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なぜバーレーンの米軍が標的に?4カ国同時ミサイル攻撃の全容

イランの報復攻撃でバーレーン・カタール・UAE・クウェートの4カ国の米軍基地が同時にミサイル攻撃を受けた全容を解説するアイキャッチ画像

| 読了時間:約8分

イランがバーレーンの米海軍第5艦隊をミサイルで攻撃した。
同時にカタール・UAE・クウェートの米軍基地にも撃ち込まれ、中東全体に戦火が広がっている。

なぜバーレーンが狙われたのか。
日本にはどう影響するのか。

 

 

 

イラン報復で4カ国の米軍基地にミサイル――何が起きたのか

2月28日、イラン革命防衛隊かくめいぼうえいたいが米国・イスラエルへの「報復攻撃」を宣言し、バーレーン駐留の米海軍第5艦隊を含む中東4カ国の米軍基地にミサイルを発射した。

TBS NEWS DIGによると、標的になったのはバーレーンの米海軍第5艦隊司令部と、カタールの米軍基地だ。

バーレーン国家通信センターの発表

「第5艦隊のサービスセンターがミサイル攻撃を受けた」(アラブニュース

バーレーン内務省は住民の携帯に緊急警報を送った。
最寄りの安全な場所へ直ちに逃げるよう呼びかけている。

マナマにいたAFP通信の特派員もサイレンの音を報告した。


攻撃はバーレーンだけではなかった

「イスラエルとイランの2国間の争い」と思った人は多いだろう。
ところが今回の報復は、その構図を大きく超えていた。

CNNによると、爆発が報告されたのはバーレーン・カタール・UAE・クウェートの4カ国にわたる。
いずれも米軍基地がある場所だ。

UAEの首都アブダビでは、住民が大きな爆発音を聞いたと証言している。
国営通信WAMはイランのミサイル数発を迎撃したと発表した。

UAE アブダビでの被害

アブダビ市内の住宅地にミサイルの破片が落下し、アジア国籍の民間人が1人死亡した(CNN)。

カタールではミサイル防衛システムが迎撃に成功したと報じられている。
一方、バーレーンの第5艦隊施設やクウェートの被害の詳細は、まだ明らかになっていない。

 

 

 


なぜイランは報復したのか――48時間前の出来事

この攻撃は突然起きたものではない。

同じ2月28日、米国とイスラエルがイランへの先制攻撃に踏み切った。
BBCによると、トランプ大統領は「大規模な戦闘作戦が進行中だ」と発表している。

ネタニヤフ首相も「存亡の危機を排除する作戦に着手した」と述べた。

テレビ朝日の報道では、2月26日にスイス・ジュネーブで行われた核協議が合意に至らず終わっていた。
その48時間後に攻撃が始まった形だ。

比較 2025年6月「12日間戦争」 2026年2月28日
イランの報復先 カタール(1基地) 4カ国の米軍基地
米軍の参戦 開戦9日目から 初日から共同作戦
死者(イラン側) 935人 未発表
きっかけ イスラエル単独の先制攻撃 米イスラエル合同の先制攻撃

2025年6月の「12日間戦争」と呼ばれた前回の衝突では、イランの報復先はカタールのアルウデイド空軍基地だけだった。
今回は4カ国に広がっている。

米軍が初日から参戦したことで、イランも報復の規模を大きく引き上げたのだろう。

では、そもそもなぜバーレーンが狙われたのか。

 

 

 

なぜバーレーンが標的に?――イランから「目と鼻の先」にある米軍拠点

バーレーンは、ペルシャ湾を挟んでイランからわずか200km程度に位置する。ここに米海軍第5艦隊の司令部があるからこそ、イランの報復先として狙われた。

バーレーンはペルシャ湾に浮かぶ小さな島国だ。
面積は東京23区よりやや広い程度にすぎない。

しかし、この小国にはアメリカ海軍の中東における最重要拠点がある。

第5艦隊とは何か

ウィキペディアによると、第5艦隊は1995年に再編された米海軍の艦隊だ。
ペルシャ湾・紅海・アラビア海からケニアまでの東アフリカを担当する。

首都マナマに司令部を置き、海上勤務の約15,000人が任務にあたっている。

第5艦隊の役割

つまり第5艦隊は、中東の石油輸送ルートを守るアメリカ海軍の「番人」だ。
イランにとって、これほど目障りな存在はない。

 

 

 

約200kmという距離が意味すること

地図を開くと、バーレーンとイランの位置関係に驚く。

ペルシャ湾を挟んで、両者の距離は200kmしかない。
東京から静岡あたりまでの距離だ。

イランが持つ短距離弾道だんどうミサイルの射程は300〜500kmとされている。
バーレーンの第5艦隊司令部は完全にその射程圏内に入る。

後方の安全地帯イランから見れば「すぐそこ」にある米軍基地なのだ。


米軍はこの攻撃を予測していた

注目すべき事実がある。

攻撃の数日前、バーレーンの港から米海軍の艦艇が次々と出港する動きが報告されていた。
SNS上では中国の衛星画像による確認も拡散された。

⚠️ ここからは推測です

第5艦隊本部は全ての艦艇を出港させ、残る人員を「任務に不可欠な」最小限にまで縮小していたと見られる。
100人未満まで減らしていたという報道もある。

つまり米軍は、バーレーンの基地を「守り抜く」のではなく「避ける」選択をしていた。
世界最強と言われる米軍でも、至近距離からの弾道ミサイルには別の対処法をとるしかなかったのだろう。

