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法政大学千代田三番町の2027入試、日本学園の再来か

法政大学千代田三番町の2027年入試、日本学園の再来か―受験者数51人から1088人に急増した前例と2027年の変更点を解説

| 読了時間:約10分

2026年3月25日、法政大学が初めての 系属校 けいぞくこう を持つことになった。

東京家政学院中学・高校が2027年4月、「 法政大学千代田三番町中学校・高等学校 」として再出発する。 前年の 日本学園 (現・明治大学付属世田谷)では、系列化発表後に受験者数が 51人 から 1088人 に跳ね上がった。 千代田三番町でも同じ激変が起きるのか。

 

 

法政大学が初めて持つ「系属校」とは何か ― 千代田三番町誕生の全貌

2026年3月25日、法政大学と東京家政学院が基本合意書を締結した。 2027年4月から東京家政学院中学・高校が「 法政大学千代田三番町中学校・高等学校 」として再出発する。 法政大学にとって初めての系属校誕生 を意味する。

「系属校」と「付属校」は何が違う?

MARCHの中で法政大学には、これまで3つの付属校があった。 法政大学中学校(三鷹市)、法政大学第二中学校(川崎市)、法政大学国際高等学校(横浜市)の3校だ。

付属校 とは、大学と同じ学校法人が運営する直系の学校を指す。 一方、 系属校 けいぞくこう は別の法人が運営しながら大学名を使い、内部推薦枠を持つ提携校のことだ。 今回の千代田三番町は後者にあたる。

「系属校ゼロ」だった法政大

ここで注目したい事実がある。

法政大学はMARCHの中で 系列校を充実させてきた大学 実は系属校をゼロで持ち続けた唯一の大学 だった。 明治・青山学院・立教・中央がそれぞれ系属校を持つなか、法政だけが付属3校のみで歩んできた。

公式発表より

ダイヤモンド・オンライン(森上教育研究所) によると、「法政大には3つの付属校があるものの、 系属校は今回が初めてとなる 」。

2026年3月25日、その方針が初めて崩れた。

「千代田三番町」という名前の由来

この校名には、ちょっとした裏話がある。

法政大学千代田三番町が位置する番町エリアには、すでに「千代田」という名前の学校が存在する。 旧千代田国際・千代田女学園を前身とする「千代田」中高だ。 だから単純に「法政大学千代田中学校」とはできなかった。

知ってる? 校名の意外な由来

番町エリアに同名校が存在したため、住所をそのまま使った「千代田三番町」という、マンション名のような校名が生まれた。 ダイヤモンド・オンラインも「一度耳にしたら忘れられない学校名」と評している。

同エリアには一番町に女子学院、六番町に雙葉、三番町に大妻が位置する。 首都圏でも屈指の女子校密集地帯だ。

では、なぜ東京家政学院が選ばれたのか。 その背景には、想像を超えた事情があった。

 

 

高校卒業者60人・法政合格わずか2人 ― 東京家政学院が系属校化を決断した理由

東京家政学院の2025年の高校卒業者数は わずか60人 だった。 募集定員(中学100人・高校160人)と比べると、 募集定員の4分の1にも満たない 深刻な状況が続いていた。

resemom.jpが伝えた公式発表 によると、千代田区と町田市に拠点を持つ両法人は「地域コンソーシアムを通じて協力関係を築いてきた」とある。 ただ既存の協力関係だけでは、系属校化の理由を説明しきれない。

募集定員の4分の1以下という現実

ダイヤモンド・オンライン によると、東京家政学院の2025年の高校卒業者数は わずか60人 だった。

募集定員は中学100人・高校160人の合計260人だ。 定員の4分の1にも満たない生徒しかいない状態が続いていた。 さらに衝撃的なのは、進学実績の数字だ。

募集定員(中高合計)

260人

2025年 高校卒業者数

60人

2025年、この学校から法政大学に合格した生徒は わずか2人 にとどまっていた。


なぜ「三輪田学園」ではなかったのか

法政大飯田橋キャンパスに最も近い中高一貫女子校は、 三輪田学園 だ。 しかも三輪田学園には、法政大への推薦枠がすでに 30人 分存在する。

それでも東京家政学院が選ばれた理由は、「大学間の連携」にある。

公式発表より

公式発表 では「中高のみならず大学間でも単位互換などの交流が行われることになる」とされている。

三輪田学園は東京家政学院と法人が異なる。 一方、東京家政学院は系列の東京家政大学と一体で動ける。 この点が、法政大にとって大学間の教育連携を同時に実現できる決め手になったとみられる。

1923年創設の女子伝統校が、101年の歴史の中で最大の転換点を迎えた。 では、この転換で入試はどれほど激変するのか。 先行事例が示す数字は衝撃的だ。

 

 

51人→1088人の前例 ― 日本学園の激変データが示す千代田三番町の行方

日本学園 (現・明治大学付属世田谷)の受験者数は、系列化前の2020年に 51人 だったものが、発表翌年の2023年には 1088人・倍率7.7倍 まで急増した。 千代田三番町でも同様の激変が起きると、 ダイヤモンド・オンライン(森上教育研究所) は予測している。

