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46年間、かりあげ正太は一度も出世しなかった。
1980年に双葉社「週刊漫画アクション」で生まれたヒラ社員は、昭和・平成・令和と3つの時代をまたいで、ずっと平社員のままだった。
2026年7月7日、その連載がついに終わりを迎えた。
「なぜ今なのか」「体調が悪いのではないか」——そう感じた人は多いだろう。
答えは、植田まさし先生本人の言葉の中にある。
この記事でわかること

46年続いた漫画が突然、最終回を迎えた
1980 年に生まれた会社員が、 2026 年の今も平社員のまま現役だった。
2026 年 7 月 7 日発売の「漫画アクション」( 双葉社 )7月21日号に、『ほんにゃらゴッコ かりあげクン』の最終回が掲載された。
同じ日、 芳文社 「まんがタイム」でも『おとぼけ部長代理』が最終回を迎えた。
竹書房 「まんがライフオリジナル」の『新フリテンくん』は 7 月 10 日に最終回を迎える。
植田まさし氏(79歳)が抱えていた連載3作が、同じ週にそろって幕を下ろした。
この発表の仕方は、漫画業界では 前例のない対応 だった。
芳文社・双葉社・竹書房という3つの出版社が連名で誌面にメッセージを掲載し、「長きにわたり極上の笑いを届けてくださった植田まさし先生に心より深く感謝申し上げます。
ありがとうございました」と伝えた。
スポニチアネックス によると、芳文社など3社は7日、誌面で出版社の垣根を超えた異例の合同メッセージを発表し、長年にわたる功績に感謝の意を示した。
かりあげクン公式Xも、すぐにファンへ向けてメッセージを発信した。
「突然のお知らせになってしまい驚かれたかと思います」と謝罪した上で、「でも!『かりあげクン』はかりあげクンのまま、 永久不滅 です」と宣言。
コンビニコミックスの刊行継続と公式Xの存続も合わせて伝えた。
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では、植田まさし先生はなぜこのタイミングで連載を終えたのか。
「ネタが尽きた」ではなく「探す時間が増えた」
「アイデアが出なくて苦労したことはあまりないんですが」——この一言が、よくある「ネタ切れ終了」という読み方を完全に覆す。
ニュースを見て「体調が急変したのでは」「漫画雑誌の売れ行きが落ちたのでは」と感じた人は多いだろう。
しかし 植田まさし 先生がインタビューで語った終了の理由は、どちらでもなかった。
ふたまん+ によると、終了の理由は 「ネタを探す時間」 だった。
「正月のことをネタにするのであれば、もう 46 回は描いているわけですし、他の作品も合わせれば、もう 100 回以上。
使ってないネタを探すのに、時間が取られるようになったんですね」と語っている。
「ネタが尽きた」 と 「ネタを探すコストが増えた」 は、似ているようで全く違う。
前者は才能の問題だ。
後者は 46 年分の積み重ねが生んだ、長寿連載特有の創作の重さだろう。
正月のネタを 100 回以上描いた漫画家が「まだアイデアはある、でも残っているものを探すのに時間がかかる」と言う——それは才能の枯渇ではなく、膨大な引き出しを持つ人にしか起きない問題だ。
体調については、かりあげクン編集部が 「植田まさし先生はお元気なので心配しないでくださいね」 と明確に伝えた。
植田氏は 2022 年6月に前立腺がんの治療のため連載を休載し、 2023 年3月に復帰した経緯がある。
今回の連載終了は体調によるものではない。
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3社が同じ日に合同で感謝を伝えた——この異例の対応の背景には、何があったのか。
3つの出版社が競合を超えて「ありがとう」と言った理由
ライバル出版社が同じ日に同じ誌面で「ありがとうございました」と連名で書いた——これは漫画業界では前例のない光景だ。
芳文社 ・ 双葉社 ・ 竹書房 は、それぞれが独立した出版社であり、通常は競合関係にある。
それが同じ日に同じ誌面で連名のメッセージを出した。
植田まさし氏が「4コマ漫画の巨匠」と呼ばれるのは、単なる長続きではない。
3社にまたがって長期連載を抱え、業界全体の土台を支えてきた人物だったからだ。
