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「官房長官の秘書官が公費出張で不倫」——この一行だけでは、事件の本当の重さが伝わらない。
文春オンライン は2026年6月9日朝に記事を公開した。
木原稔(きはらみのる) 官房長官の首席秘書官・ 茂木正(もぎただし) 氏(60)が、関西万博の出張中に税金で泊まったホテルに不倫相手を繰り返し呼び寄せた疑いを報じた記事だ。
同日午後、木原長官は会見を開いた。
しかし答えは「確認中」の4文字にとどまった。
なぜ即座に動かないのか。
その答えは、茂木氏が「ただの秘書官」ではなかったという事実に隠れている。
この記事でわかること
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「木原官房長官」——それは誠二?稔?まず整理しよう
「木原官房長官」という言葉をネットで調べると、今も「木原誠二 現在の役職」というキーワードが上位に出てくる。
木原誠二(きはらせいじ)は東京5区選出の衆院議員 だ。
岸田政権で官房副長官を務め、2023年に妻の元夫の死亡事件をめぐる疑惑で週刊誌に繰り返し報じられた人物である。
一方、今回の当事者である 木原稔(きはらみのる)は熊本1区選出・1969年生まれのまったくの別人 だ。
首相官邸の公式名簿 によると、木原稔氏は 2025年 10月の高市内閣発足時に官房長官に就任し、 2026年 2月の第2次高市内閣でも続投している。
岸田政権の 官房副長官 。
1972年生まれ。
2023年に妻の元夫の死亡事件疑惑で報道が相次いだ。
今回の記事とは無関係。
高市政権の 官房長官 。
1969年生まれ。
防衛大臣を経て2025年10月就任。
今回の秘書官疑惑への対応が問われている人物。
読み方も「せいじ」と「みのる」で違い、選挙区も役職も関係する事件も別々だ。
この記事は「木原稔」と「茂木正」の話である。
混同したまま読み進めると、本当に重要な部分が見えなくなる。
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では、その木原稔長官の「秘書官」として今回疑惑を持たれている茂木正氏は、具体的に何をしたとされているのか。
秘書官は何をしたのか——5回・公費・LINEに残った証拠
5 回—— 文春オンライン が報じた公費不倫出張の回数だ。
しかし数より驚くのは、証拠の残し方にある。
文春オンラインによると、茂木氏は2025年に関西万博の政府側まとめ役(首席国際博覧会統括調整官)として大阪に出張した際、 税金で泊まるホテルの一室に不倫相手の女性を呼び寄せ、関係を持った疑い がある。
証拠として挙げられているのは、女性本人の証言とLINEのやり取り、そして写真だ。
LINEには茂木氏が「 公費出張でホテルに泊まっている 」と女性に自ら明かすメッセージが含まれているという。
自分で「税金の出張だ」と書き送ったメッセージが証拠になる、という 自己言及的な証拠構造 だ。
さらに茂木氏は女性をホテルのフロントで名前を書かせずに部屋へ入れたとされる。
1 人分の宿泊費で 2 人が泊まるかたちだ。
取材に応じたホテル側の担当者は「 宿泊者名簿に名前がない方の宿泊が発覚した場合、追加料金をいただいている 」と説明している。
茂木氏側は 文春オンラインの取材 に対し、内閣総務官室を通じ「回答を差し控える」と電話で回答した。
経産省は「万博期間中に業務遂行のため、 数十回 の大阪出張をしていることは事実です」と認める一方、調査を行うかどうかについては回答しなかった。
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「秘書官が不倫出張」——それだけなら一時の話題で終わるかもしれない。
だがこの茂木氏、「秘書官」というタイトルからは到底想像できない立場にいた。
「秘書官なのに会議の7人目」——その異例な正体
「官房長官秘書官」は本来、大臣の日程管理や書類処理をこなす補佐ポストだ。
月刊文藝春秋(2026年7月号) によると、茂木氏は高市政権で官邸でほぼ毎日開かれる「 正副長官会議 」(政権の意思決定の場)に 7 人目のメンバーとして出席し、 国家機密に日常的に接していた 。
通常この会議に出るのは首相・官房長官・官房副長官らに限られる。