ダイヤモンド・オンライン が示したデータを見ると、系列化前後の変化のすさまじさがわかる。

受験者数 実倍率
2020年 51人 1.7倍
2021年 119人 1.3倍
2022年 188人 1.7倍
2023年(系列化発表) 1,088人 7.7倍
2024年 956人 5.0倍
2025年(男子校最後) 1,299人 6.3倍
2026年(共学化) 870人 5.3倍

系列化発表の年、受験者数は前年比で 約6倍 に跳ね上がった。

偏差値も「Hランク」から「Cランク」へ

数字の変化は受験者数だけではない。 日本学園の偏差値推移も衝撃的だ。

2021年まで偏差値が付かない Hランク だったものが、2022年にGランクとなり、系列化発表の2023年には一挙にDランクまで上昇した。 共学化した2026年にはCランクとなっている。 わずか5年で、偏差値が存在しない学校から中堅上位の学校に変わった。

千代田三番町との「決定的な違い」

ただし千代田三番町が、日本学園と全く同じ軌跡をたどるかどうかはわからない。

確定している事実

千代田三番町は当面「女子校のまま」で募集を続ける。 男子が受験できる共学化の時期は「今後適切な時期に」とされており、具体的な年度は未定だ。

つまり2027年入試は、女子のみが激しい競争にさらされる形になりそうだ。 男子の受験者が加わった日本学園と比べると、初年度の爆発力は異なるかもしれない。

一方で、千代田区という都心の好立地と法政市ヶ谷キャンパスの近さは、日本学園にはない強力な武器だ。


森上展安 ・森上教育研究所代表は、受験者数減少の根本原因をこう語っている。

専門家コメント(ダイヤモンド・オンラインより)

「付属校の受験者数減少は、何といっても 理系進学率の少なさ に原因があります。 MARCH系列校での 10%台 程度の理系進学率ではかなり不安だろうと思います」

法政大学中学校の理系内部進学割合は 13% 、法政大学第二中学校は 14% だ。 難関・上位進学校の理系進学率 40% と比べると、大きな開きがある。

では2027年入試は具体的に何が変わるのか。 四谷大塚が公式に公開した変更点を確認しよう。

 

 

2027年入試の変更点と「MARCH最大規模」法政4校体制の全体像

四谷大塚が2026年3月30日更新で公開した「2027年入試変更点」 に、具体的な変更内容が記載されている。 2027年から千代田三番町の入試体制は大きく刷新される。

2027年入試の具体的な変更点

入試回 変更内容 定員
2/1午前 4科型を新設 30名
2/1午後 総合型(「総合」1科目判定)に変更 15名(▼10名)
2/2午前 定員変更 25名(▼15名)
2/4午前 4科型から2科型に変更 10名(▼5名)

東京家政学院時代は「総合」1科目での入試が中心だった。 2027年からは 2/1午前に4科型(国・算・理・社)が新設 され、より学力を重視した選抜に変わる。 これは法政大の他の付属校に近いスタイルだ。

4校体制でMARCH最大規模に

ダイヤモンド・オンライン によると、法政大の3付属校の募集人員の合計は 1142人 だ。

法政4校体制の規模

千代田三番町(中学100人・高校160人)が加わると、合計は 1402人 となる。 明治大の 1285人 を超え、 MARCHで最大規模の系列網 となる。

4校の内部進学率と特徴

ダイヤモンド・オンライン インスパイアアカデミー のデータをもとに4校を整理した。

学校名 場所 内部進学率
法政大学中学校 三鷹市 91.6%
法政大学第二中学校 川崎市 91%
法政大学国際高等学校 横浜市 71%
法政大学千代田三番町 千代田区 未定

千代田三番町の内部進学率は現時点で未定だ。 推薦枠の人数も「学校推薦型選抜の拡充を検討する」とされるにとどまり、具体的な数は発表されていない。

実は、既存の付属2校は別の問題を抱えている。 法政大学中学と法政第二の2026年中学受験者数の合計は 2085人 で、前年の 2587人 から 502人・約2割減少 した。 系属校の拡充は、「集客力の強化」と同時に「付属校離れへの対抗策」でもあるとみられる。

 

 

2027年受験に向けて今知っておくべきこと ― 千代田三番町が変える番町エリアの受験地図

2027年入試は、まさに「激変の初年度」に立っている。 日本学園の前例にならえば、偏差値確定前の2027年初年度が 最もリスクとリターンを取りやすいタイミング かもしれない。

女子・男子それぞれの戦略

当面、千代田三番町は女子校のまま募集を続ける。

2027年入試を狙う女子受験生にとっては、過去問が少なく難易度が読みにくい一方、競合相手の絞り込みがしやすいという側面もある。 4科型の新設 により、法政大学中学校や法政第二の入試問題が参考になりそうだ。

男子受験生については、共学化の時期が決まるまで状況を見守る必要がある。 共学化が実現した場合、同エリアで男子が選べる選択肢は現在ほぼ暁星のみだ。 千代田区に法政系の共学校が誕生すれば、受験の勢力図は大きく塗り替わるだろう。


