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ファストリの初任給37万円は、固定残業代を含まない純粋な基本給だ。
6年前はわずか21万円だった。
2026年3月3日、ファーストリテイリングが入社式を行った。
509人の新入社員のうち26人はインドとベトナムからの採用者。
柳井正会長が語った「自分の運命は自分で作る」という言葉と、37万円の中身を読み解いていく。
この記事でわかること
ファストリ入社式、509人に柳井会長が「自分の運命は自分で作る」
2026年3月3日、ファーストリテイリングは東京・有明本部で入社式を行い、前年より89人多い509人が入社した。
他社の入社式は4月。
ファストリは毎年3月だ。
なぜ1か月早いのか。
テレビ朝日の報道によると、GW商戦の繁忙期に備えるためだ。
1週間の本部研修のあと店舗に配属され、5月の大型連休までに業務を覚える。
WWDJAPANの報道によると、9月入社のインド・ベトナム採用26人とユニクロ女子陸上部の1人を含む数字だ。
柳井会長のスピーチ要旨
繊研新聞の報道によると、柳井正会長はこう語った。
「我々はお客様に一枚ずつ服を売って、その積み重ねで売上高が3兆円を超えるまで成長してきた」
「目の前で起こっていることを自分の頭で考えて行動してほしい」
新入社員代表として登壇したのは、立命館大学卒の竹河花菜さん。
Fashionsnapの報道によると、初任給37万円への引き上げについて「身が引き締まる思いです。会社の期待に応えられるよう、精一杯業務に励みます」と語った。
インドやベトナムから26人を採用している事実は見落とせない。
アパレル小売の入社式に海外の大学院卒の人材が並ぶ光景は、ファストリのグローバル化がどこまで進んでいるかを映し出している。
では、この37万円はどこまで額面通りに受け取ってよいのか。
初任給37万円の「からくり」──固定残業代ゼロという事実
ファストリの初任給37万円は、固定残業代を一切含まない基本給だ。残業代は1分単位で別途支給される。
「どうせ固定残業代込みの数字だろう」。
そう思った人は多いだろう。
IT企業やベンチャーでは初任給40万円超を掲げながら、30〜80時間分の固定残業代を含んでいるケースが珍しくない。
ところが、日経新聞の報道によると、ファストリの37万円は手当などを除いた基本給であり、残業代や一時金は含まない。
ポイント
固定残業代込みの見せかけ → 基本給のみで37万円。残業代は1分単位で別途支給
この違いがどれほど大きいか、他社と並べてみる。
| 企業 | 初任給 | 固定残業代 |
|---|---|---|
| ファストリ(グローバルリーダー候補) | 37万円 | なし |
| サイバーエージェント | 42万円 | 込み(推定) |
| 三菱商事 | 34万円程度 | なし |
| 大卒平均(2025年) | 約24万円 | ー |
※サイバーエージェント・三菱商事の数値はSNSや求人情報サイトの公開情報に基づく。公式発表と異なる場合がある。
額面42万円でも固定残業代が含まれていれば、基本給はそれより低くなる。
ファストリの37万円は額面と基本給が一致している分、賞与の算定基礎も大きくなる。
ファーストリテイリングの公式発表によると、グローバルリーダー候補の年収目安は約590万円だ。
賞与年2回と決算賞与を含む。残業代と通勤手当は別途支給される。
一方、転勤を伴わない地域正社員の初任給は28万円。
年収目安は約447万円になる。37万円と28万円の差は、海外を含む転勤があるかないかだ。
注意:手取りは額面と違う
月額37万円の場合、税金と社会保険料を引いた手取りは約29万円とされる。
「37万もらえる」と思って入社すると、最初の給与明細で驚くことになる。
柳井氏は日経新聞の取材に対し、「世界水準ではまだ低い」と語っている。
37万円でも足りないという認識は、さらなる引き上げを示唆するものだろう。
基本給のみで37万円。
この水準を実現できた背景には、ファストリの急成長がある。
6年で21万→37万円──初任給「76%増」の背景
21万円から37万円。6年で16万円、率にして76%の引き上げだ。
この数字を見て驚かない人はいないだろう。
