。

強い言葉ではない。

断ってもよかったはずの「お願い」だ。

それでも従業員は建物に戻った。

ここには、二つの力が重なっていたのではないか。

一つは、現金を扱う店に根づいた当たり前だ。

その日の売上金は必ず金庫にしまう、という運用が体にしみついていると、「戻す」ことが仕事の一部として自然に感じられる。

もう一つは、上の立場の人の頼みには逆らいにくいという心理だ。

心理学では、人が権威ある相手の指示に従いやすいことは「権威への服従」として知られている。

この二つが重なると、命令ですらない曖昧なお願いでも、いったん安全な場所に出た人を危険な建物へ呼び戻す力になったのではないか。

地震という引き金の上に、会社の一言が重なって犠牲が生まれた。

そう見れば、これは自然災害であると同時に、人の判断が介在した「人災」の側面を持つ出来事なのかもしれない。


命令でない“お願い”が、慣行と心理で再入館の力に変わった(推定)
命令でない“お願い”が、慣行と心理で再入館の力に変わった(推定)(※イメージ図)

命令ではなく“お願い”だったのに、「お金は金庫に」が当たり前の職場の空気と、上に逆らいにくい気持ちが重なって、いったん逃げた人を建物に戻してしまったのかもしれない。

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現金を扱う職場なら、どこでも起こりうる構図だ。

その構図がそうさせたのなら、責任はどこにあるのか。

会社に責任は問われるのか

会社には、そこで働く人の命と安全を守る義務がある。

法律では、会社が従業員の生命や身体を危険から守るよう配慮しなければならないとされている。

これを安全配慮義務(働く人の命と安全を守るために会社が手を尽くす義務)と呼ぶ。

遺族側は、会社の刑事責任の追及も検討していると報じられている。

ただし、謝罪したこと自体がそのまま責任の確定を意味するわけではない。

会社が結果を予測できたか、指示と死亡との間に直接のつながりがあるか、といった点が問われる。

これらが認められて初めて、損害賠償などの責任が成り立つため、現時点で結論を断じることはできないだろう。

それでも、この事故が突きつけているものは重い。

避難したあとに戻るよう促す一言が、どれだけの結果を招くか。

売上金と人の命を、とっさの現場で天秤にかけさせない仕組みを、会社の側があらかじめ持っていたかが問われている。


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まとめ

  • 亡くなった22歳の女性は駐車場まで避難したあと、「会社の上の人に言われた」と告げて館内に戻り、約5分後の爆発に巻き込まれた。
  • 会社は当初、遺族に「私物を取りに戻る同僚に付き添った」と説明していたが、後に「売上金を金庫に戻してほしい」と自ら指示していたことを認めた。
  • 売上金の金庫は1階、店舗は2階にあったとされ、現金を戻すには地震後の建物を階をまたいで移動する必要があった。
  • 客約3000人は無事で、亡くなった7人は全員がテナントの従業員。イオン本体に死者はなく、「避難後は戻らない」ルールの徹底度が生死を分けた。
  • 指示は「もし可能であれば」という依頼で、営業部長→休みの店長→出勤中の同僚と電話で伝わったものだった。

避難したあとの「戻って」という一言が、地震そのものと同じ重さを持ってしまう。

この事故は、そのことを静かに示している。

よくある質問(FAQ)

Q1. イオンモール熊本の爆発で、なぜ従業員は避難後に戻ったのか?

テナントの雑貨店を運営する会社ハビタが、売上金を金庫に戻すよう指示していたためです。

会社は通夜でこの指示を認め、遺族に謝罪しました。

Q2. イオンモール熊本の爆発は、いつどこで起きたのか?

2026年7月28日午後5時50分ごろ、熊本県嘉島町のイオンモール熊本で起きました。

同日午後4時27分ごろに強い地震があった後の出来事です。

Q3. イオンモール熊本の爆発で亡くなったのは何人か?

熊本県とイオンの公表によると、亡くなったのは7人、負傷は5人です。

亡くなった7人はいずれもテナントで働く従業員でした。

Q4. 売上金を金庫に戻すよう指示したのは誰か?

ハビタの取締役営業部長が「もし可能であれば」と依頼し、その日休みだった店長を通じて出勤中の同僚へ電話で伝わったと報じられています。

Q5. 爆発事故で会社の責任は問われるのか?

会社には働く人の命と安全を守る安全配慮義務があります。

ただし結果を予測できたか、指示と死亡のつながりがあるかなどが問われ、現時点で結論は断じられません。

Q6. イオン本体の従業員に死者が出なかったのはなぜか?

イオンは「いったん避難した者は館内に入らない」というルールを設けており、社長は従業員の再入館を許可した事実を明確に否定しています。

📚 参考文献

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

reaitimenews.com

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