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貝塚市の中学校でスプレー噴射、14歳逮捕——なぜ買えたのか

| 読了時間:約5分

中学生が催涙スプレーを学校に持ち込んだ。

それは、違法品ではなかった。


2026 7 17 日の朝、大阪府貝塚市の中学校の終業式が終わった直後、教室や階段に刺激成分が広がった。

生徒と教師あわせて 22 人以上がのどや皮膚の激しい痛みを訴え、警察は中学2年生の男子生徒(14歳)を傷害の疑いで緊急逮捕した。

「危険な武器を密かに入手した」——そう思いがちだが、催涙スプレーはネット通販で今日注文すれば明日届く。

年齢確認もない。

しかし使った瞬間、 複数の犯罪が成立していた

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貝塚市の中学校でスプレー噴射、14歳逮捕——なぜ買えたのか

終業式の朝に何が起きたか

22 人が一度にのどや皮膚の痛みを訴えた。

それが終業式の日の中学校で起きた。

7 17 日午前 10 40 分ごろ、大阪府貝塚市東山にある 市立第三中学校 で「誰かがスプレーをまいた」と消防に通報が入った。

NHK KSB瀬戸内海放送(テレビ朝日系) が伝えたところによると、少なくとも 22 人が症状を訴えた。

全員、意識はあり、 軽傷 だった。

22人 以上
被害者数
全員軽傷・意識あり
14歳
逮捕された生徒
中学2年・男子
10:40
通報時刻
終業式直後

ABCニュース などによると、催涙スプレーをまいたとみられる中学 2 年の男子生徒( 14 歳)は、その後いったん帰宅していたが、警察が学校の外で身柄を確保した。

傷害の疑いで緊急逮捕 されたのは、通報から間もない時間帯のことだ。

生徒は病院に運ばれた。

搬送された人数は 16 人だろうとみられ、警察が詳しい人数を確認している段階だ。

いずれも命に別条はない。

では、なぜこの事件は「今日」起きたのだろうか。

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なぜ終業式の日に事件は起きたか

生徒同士がトラブルになったのは、学年最後の日だった。

市教育委員会が明らかにしたこと

ABCニュース によると、 終業式の後に生徒同士の間でもめごとが起き 、そこから今回の行為に至ったという。

噴射が行われたのは教室と階段だった。

事件後に帰宅していたことからも、計画的な行動というより、その場の激化が引き金になった可能性が考えられる。

終業式という学年の区切り目には、蓄積された対立感情が解放されやすい状況が生まれやすいのではないかという見方がある。

「最後の日だから何をしても終わり」という感覚が働くかどうかは人それぞれだが、人間の感情が「切れ目」に揺れやすいことは一般に知られている現象だ。

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気になるのはこれが「今年はじめて」の学校スプレー事件ではないという事実だ。

今年だけで3件目の「学校スプレー事件」

2026 年、学校でのスプレー事件はすでに今回で 3 件目だ。

しかも 3 件の中身は、見た目よりずっと違う。

2024年11月
過去事例

三重県名張市の小学校で6年生の男子児童が催涙スプレーを噴射。

児童 9 人が被害に遭い 7 人が搬送された

2026年5月28日
1件目

大阪府 藤井寺市 の中学校で生徒が教室内で催涙スプレーを噴射。

5 人が搬送(共同通信)

2026年6月10日
2件目

埼玉県さいたま市の 市立指扇中学校 で学校設置の防犯スプレーが噴射。

生徒 17 人・教職員 1 人の計 18 人が搬送(さいたま市公式発表)

