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JALの不正受給、返還額の大半は「証拠不足」が理由だった

| 読了時間:約5分

JALが「不正受給」。

でも中身は詐欺事件とは違っていた。

日本航空(JAL)が、国の補助金事業で不適切な受給があったと発表した。

「不正受給」と聞くと、悪意のある詐取を想像するかもしれない。

だが、その中身は少し違っていた。

故意の詐取なのか、それとも単なる管理ミスなのか。

そこが一番気になるところだろう。

JALの不正受給、返還額の大半は「証拠不足」が理由だった

JAL「不正受給」見出しの中身

返還額は 2.85億円

だが中身は単純な「水増し」ではない。

日本航空(JAL) は2026年6月30日、補助金事業の調査結果を公表した。

対象は経済産業省所管の研究機関、 NEDO が進める事業だった。

朝日新聞 「JAL、国の補助金を不正受給 空飛ぶクルマの研究、2億円を返還へ」が伝えた。

2.85億円
返還する方針の金額

実は、返還の理由は単純な 使い込み ではなかった。

JALは2022年度ごろから、複数の企業と共同でこの事業に参加していた。

研究テーマは 「空飛ぶクルマ」 やドローンの安全な運航技術だった。

労務費(研究者の人件費)の一部を、国から補助金として受け取っていた。

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今回問題になったのは、その労務費の申請内容だった。

では、なぜこの問題は半年近くも社内で気づかれなかったのか。

なぜ半年も見過ごされたのか

疑問の声は2025年9月、現場から確かに上がっていた。
エアモビリティ創造部 という、 約20人 の組織での出来事だった。

共同通信 「日航、補助金不正で返還へ 空飛ぶクルマ、2億円超」が伝えた。

社員は研究の従事時間を、実態より多く申請していた。

問題は、その場の説明の仕方にあった。

管理職は、研究員ごとに 「予定の従事時間」 を割り振っていた。

その予定に合わせて、日誌の記載例まで用意していたという。

自分の仕事がこの事業に当たるのか、疑問を示す研究員が複数いた。

だが、その疑問は 上層部に伝わらなかった

管理職は曖昧な対応を続けた。

上層部への報告もしなかった。

研究員側も、管理職の様子をうかがう状況だったという。

背景には、ある思い込みがあった。

年間の予算を全額使い切らないと、NEDOとの関係が悪くなる

エアモビリティ創造部は、そう誤って思い込んでいたという。

2025年9月
疑問の発生
研究員から疑問の声があがる
その後
報告されず
管理職が曖昧な対応を続け、上層部に届かず
2026年6月30日
問題を公表
JALが調査結果を公表する

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では、最終的な返還額2.85億円は何が理由で確定したのか。

返還額2.85億円の本当の中身

証拠で裏付けが取れたのは、受給額のわずか 1割強 だった。
Aviation Wire 「JAL、空飛ぶクルマ・ドローン事業で不正受給 管理職指示で実態異なる日誌、NEDOに2.8億円返還へ」が伝えた。

受給済みの労務費は、3億2123万円にのぼる。

3億2123 万円
受給総額
3602 万円
証拠あり
2億8521 万円
返還額

このうち客観的な証拠が確認できたのは、3602万円だけだった。

残る2億8521万円は、証拠不足を理由に返還する。

3,602万円 ÷ 3億2,123万円 ≒ 11.2%

証拠の比率は3602万円÷3億2123万円で、約 11.2% にとどまるのではないか。

返還する分の全てが、 「業務をしていなかった」と確定したわけではない

裏付け資料が残っていなかった、というケースも含まれるという。

なぜ、証拠不足はこれほど多かったのか。

国などの研究費は、その場でつけた記録を求める。

あとからの記憶だけでは、証拠として認められにくい。

一方、研究者は複数の仕事を掛け持ちすることが多い。

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その時間管理は、予定をもとに配分されがちだ。

早い話、 ズルというより記録の付け方の問題だった のかもしれない。

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では、過去のNEDO不正受給事件と比べると何が違うのか。

PEZY事件と何が違うのか

同じNEDOの補助金で、 社長が逮捕された 企業がある。
NEDO 「株式会社PEZY Computingによる助成金の不正受給に対する措置について」による。

PEZY社 の社長は、助成金詐欺の疑いで逮捕・起訴された。

一方、JALの今回の件にはまだそうした話は出ていない。

現時点では、刑事事件としての立件は報じられていない。

行政上の手続きにとどまっている のではないか。


PEZY社
社長が逮捕・起訴
JAL
現時点で行政手続きのみ

JAL 自身も、事業によって説明を変えている。
2021年度からの3事業は、最初から共謀する計画はなかったという。

一方、2025年度に始まった2つの事業は事情が違う。
予算を満額得ようとする意図があった と、JALは判断している。

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では、この一連の話はJALを利用しない人にも無関係なのか。

3億円とあなたの税金の関係

この3億円弱の原資は、ほかでもない あなたの税金 だ。
e-Gov法令検索 「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」が定めている。

不正に受け取ると、 5年以下 の拘禁刑(刑務所に入る刑)の対象になる。

罰金は、 100万円以下 と定められている。

もしあなたの勤め先が、国や自治体の補助金を使っているなら関係してくる話だ。

同じような「予定に合わせた記録」が、ほかの職場でも起きていないとは言い切れないのではないか。

労務費や経費の記録を、その都度つけているかが分かれ目になる。

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では、この問題は今後どうなっていくのか。

今後JALに何が起きるのか

返還額はまだ確定していない

本当の決着はこれからだ。

NEDO 「補助金交付等の停止措置等を講じました」によると、別の事案でも交付停止の措置が取られている。

NEDOは過去にも、不正が判明した事案で厳しい対応を取ってきた。

JAL社内でも、処分の検討が進んでいる。

管理職への人事異動は、すでに実施済みだという。

正式な懲戒処分は、まだこれからの話だ。

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JALについても、NEDOによる検証作業は今後も続く。

正式な処分や最終的な返還額は、今後数カ月かけて固まっていくのではないか。

まとめ

  • 受給した労務費3億2123万円のうち、客観的な証拠が確認できたのはわずか3602万円だった
  • 発端は2025年9月、研究員の疑問が上層部に届かなかったことだった
  • JALは2021年度の3事業と2025年度の2事業とで、悪質性の説明を分けている
  • 同じNEDOの補助金を巡っては、社長が逮捕されたPEZY Computing社の前例もある
  • 国の補助金の原資は税金であり、不正受給には5年以下の拘禁刑などの罰則が定められている

「不正受給」という言葉の重さと中身の地味さの差にこそ、今回の意外性がある。

よくある質問(FAQ)

Q1. 補助金の不正受給にはどんな罰則があるの?

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律により、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になる。

Q2. JALの不正受給で逮捕者は出たの?

現時点では刑事事件としての立件は報じられておらず、行政上の手続きにとどまっているのではないか。

Q3. JALはなぜ補助金を不正に受給したの?

管理職が研究員に予定の従事時間を割り振り、実態と異なる日誌を作らせていたためだ。

Q4. JALはいくら返還するの?

受給済み労務費3億2123万円のうち2億8521万円を返還する方針だ。

Q5. JALの処分はいつ決まるの?

正式な処分の時期は、現時点では公表されていない。

Q6. NEDOとはどんな機関なの?

経済産業省が所管する研究開発法人で、新技術の研究を支援する公的機関だ。

📚 参考文献

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

reaitimenews.com

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