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JAL、空飛ぶクルマ研究で2億円返還へ NEDO補助金を不正受給

| 読了時間:約5分

JALが、空飛ぶクルマの研究費を 2億円 ぶん国に返しに行く。

返す金には、本来もらってはいけなかった分が含まれている。

相手は経済産業省が所管する NEDO (新エネルギー・産業技術総合開発機構)、 5年計画の国家プロジェクト だ。

しかも今は、その5年計画の 最終年度 にあたる。

直近の新規採択からちょうど1年、最終年度の同じ月に不正が表面化した。

この時間構造そのものが、本件の特異性をかたちづくっている。


JAL、空飛ぶクルマ研究で2億円返還へ NEDO補助金を不正受給

JALが国に2億円返す事態が起きた

2億円

国民の税金が、空の研究費としてJALに渡っていた。

朝日新聞 が関係者への取材として伝えたところによると、 日本航空(JAL) が国の公募事業で補助金を不正に受け取っていたことが分かった。

対象は電動で空を移動する 空飛ぶクルマ と、ドローン(無人で飛ぶ航空機)の研究にあてられたものだ。

外部の弁護士による調査が進んでいる。

2億円以上 を国に返還する方針。

中身は不正受給した分を含む。

JALは不正受給した分も含めて、2億円以上を国に返す方針を固めている。
Yahoo!ニュース「JAL補助金不正受給 2億円返還へ」 が朝日新聞配信の見出しを掲げ、同社の方針として伝えた。

補助金不正は中小企業の話 と思われがちだが、今回は 最大手航空会社が当事者 という質の違う事例になった。

では、その2億円はいったい何の研究のために流れていたのか。


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対象はあの「空飛ぶクルマ」研究だった

大阪万博で話題になった空飛ぶクルマ。

その 研究現場が舞台 だった。

JAL自身が、空飛ぶクルマとドローンを中心に据えた事業を会社の柱の1つに育ててきた。
JAL公式「JALエアモビリティ ドローン・空飛ぶクルマ事業化プロジェクト」 では、 2027年 以降、大阪・関西エリアで空飛ぶクルマの商用運航を始めることを目標として掲げている。

社外に向けて「 空飛ぶクルマの旗振り役 」を演じてきた当事者が、その同じ研究領域で不正受給を起こしたかたちになる。

つまり、社外に向けて旗振り役を演じてきた当事者が、その同じ研究領域で不正受給を起こしたかたちになる。

社内で熱心に進めていた研究と、国の研究費の使い方とが、別々の論理で動いていたのではないか。

旗を振っていた本人が、自分の足元で穴を掘っていた 構図といえる。

JALが共同研究に加わっていた国の事業の正体は何か。


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ReAMoとは何か、国の本気度

経産省・NEDO・国交省が連携する 5年計画

それが ReAMo (リアモ)だ。

正式名称は「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト」。
経済産業省「次世代空モビリティ」 政策ページは、 2022年度から5年計画として始めた と説明している。

経産省とNEDOが、国土交通省と連携して回している国家規模の研究開発だ。

1
機体安全
性能評価手法
2
1対多運航
1人で複数機
3
運航管理
既存機と共存

中身は3本柱にまたがる。
NEDO「ReAMoプロジェクト」事業ページ によれば、機体の安全性を測る方法の開発、操縦者1人で複数のドローンを安全に飛ばす技術と評価方法、空飛ぶクルマやドローンと既存の飛行機が安全に同じ空を使うための運航管理技術が、その柱だ。

つまり、JALが研究費を受け取っていたのは、 国が空のモビリティ戦略の中心に据えた事業 そのものだった。

研究費は基本的に税金から出ている。

空の未来図そのものに、お金の使い道の不整合が出たことになる。

これだけの国家事業で不正が起きると、罰則はどこまで及ぶのか。


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補助金適正化法、最悪のシナリオ

最大 5年以下 の懲役、または 100万円以下 の罰金。

これが法定刑だ。

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、いわゆる 補助金適正化法 が、補助金の不正受給に罰則を定めている。
補助金ポータル「補助金適正化法とは?内容と違反した罰則を説明します!」 が解説するとおり、虚偽の手段で補助金を受けた場合は最大5年以下の懲役か100万円以下の罰金、またはその両方の対象になる。

返還に応じなければ「国税滞納処分の例」により 財産を差し押さえる こともできるとされている。

刑事罰
5年以下 / 100万円以下
懲役または罰金、両方も可
不払い時
財産差押え
国税滞納処分の例による
配分側の措置
交付停止 / 指名停止
NEDOの機構達に基づく

罰則はそれだけではない。

配分側のNEDOには、不正告発の窓口に加えて、補助金交付の停止や入札の指名停止を行う仕組みがある。

NEDO「研究資金の不正使用等に関する告発窓口」 に、その根拠となる「補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止等の措置に関する機構達」の存在が明記されている。

社名の公表につながる経路もある。

JALが「自主返還の方針を固めた」と先に出してきたのは、こうした処分の幅を視野に入れた動きであるという見方もある。

経済産業省所管の給付金制度では、調査開始前に自主返還した場合は加算金や延滞金を原則として課さない運用が 経済産業省「不正受給及び自主返還について」 で明示されている。