2026年7月17日
今回・3件目

大阪府 貝塚市立第三中学校 で終業式後に生徒間トラブルから催涙スプレーが噴射。

22 人以上が被害、 14 歳が傷害容疑で緊急逮捕

ここで重要な違いがある。

さいたま市が公式に発表した 指扇中の事件は、 「安全を守るために学校が置いた防犯スプレーを、生徒が噴射した」 という構造だった。

校舎内 3 か所に防犯対策として設置されていたスプレーが、誰でも手が届く状態で置かれていたのだ。

安全のために備えたものが、そのまま被害を生んだという逆説的な状況が生まれたのではないかと考えられる。

指扇中(6月)
学校設置の防犯スプレーを誤噴射

逮捕なし。

安全対策が凶器に なった逆説

貝塚市(今回)
生徒が持ち込み・意図的に噴射

傷害容疑で逮捕

生徒同士のトラブルが発端

今回の貝塚市の事件は違う。

生徒同士のトラブルが発端で、意図的に噴射したとみられ、 傷害容疑で逮捕 まで至っている。

同じ「学校スプレー事件」という言葉でくくってしまうと、この重要な差が見えなくなる。

では、そもそもなぜ中学生が催涙スプレーを手に入れられたのか。

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催涙スプレーは中学生でも合法で買える

ネット通販を開けば、今日にでも届く。

年齢確認もない。

危険な品物だから、きっと規制があるはず ——多くの人がそう思いがちだが、 催涙スプレーの購入と、自宅や室内での保管は、日本国内で完全に合法だ

これを直接禁じる法律は存在しない。

護身用品として製造・販売されており、 購入者を限定する年齢制限の規定もない

⚠️ 使った瞬間、話は全く違う

催涙スプレーを人に対して噴射した場合、のどや皮膚に激しい痛みを与えるため、 刑事事件相談弁護士ほっとライン によると、 刑法第204条の傷害罪 最大15年以下の懲役または50万円以下の罰金 )が成立する可能性がある。

また学校への持ち込みのような「屋外への携帯」は、 軽犯罪法第1条2号 にある「人の身体に重大な害を加えるのに使われるような道具を隠して持ち歩く行為」にあたる可能性がある。

「護身用として持ち歩く」という理由でも正当な理由にならないとした判例(最高裁・ 2009 年)があり、学校への持ち込みも同様に違反にあたる可能性が高いだろう。

購入・保管
自宅内での保管

完全に合法

年齢制限なし。

ネット通販で誰でも購入できる

携帯・使用
屋外への持ち出し・噴射

携帯は 軽犯罪法違反のおそれ

噴射は 傷害罪(最大懲役15年) の可能性

ここに、この事件の根っこにある構造がある。

「買える=使っていい」という感覚は、物を手に入れる行為と使う行為の間に大きな法的な落差があるほど生まれやすいのではないか。

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購入は完全に自由なのに、使った瞬間から複数の犯罪が重なる—— 合法で買えるものほど「使っても大丈夫」と思いがち で、それが一番危ない。

この非対称な仕組みが、未成年による安易な持ち込みのリスクを構造的に生んでいる可能性がある。

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では、今回逮捕された 14 歳は、この先どうなるのだろうか。