前回の12日間戦争で、イランの短距離ミサイルは「数千発」がほとんど手つかずで残っているとの分析もある。
米軍がこの脅威を深刻に受け止めていたことは、事前退避という行動が物語っている。

ペルシャ湾の向こう側で始まった戦闘は、日本のガソリン価格にも影を落としかねない。

 

 

 

ホルムズ海峡と日本――ガソリン価格に直結する「海峡リスク」

ホルムズ海峡を通過する原油は日量約1,650万バレル。この海峡が封鎖されれば、日本のエネルギー供給に深刻な打撃が及ぶ。

「中東の戦争は遠い話だ」と感じた人もいるだろう。
だが1つの海峡を思い出してほしい。

世界の原油の2割が通る狭い水路

ホルムズ海峡は、ペルシャ湾の出入り口にあたる。
幅はわずか50kmほどだ。

ホルムズ海峡の通過原油量

ブルームバーグの報道によると、この海峡を通過する原油は日量約1,650万バレル
世界の原油消費量の約2割にあたる(リアルタイムニュースNAVI)。

日本が1日に使う原油は約300万バレル。
ホルムズ海峡が1日止まるだけで、日本の約5日分にあたる原油が滞る計算になる。

日本のタンカーはこの海峡を経由して中東から原油を運んでいる。
海峡が封鎖されれば、ガソリン価格の上昇は避けられない。

 

 

 


イランは戦争を「予期」していた

BBCの報道では、イランの最高指導者ハメネイ師は攻撃の時点でテヘランにおらず、安全な場所に移されていた。

もうひとつ注目すべき事実がある。
ロイター通信によると、イランは攻撃に備えて海上に約2億バレルの原油を備蓄していた。

世界全体の消費量の約2日分に相当する量だ。

攻撃される側もまた、この日が来ることを知っていた。
外交と並行して、双方が戦争の準備を着々と進めていたことになる。


今後の3つのシナリオ

⚠️ ここからは推測です

以下の見通しは現時点での分析に基づくものであり、確定した情報ではない。

シナリオ 条件 日本への影響
短期終結 数日で停戦合意 原油価格は一時的な上昇
長期化 2週間前後の戦闘 ガソリン価格に波及
海峡封鎖 イランがホルムズ海峡を封鎖 日本経済に深刻な打撃

外務省はすでにイラン全土に危険情報レベル4(退避勧告)を出している。

イランが海峡を全面封鎖すれば自国の原油輸出も止まるため、合理的には考えにくい。
だが2025年6月の戦争では部分的な閉鎖も報じられた。

追い詰められた局面で合理性が通用するとは限らない。

ガソリンスタンドで値段が上がったとき、その原因はこの海峡の向こう側にある。

 

 

 

まとめ

  • 2月28日、イラン革命防衛隊がバーレーン・カタール・UAE・クウェートの米軍基地にミサイル攻撃を行った
  • バーレーンの米海軍第5艦隊は、ペルシャ湾を挟んでイランから約200kmの位置にある
  • 米軍は攻撃を予期し、事前に艦艇を出港させていたと見られる
  • ホルムズ海峡が封鎖されれば、日本の原油供給とガソリン価格に直撃する
  • 外務省はイラン全土にレベル4の退避勧告を発出済み

※この記事は2026年2月28日19時時点の情報に基づいています。情勢は刻々と変化しており、最新の状況は各報道機関で確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q1. なぜバーレーンの米軍基地が攻撃されたのですか?

バーレーンはイランから約200kmの距離にあり、米海軍第5艦隊の司令部が置かれているため標的になった。

Q2. 米海軍第5艦隊とは何ですか?

1995年に再編された米海軍の艦隊で、ペルシャ湾・紅海・アラビア海を管轄しバーレーンに司令部を置く。

Q3. カタールに米軍基地はありますか?

カタールの首都ドーハ近郊にアルウデイド空軍基地があり、中東最大の米軍基地とされる。

Q4. イラン攻撃で日本にはどんな影響がありますか?

ホルムズ海峡が封鎖されれば世界の原油輸送の約2割が止まり、ガソリン価格の上昇に直結する。

Q5. ホルムズ海峡は封鎖されるのですか?

現時点で全面封鎖はされていないが、イランの報復が続けばリスクは高まる。イラン自身の輸出も止まるため慎重との見方もある。

Q6. バーレーンの米軍基地に被害はありましたか?

第5艦隊施設へのミサイル着弾が報告されているが、詳しい被害状況はまだ公表されていない。

Q7. 2025年6月の12日間戦争と何が違うのですか?

前回はイランの報復先がカタール1基地だけだったが、今回はバーレーン・カタール・UAE・クウェートの4カ国に拡大した。

Q8. 第三次世界大戦になるのですか?

現時点で他国が参戦する動きは確認されていないが、中国・ロシアの対応次第で情勢は変わりうる。

Q9. ガソリン価格は上がりますか?

原油価格は短期的に上昇する見込み。ホルムズ海峡が封鎖されれば長期的な高騰につながるだろう。

Q10. アメリカとイランはいつ国交を断絶しましたか?

1980年4月7日にアメリカがイランとの国交を断絶した。以降スイスが利益代表部を通じて仲介している。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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