2020年時点のファストリの初任給は21万円で、当時の大卒平均初任給とほぼ同じ水準だった。
それが6年で大卒平均の約1.5倍にまで跳ね上がった。
ファストリ初任給の推移
2020年:21万円(大卒平均とほぼ同水準)
2023年:30万円に引き上げ(約43%増)
2025年:33万円に引き上げ
2026年:37万円に引き上げ(2020年比76%増)
WWDJAPANの報道によると、初任給の引き上げは2020年以降4度目で、6年間で16万円増加している。
なぜここまで上げられるのか。
答えは業績にある。
ファーストリテイリングのIR情報によると、2025年8月期の売上高は3兆4005億円で過去最高を更新した。
2026年8月期は売上高3兆8000億円、事業利益6500億円を見込んでいる。
2025年8月期 売上高
3兆4005億円
2026年8月期 予想
3兆8000億円
海外ユニクロ事業の売上が国内を上回り、グローバルでの人材獲得競争が激しくなっている。
初任給の引き上げは、優秀な人材を世界中から集めるための投資といえる。
あなたの会社の初任給は、この6年間でいくら上がっただろうか。
ファストリが16万円引き上げた同じ期間、日本全体の大卒初任給の上昇幅は数万円にとどまる。
この差は、企業ごとの成長スピードの差がそのまま給与に表れていることを物語っている。
⚠️ ここからは推測
柳井氏が「世界水準ではまだ低い」と語っていること、そして2026年8月期もさらなる増収増益を見込んでいることを踏まえると、2027年以降も初任給の引き上げは続くのではないか。
ただし、為替変動や海外市場の減速があれば方針が変わるリスクはある。
まとめ
- ファーストリテイリングは2026年3月3日に入社式を実施。509人が入社した
- 初任給37万円は固定残業代を含まない基本給。残業代は別途1分単位で支給される
- 年収目安は約590万円。地域正社員は月額28万円、年収約447万円
- 6年前の21万円から76%増。2020年以降4度目の引き上げ
- 柳井会長は「世界水準ではまだ低い」と語り、さらなる賃上げに前向きな姿勢を示している
よくある質問(FAQ)
Q1. ファーストリテイリングの初任給37万円に固定残業代は含まれる?
含まれない。37万円は基本給のみで、残業代は1分単位で別途支給される。
Q2. ユニクロの初任給37万円の手取りはいくら?
税金と社会保険料を引いた手取りは約29万円とされる。
Q3. グローバルリーダー候補と地域正社員の違いは?
海外を含む転勤の有無。グローバルリーダー候補は月額37万円、地域正社員は28万円。
Q4. ファーストリテイリングの入社式はなぜ3月?
GW商戦の繁忙期までに業務を覚えるため、毎年3月に実施している。
Q5. ユニクロの初任給は6年前いくらだった?
2020年は21万円。そこから4回引き上げられ、2026年に37万円となった。
Q6. ファーストリテイリングの新卒1年目の年収はいくら?
グローバルリーダー候補の年収目安は約590万円。賞与年2回と決算賞与を含む。
Q7. ユニクロの初任給は他社と比べて高い?
基本給のみで37万円は三菱商事(34万円程度)を上回り、固定残業代込みの他社より実質的に高い水準。
Q8. 2026年のファーストリテイリング入社式は何人参加した?
509人が入社。前年より89人多く、インド・ベトナムからの採用26人を含む。
リアルタイムニュースNAVI 編集部
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📚 参考文献
- ファーストリテイリング「報酬をさらに強化」(2025年12月22日)
- Fashionsnap「ファストリが一足早い入社式を開催、総勢509人が入社」(2026年3月3日)
- WWDJAPAN「ファストリ入社式500人参加 柳井社長『自分の運命は自分で作る』」(2026年3月3日)
- 繊研新聞「ファストリが入社式 柳井会長『自分の頭で考え、チームで仕事を』」(2026年3月3日)
- テレビ朝日「ファーストリテイリング1カ月早い入社式」(2026年3月3日)
- ファーストリテイリング「決算サマリー」(2026年1月8日)