電ファミニコゲーマー によると、「元を辿れば『まんがタイム』自体が植田まさし先生の4コママンガ『のんき君』をきっかけに創刊されており、いわゆる"萌え4コマ"で人気を誇る『まんがタイムきらら』の創刊にも繋がる」とされている。
事実とすれば、 現代の萌え4コマ文化の源流に植田まさしがいる 、という見方もある。
その植田まさし作品が「まんがタイム」誌の上で最終回を迎えたことは、業界の歴史という意味でも特別な出来事だっただろう。
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では、その漫画はなぜ 46 年間これほど愛されたのか。
「調子に乗った人を一泡ふかせる」だから46年続いた
「立場的に強い人をやっつけようみたいな、反骨精神のようなものですね」——植田まさしがかりあげクンの本質を語ったこの一言に、 46年の答え がある。
かりあげ正太は、上司の 木村課長 をイタズラで振り回し続けた。
昇進しない。
反省しない。
改心もしない。
ただ「調子に乗っている人に一泡ふかせる」ことを繰り返した。
ふたまん+ のインタビューで植田まさし先生は「日本人の持っている気質って、時代を経ても、根底は変わってないと思うんです」と語っている。
この言葉は、心理学で 「カタルシス(感情の浄化)」 と呼ばれる現象と重なる。
カタルシスとは、物語や演劇を通じて、自分の中に溜まった感情を安全に解放する働きのことだ。
自分では上司に言い返せない、反発できない——その抑えた気持ちを、かりあげ正太が代わりに発散してくれる。
読者はそれを見て爽快感を得る。
これが繰り返されることで、かりあげクンは生活の一部になっていったのではないか。
かりあげクンが時代を超えたのは「笑えるから」だけではない。
上司に言えない本音を、かりあげが全部やってくれていたから だ。
昭和のバブル期、平成の就職難、令和の「働き方改革」——時代はどう変わっても、日本の会社に上下関係と同調圧力(周りに合わせなければならない空気)がある限り、「代わりにやり返してくれるキャラクター」への需要は消えなかっただろう。
カタルシス(感情の浄化)
物語・演劇・漫画を通じて、普段抑えている怒りや不満を安全に解放する心理的な働きのこと。
かりあげクンの場合、「上司にやり返したいけど自分にはできない」という読者の感情を、かりあげ正太が代わりに発散してくれることで成立する。
昭和から令和まで日本の職場環境が変わらなかったからこそ、この効果は 46 年間有効だったのではないか。
植田先生は「 46 年もずっと描いてきたので、まだ最終回を描き終えたという実感は、あまりありません」とも語っている。
連載当初と今とで「自分の感覚としては何も変わってない」という言葉は、かりあげ正太の「変わらなさ」と重なる。
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では、この連載終了はコボちゃんにも及ぶのか。
コボちゃんだけが続く理由
かりあげクン・おとぼけ部長代理・新フリテンくんが同時に終わり、コボちゃんだけが生き残った。
この構図には、 「新聞連載」という別の土台 がある。
コボちゃんは 読売新聞 朝刊で連載を継続しており、単行本も 芳文社 から続刊が発売される。
今回終わった3作品はいずれも「漫画雑誌」を舞台にした連載だった。
コボちゃんは「全国紙の朝刊」という、まったく別の媒体に乗っている。
ライブドアニュース によると、コボちゃんは読売新聞朝刊にて連載中で、単行本の続刊も芳文社より発売予定とされている。
雑誌連載が同時に終わる判断をした今も、新聞連載はその波に乗らなかった。
媒体の構造が違うから、判断の単位も違う ——そういう背景があるだろう。
あなたが毎朝コボちゃんを読んでいるなら、今日もいつもと変わらず読売新聞の朝刊で確認できる。
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かりあげクンとの接点はどこに残るのか、最後に確認しておこう。
終わっても「永久不滅」——これからどこで読めるか
連載は終わった。
しかし 単行本 69 巻・コンビニコミックスは刊行継続 、公式Xも現状維持だ。
単行本は 双葉社 から全 69 巻が出ており、今後も刊行継続が発表されている。