今、知っておくべき3つの不確定要素

注意すべき未確定事項

① 推薦枠の人数 :現時点で未発表。 何人が法政大に推薦されるかで、難易度の水準が変わる。

② 共学化の時期 :「今後適切な時期に」とされているが、具体的な年度は決まっていない。

③ 入試問題の傾向 :4科型が新設されたが、どのような内容になるかはまだわからない。

MARCH全体に広がる連鎖

ダイヤモンド・オンライン によると、立教大学でも「系列4校が属する日本聖公会以外の学校へのアプローチが水面下では徐々に進んでいる」という。

千代田三番町の誕生は、法政だけの話ではない。 少子化が進む中、大学が生徒を確保するため中高の系列化を急ぐ動きは、MARCH全体に広がりつつあるとみられる。 今後数年で、中学受験の勢力図はさらに動きそうだ。

 

 

この系列化が問いかける本当の問題 ― 少子化時代の「大学生き残り戦争」という構図

報道では「法政が千代田区に系属校を持つ」という事実が中心に語られている。 ただ、報道された事実をもとに別の角度から見ると、もう一つの構図が浮かび上がる。

大学が「中高生を囲い込む」ことを急ぎ始めた

ダイヤモンド・オンライン によると、「急速に進む少子化への対応は、人気のMARCHであっても待ったなしだ」と指摘されている。

これは単なる一校の改名ではない。 18歳人口の急減 を前に、大学が中高での「事前囲い込み」を本格化させているという構造的な変化だ。 東京家政大学(大学部門)の定員充足率は著しく低下したと報じられており、中学・高校を法政の看板で立て直すことで、法人全体を再生させようという意図もあるとみられる。


「中高を押さえた者が大学入学者を制する」時代

少子化の進行とともに、大学が安定した入学者を確保できるルートとして、付属・系属校の価値は高まり続けるだろう。

実際、法政の4校体制が整えば、毎年 1000人超 の生徒が内部ルートで大学に進学する計算になる。 これは「入試で勝ち取る学生」ではなく「中学入試の段階で確保した学生」だ。 中学受験の偏差値競争の背後には、 大学が学生確保のために設計したこの仕組み が動いている。

受験生・保護者が知っておくべき視点

この見方が示唆することは何か。

大学付属・系属校の増加は、受験生にとって選択肢の拡大に見える。 一方で、中学受験のハードルが全体的に上がっていくという側面もある。

今後、MARCH系の系属校化はさらに増えることも考えられる。 自分の子どもにとって「6年間の安定」と「大学受験への挑戦」のどちらが合うかを、改めて考えるタイミングに来ているのかもしれない。

まとめ

  • 2027年4月 、東京家政学院中学・高校は「法政大学千代田三番町中学校・高等学校」に改称する。法政大学にとって初めての系属校だ。
  • 東京家政学院は2025年の高校卒業者が60人で、法政大合格者はわずか2人だった。定員の4分の1以下という深刻な状況が、今回の決断を後押しした。
  • 日本学園(明治付属世田谷)では系列化発表後、受験者数が51人から1088人・倍率7.7倍に急増した。千代田三番町でも同様の激変が予想される。
  • 2027年入試は四谷大塚公式資料によると、2/1午前に 4科型が新設 (定員30名)される。入試は総合型から学力重視型に切り替わる。
  • 推薦枠の人数・共学化の時期・入試問題の傾向という 3つの不確定要素 が残っている。最新情報を追いながら受験計画を立てることが重要だ。

よくある質問(FAQ)

Q1. 法政大学千代田三番町とはどんな学校?

東京家政学院中学・高校が2027年4月に改称する法政大学初の系属校。 千代田区三番町に位置し、法政市ヶ谷キャンパスの目の前にある。

Q2. 2027年入試で何が変わる?

四谷大塚の公式資料によると、2月1日午前に4科型入試が新設(定員30名)され、総合型入試の定員も変更される。

Q3. 推薦枠は何人もらえる?

2026年4月時点で具体的な人数は未発表。 「学校推薦型選抜の拡充を検討する」とされているのみ。

Q4. 共学化はいつ?男子はいつから受験できる?

「今後適切な時期に」とされており、具体的な年度は未定。 当面は女子校として募集する。

Q5. 日本学園(明治付属世田谷)との違いは何か?

千代田三番町は当面女子校のまま。 日本学園は男子校から共学化したため、初年度の受験者数の増え方が異なるとみられる。

Q6. 法政大学の系属校と付属校はどう違う?

付属校は大学と同じ法人が運営する直系の学校。 系属校は別法人だが大学名を使い内部推薦枠を持つ提携校。

Q7. 東京家政学院はなぜ系属校に選ばれた?

大学間の単位互換など教育連携が同時に実現できる法人間の既存関係があったから。 三輪田学園は推薦枠30人を持つが、大学どうしの連携は別法人ゆえ難しかった。

Q8. 法政大学千代田三番町の内部進学率は?

現時点で未定。 参考として法政大学中学は約91.6%、法政第二は約91%、法政国際は約71%の内部進学率を持つ。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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