14歳の逮捕後、少年法ではどうなるか

14 歳は刑事裁判にかけられない。

それが日本の 少年法 の原則だ。

日本の少年法では、 20 歳未満の未成年者が罪を犯した場合、原則として 家庭裁判所 (家族や子どものもめごとを扱う専門の裁判所)に送られる手続きをとる。

今回の 14 歳の生徒も、この原則に従うことになる。

1
警察による逮捕・捜査

傷害容疑で緊急逮捕。

事件の詳しい経緯を調べる

2
家庭裁判所へ送致

14 歳は刑事裁判の対象外。

原則として家庭裁判所に引き渡される

3
審判・保護処分

調査や話し合いを経て、保護観察や少年院送致などの処分が下される可能性がある

家庭裁判所での審判(話し合いや調査の場)を経て、 保護観察 (社会の中で生活しながら指導を受ける処分)や少年院への送致といった措置が下される可能性がある。

大人の裁判のように「懲役○年」「罰金○円」とはならないのが基本だ。

これは 「罰を与える」ためではなく、「更生させる・立ち直らせる」ための制度 だからだ。

一方、刑事罰と少年法上の処分は別の話だ。

被害を受けた生徒や保護者が民事上の損害賠償を求めることは、少年法の手続きとは別に可能だ。

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今後の経緯は警察と家庭裁判所の判断に委ねられる。

子どもの持ち物、一度確認してみてほしい

催涙スプレーは、親が買ったその日に子どもに渡せる。

護身用品として家に置いてある家庭は少なくないかもしれない。

あるいは、子ども自身がネットで注文することも、 法律上は止められない

「そんなもの、うちの子が持っているはずがない」という確信が本当に持てるかどうか、一度だけ考えてみてほしい。

⚠️ 購入に制限がない、という現実

刑事事件相談弁護士ほっとライン によると、催涙スプレーの購入と屋内保管を制限する法律は存在しない。

つまり、 持ち込みを法律で事前に防ぐ仕組みは現時点ではない

「持ち込んで使った時点」で初めて罪が問われる構造になっている。

今回の事件で被害を受けた 22 人以上は、終業式の日の朝、普通に学校にいた。

スプレー 1 本が、一学期の最後の日を一変させた。

購入に制限がなく、誰でも手に入れられる以上、 「持ち込まれる前に気づく」ことが現実的な防衛策 になりうる。

家庭でできる確認のポイント

  • 子どもの荷物・カバンの中に護身用品が入っていないか確認する
  • 家に置いてある催涙スプレー等の護身用品の保管場所を、子どもが知らない場所にする
  • 「学校に持ち込めば犯罪になる」という事実を子どもと一緒に話しておく

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合法品が一瞬で犯罪の道具になる——その落差が見えにくいほど、学校や家庭での歯止めが難しくなる。

まとめ

  • 2026年7月17日、貝塚市立第三中学校で14歳の男子生徒が催涙スプレーを噴射し、22人以上がのどや皮膚の痛みを訴えた。全員軽傷で、生徒は傷害容疑で緊急逮捕された
  • 催涙スプレーの購入と室内保管は日本で完全合法で年齢制限もないが、屋外への携帯は軽犯罪法違反、人への噴射は傷害罪(最大15年以下の懲役)にあたる可能性がある
  • 同年6月のさいたま市・指扇中学校では「防犯対策として学校が設置したスプレー」を生徒が噴射するという逆説的な事態が起きており、今回とは事件の構造が根本的に異なる
  • 14歳は少年法の適用対象のため刑事裁判ではなく家庭裁判所での審判に進み、保護処分が中心となる
  • 「買える=使っていい」という誤認が起きやすい構造的な背景が、今回の事件の根底にある可能性がある

よくある質問(FAQ)

Q1. 貝塚市の中学校スプレー事件で逮捕されたのは何歳ですか?

中学2年生の男子生徒(14歳)が傷害の疑いで緊急逮捕されました。

事件後にいったん帰宅していたところを学校の外で身柄を確保されています。

Q2. 催涙スプレーは未成年でも購入できますか?

日本では催涙スプレーの購入と室内での保管を直接禁じる法律がなく、年齢制限の規定もないため、未成年でも購入できる状態にあります。

Q3. 催涙スプレーを学校に持ち込むと何の罪になりますか?

屋外への携帯は軽犯罪法違反にあたる可能性があり、人に対して噴射した場合は傷害罪(刑法第204条・最大15年以下の懲役)が成立するおそれがあります。

Q4. 14歳が逮捕された場合、少年法ではどうなりますか?

14歳は少年法の適用対象のため、刑事裁判にはかけられず、原則として家庭裁判所に送られます。

審判を経て保護観察や少年院送致などの保護処分が下される可能性があります。

Q5. 貝塚市の事件は2026年に何件目の学校スプレー事件ですか?

2026年5月の大阪府藤井寺市、6月のさいたま市・指扇中学校に続き、今回の貝塚市が少なくとも3件目にあたります。

Q6. さいたま市の指扇中学校のスプレー事件と今回の事件は何が違いますか?

指扇中学校では学校が防犯対策として設置した催涙スプレーを生徒が噴射した誤噴射でしたが、今回は生徒同士のトラブルが発端で意図的に噴射したとみられ、傷害容疑で逮捕まで至っている点で性質が異なります。

Q7. 催涙スプレーの学校持ち込みを防ぐ法律はありますか?

購入や保管を制限する法律がないため、持ち込みを事前に法律で直接防ぐ仕組みは現時点では存在しません。

持ち込んで使用した時点で初めて軽犯罪法違反や傷害罪が問われる構造になっています。

📚 参考文献

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

reaitimenews.com

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