コンビニコミックス(コンビニで売られているお手軽サイズの漫画本)も奇数月を中心に引き続き発売される。
ふたまん+ (双葉社の公式漫画サイト)でも作品の掲載が続く。
1989 年のアニメ版(フジテレビ系)と 2023 年の実写ドラマ版(BS松竹東急)の映像作品も、 46 年分の笑いと合わせて手元に残っている。
「連載が終わった」は「作品がなくなった」とは違う。
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46年分のかりあげ正太のイタズラは、すでにそこにある。
まとめ
- かりあげクンは2026年7月7日発売「漫画アクション」7月21日号で最終回を迎え、同週に植田まさし氏の連載3作がそろって終了した
- 終了の理由は体調悪化でも廃刊でもなく、「46年で同じテーマを100回以上描いており、残っているネタを探す時間が増えた」という創作の負荷だったと植田氏本人が語っている
- 芳文社・双葉社・竹書房の3社が同じ日に合同で感謝のメッセージを誌面掲載するのは漫画業界でも前例のない対応だった
- かりあげクンが46年愛された本質は「反骨精神」にある。上司に言えない本音を代わりにやり返してくれるキャラクターへの需要は、昭和から令和まで日本の会社員文化が変わらなかった証でもあるだろう
- コボちゃんは読売新聞朝刊で連載継続。かりあげクンも単行本・コンビニコミックスは引き続き刊行される
「ヒラ社員のまま46年間変わらなかった」——そのことが、いつの時代も変わらない日本人のある気持ちを映し出していたのかもしれない。
よくある質問(FAQ)
Q1. かりあげクンの最終回はいつ、どの雑誌に掲載された?
2026年7月7日発売の「漫画アクション」(双葉社)7月21日号に最終回が掲載された。
Q2. かりあげクンが連載終了した理由は何?
植田まさし先生によると、46年で正月ネタだけでも46回以上、他の作品と合わせれば100回以上描いており、使っていないネタを探す時間が増えたことが理由だ。
Q3. 植田まさしの体調は大丈夫?
かりあげクン編集部が「植田まさし先生はお元気」と公式に伝えている。
2022年の前立腺がん治療・休載を経て2023年3月に復帰しており、今回の終了は体調によるものではない。
Q4. コボちゃんの連載は続く?
コボちゃんは読売新聞朝刊で連載継続中。
単行本も芳文社から続刊が発売される予定だ。
今回終了した3作品はいずれも漫画雑誌連載であり、新聞連載のコボちゃんは別の媒体に乗っているため終了の波は及ばなかった。
Q5. かりあげクンの漫画は今後どこで読める?
単行本全69巻は引き続き入手可能で、コンビニコミックスも刊行継続が発表されている。
双葉社の公式漫画サイト「ふたまん+」でも作品の掲載が続く。
Q6. 3つの出版社が合同でコメントを出したのはなぜ珍しいの?
芳文社・双葉社・竹書房は通常は競合関係にある独立した出版社で、同じ日に同じ誌面で連名の感謝メッセージを掲載するのは漫画業界でも異例の対応とされる。
Q7. かりあげクンのアニメやドラマはどこで見られる?
1989年放送のテレビアニメ(フジテレビ系)はDVD-BOXが発売済み。
2023年放送の実写ドラマ(BS松竹東急)についてはBS松竹東急の公式サイトで確認できる。
📚 参考文献
- ふたまん+「連載46年の歴史に幕…4コマ漫画『かりあげクン』が最終回 作者・植田まさし氏『まだ実感ありません』」 (2026年7月7日)
- スポニチアネックス「漫画家・植田まさし氏 連載作品すべて終了 出版社が異例の合同声明 46年連載『かりあげクン』等3作」 (2026年7月7日)
- 電ファミニコゲーマー「『かりあげクン』など植田まさし先生の人気作が突然、最終回を迎える」 (2026年7月7日)
- ライブドアニュース「植田まさし氏、連載終了 体調は『元気』 かりあげクン編集部が発表」 (2026年7月7日)
- ライブドアニュース「漫画家・植田まさし氏、突然3作品の長期連載終了へ」 (2026年7月7日)
- かりあげクン公式X(@OfficialKariage)
- ja.wikipedia.org
- x.com
- x.com
リアルタイムニュースNAVI 編集部
reaitimenews.com
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