「官房長官秘書官に過ぎない茂木が参加している」と読売新聞が同年4月に報じるほど、 異例の関与 だった。
なぜそうなったのか
文藝春秋の取材によると、 高市首相 は当初、茂木氏を「首相秘書官」に据えたかったという。
しかし年次や経歴の問題で断念。
「官房長官秘書官」という別のポストで官邸入りを実現させた。
経産省出身の首相秘書官は茂木氏より 3 期下という異例の人事だったとも伝えられている。
これは職場でよくある話の官邸版だ。
上司に気に入られた人が、本来の役職とは関係のない重要会議に引き上げられ続ける。
問題が起きたとき、「誰の責任か」が誰にもわからなくなる。
補佐ポストという名のまま意思決定の中枢にいた人物のスキャンダルは、 組織の責任の所在を宙吊りにする のではないか。
官邸内で「ポスト名と実際の権限がずれた状態」が続くと、不祥事発覚時に「誰が動く組織か」という問いへの答えが出てこなくなるという構造的な問題が生まれるだろう。
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では、「法律的にはどうなるのか」という問いへの答えも確認しておこう。
「法律違反」なのに逮捕なし——国家公務員法第99条の中身
「国家公務員法違反」と聞くと逮捕・起訴を想像する人は多い。
しかし 第99条には罰則がない 。
内閣官房が公表する国家公務員法の服務規定 によると、 第99条(信用失墜行為の禁止) はこう定めている。
「職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」。
国家公務員法 第99条とは
「公務員が自分の役職の信頼を傷つけるような行為をしてはいけない」というルール。
今回の件では、公費出張中の不適切な行為が「官職全体の不名誉」にあたるとして、 この条文への違反が疑われている 。
ただし刑事罰はなく、違反しても逮捕・起訴にはならない。
ただし、この条文には 刑事罰がついていない 。
違反した場合の制裁は懲戒処分(戒告・減給・停職・免職のいずれか)のみだ。
逮捕・起訴にはならない。
さらに重要な制約がある。
懲戒処分は 在職中にしかできない 。
退職後に問題行為が発覚しても、懲戒することは制度上できない。
今回の疑惑行為は茂木氏が「経産省在職時」に起きたとされている。
現在は官邸に在籍しているが、経産省時代の行為として処理するなら、誰がいつどの手続きで動くかが複雑になる。
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法律の仕組みがわかったところで、今の政府は実際に何をしているのか。
「経産省で確認」——その答弁が意味すること
「経済産業省勤務時の行動であり、同省で必要に応じて事実関係の確認を行う」—— 時事通信の報道 によると、 木原稔官房長官 は2026年6月9日午後の記者会見でそう述べた。
この答弁には一つの論法が込められている。
「 問題が起きた時点の所管省庁が確認する 」という切り分けだ。
茂木氏が経産省職員として出張した際の出来事だから、経産省が調べる——そういう整理だ。
経産省勤務時の行動 として切り分け。
官邸が主体的に調査・処分する姿勢は示さなかった。
文春オンラインの取材に対し、 大阪出張の事実は認めた ものの、調査を行うかどうかについては回答していない。
官邸は「経産省で確認」と言い、経産省は「調査するかどうかも答えない」。
この構図は、 官邸が主体的な調査・処分を当面引き受けることを回避しているように読めるのではないか 。
茂木氏は正副長官会議に出席する「首相直属に近い存在」だ。
その人物の問題について、官邸が自ら動かず別省庁に任せるという構造に、あなたはどう感じるだろうか。
税金で賄われた出張での疑惑という点も、忘れずにいてほしい。
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過去に似たケースはどう処理されてきたのか。
過去の秘書官スキャンダル——処理の速さに「これだけの差」があった
翌日更迭、5か月後更迭——過去の首相秘書官スキャンダルの処理には、これだけの差があった。
荒井勝喜 ・首席首相秘書官がLGBTに関する差別発言。
翌日 に更迭。
歴代で最も素早い処理例。
岸田翔太郎 ・政務秘書官が首相公邸での親族忘年会問題。
発覚から 約5か月 後に更迭。
長期化した例。
茂木正 ・官房長官首席秘書官の疑惑が浮上。