本件で同じ運用が当てはまるかは別の問題だが、 自主開示が処分の幅を狭める方向に効く という一般則は共有されている。

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処分の幅は分かった。

では、なぜいま、このタイミングで露見したのか。

5年計画の最終年、直近採択の1年後

2025年6月 、新規採択。
2026年6月 、不正発覚。

差はちょうど1年。

JAL自身の公式リリース JAL「NEDO ReAMoプロジェクト『ドローンの多数機同時運航』に採択」 によると、2025年6月12日、JALはReAMoプロジェクトの新規テーマ「ドローンの一対多運航を実現するための要素技術と性能評価手法の開発」に採択されている。

一対多運航 」とは、操縦者1人で複数のドローンを同時に飛ばす方式のことだ。

2022年度
起点 ReAMoプロジェクト開始(5年計画)
2025年6月
新規採択 JALが多数機同時運航テーマに採択
2026年6月
不正発覚 外部弁護士調査と2億円返還方針

ReAMoは 2022年度から始まった5年計画 である。

素直に数えれば2026年度が最終年度にあたる。

最終年度に近づくこの時期は、研究費の実績報告や精算が集中する局面でもある。

直近に新規テーマで採択されたばかりの当事者が、その1年後の同じ月に、自社が雇った外部弁護士の調査で不正を明らかにする。

一連の出来事が、ほぼ同じ時期に積み重なった。

5年計画の最終年度という精算が集中する局面と、外部弁護士起点の内部調査という近年標準化した自主開示の動きが重なったタイミングで、不正が表面化したのではないか。

国の5年計画の最後の年に、JALが自分で雇った弁護士が掘り当てて、自分から返しに行ったという話の筋になる。

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時間の構造から見える示唆は重い。

では、2027年に始まる予定の大阪・関西の商用運航には何が起きるのか。

あなたの空の移動は2027年に間に合うか

19.9億円

JR東日本子会社が国の受託事業で不正受給した額だ。

日本経済新聞「ジェイアール東日本企画の人件費過大請求、不正受給は19.9億円 国の受託事業」 によれば、JR東日本の子会社で広告事業を担う ジェイアール東日本企画 が、国からの受託事業で人件費を過大に請求していた。

会計検査院が2025年に公表したものだ。

手口は、 虚偽の業務日誌を作って、従事した人数を実態より多く計上する というものだった。

同社は社長が辞任する事態になった。

2億円超
JAL・NEDO研究費
19.9億円
jeki・国受託事業

宣伝会議の AdverTimes「不正受給額は約20億円と判明 jeki、ガバナンス委員会新設・教育強化で再建図る」 では、内訳が委託事業で 11億4311万円 、補助事業で 8億5216万円 、合計約 19億9527万円 と整理されている。

外部調査委員会の提言を踏まえて再発防止策が公表された。

大企業による国の受託・補助事業の不正という構造の重なり が、本件にもあるという見方ができる。

JALの不正の具体的な手口はまだ公表されていない。

ただ、人件費の過大請求というかたちが大型受託事業で繰り返し検出されてきたパターンであるため、本件もその類型に近いのではないか。

2027年以降の大阪・関西エリアでの商用運航計画 にも、何らかの影響が出るおそれがある。


注視のしどころは2つ

  • JAL自身の続報リリース
  • NEDOまたは経済産業省からの処分発表

両者の出方が、空飛ぶクルマが日常の移動手段になる時期の見通しを左右する。

旗を振っていた本人が、最終年度の同じ月に自分から返金を申し出る。

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空飛ぶクルマが日常の景色になる日付は、ここから少しだけ遠のいたかもしれない。

まとめ

  • JALが国に返すのは2億円超。対象は空飛ぶクルマとドローンの研究に充てられた補助金と委託費で、外部弁護士の調査が進んでいる
  • 舞台は経産省・NEDO・国交省が連携する5年計画ReAMo。JAL自身が2027年以降の大阪・関西商用運航を掲げる旗振り役だった
  • 補助金適正化法の罰則は最大5年以下の懲役か100万円以下の罰金。NEDOには補助金交付停止や指名停止の仕組みもある
  • 2025年6月の新規採択から1年後、5年計画の最終年度に不正が表面化する時間構造になっている
  • ジェイアール東日本企画の19.9億円不正と本件は、大企業×国家受託・補助事業の不正という同じ枠で並ぶ

よくある質問(FAQ)

Q1. JALは何の補助金を不正受給したのですか?

経産省所管のNEDOが公募する「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト」(ReAMo)の補助金と委託費です。

Q2. 返還額はいくらですか?

不正受給した分を含めて2億円以上を国に返還する方針だと朝日新聞が報じています。

Q3. ReAMoプロジェクトとは何ですか?

経産省・NEDO・国交省が連携する5年計画で、ドローンと空飛ぶクルマの社会実装に向けた技術開発を行う国家事業です。

Q4. JALの不正の具体的な手口は公表されていますか?

現時点で具体的な手口は公表されていません。

外部弁護士による調査が進行中とされています。

Q5. 補助金適正化法の罰則はどの程度ですか?

虚偽の手段で補助金を受けた場合は最大5年以下の懲役か100万円以下の罰金、またはその両方の対象になります。

Q6. 2027年の大阪・関西の空飛ぶクルマ商用運航に影響はありますか?

JAL公式は2027年以降の大阪・関西エリア商用運航を掲げていますが、本件の影響は現時点で公表されておらず不透明です。

Q7. JAL以外で似た不正事例はありますか?

JR東日本子会社のジェイアール東日本企画が2025年に国の受託事業で約19.9億円を不正受給したと会計検査院が公表しています。

📚 参考文献

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

reaitimenews.com

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