官邸は「経産省で確認」と答弁するにとどまり、処分の見通し 不透明 。
今回は構造がさらに複雑だ。
疑惑の行為が「経産省在職時」のことである点、現在の役職が官邸の「秘書官」という補佐ポストの名称である点、そして処分する主体が経産省なのか官邸なのかが宙吊りになっている点が重なっている。
処理が長引く可能性があるだろう。
あなたが今後この件を追うなら、見るべき場所は 2 つだ。
経産省が調査を開始するかどうかの発表 と、 木原長官の次の記者会見での答弁の変化 。
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この2点が動いたとき、この事件の方向性が見えてくる。
補佐役のはずが意思決定の中枢にいた——そのポストの「名前と実態のズレ」が、スキャンダルへの対応をも宙吊りにしている。
まとめ
- 「木原官房長官の秘書官」茂木正氏は、官房長官秘書官という補佐ポストの名称でありながら、政権の意思決定会議(正副長官会議)に7人目として毎日出席していた異例の人物だった(文藝春秋報道)
- 文春オンラインが報じた公費不倫出張の回数は5回で、証拠には「公費で来ている」と自ら女性に送ったLINEメッセージが含まれている
- 国家公務員法第99条(信用失墜行為の禁止)には刑事罰がなく、制裁は懲戒処分のみ。しかも在職中にしか実施できないという制限がある
- 木原長官は「経産省で確認する」と答弁したが、経産省は「調査するかどうかも回答しない」とし、責任の所在が宙吊りになっている
よくある質問(FAQ)
Q1. 木原稔官房長官と木原誠二は同じ人ですか?
別人です。
木原稔氏は熊本1区選出・1969年生まれで高市政権の官房長官。
木原誠二氏は東京5区選出・1972年生まれで岸田政権の官房副長官を務めた人物です。
Q2. 茂木正(もぎただし)とはどんな人物ですか?
1992年に通商産業省(現・経産省)に入省したエネルギー畑の官僚です。
関西万博の首席国際博覧会統括調整官を経て、2025年10月から木原官房長官の首席秘書官を務めています。
Q3. 茂木正氏は何をしたと報じられていますか?
文春オンラインによると、関西万博の公費出張先のホテルに不倫相手の女性を5回呼び寄せた疑いがあります。
証拠にはLINEのメッセージ・女性の証言・写真が含まれるとされています。
Q4. 国家公務員法第99条に違反すると逮捕されますか?
されません。
第99条(信用失墜行為の禁止)には刑事罰の規定がなく、違反した場合の制裁は懲戒処分のみです。
また懲戒処分は在職中にしか行えません。
Q5. 木原官房長官はなぜ「経産省で確認」とだけ答えたのですか?
疑惑の行為が茂木氏の経産省在職時に起きたとされるため、所管省庁である経産省が確認するという立場を示しました。
ただし経産省は調査を行うかどうかも回答していません。
Q6. 茂木正氏は今後更迭されますか?
現時点では官邸も経産省も具体的な処分方針を示していません。
過去の秘書官スキャンダルでは翌日更迭から約5か月後更迭まで幅があり、今回は責任の所在が複雑なため長引く可能性があるだろうと見られています。
Q7. 茂木正氏はなぜ秘書官なのに政権の意思決定会議に出席していたのですか?
文藝春秋によると、高市首相が当初茂木氏を首相秘書官に据えようとしたものの断念し、官房長官秘書官という形で官邸入りさせたとされます。
首相の意向による異例の配置だったとされています。
📚 参考文献
- 時事通信「秘書官『不倫』は確認中 木原官房長官」 (2026年6月9日)
- 文春オンライン「高市首相の最側近官僚・茂木正氏に『不正出張』常習の疑い〈公費出張のホテルに不倫女性を呼び寄せて…〉」 (2026年6月9日)
- Yahoo!ニュース(文春オンライン転載)「高市首相の最側近官僚・茂木正氏に『不正出張』常習の疑い」 (2026年6月9日)
- 文藝春秋PLUS「最側近官僚は『公費で不倫出張』常習犯」 (2026年6月9日先行公開)
- 首相官邸「内閣官房長官 木原 稔 第2次高市内閣 閣僚等名簿」
- 内閣官房「国家公務員法抜粋(服務規定)」
- kurashi-rinkaku.hatenablog.com
- gov-online.go.jp
リアルタイムニュースNAVI 編集部
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