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小鉢グルメなぜ人気?映えだけじゃない「値上げ回避」の仕組みと注目3店舗

小鉢グルメが人気の理由と注目3店舗を解説するアイキャッチ画像

| 読了時間:約8分

小鉢グルメが飲食店で爆発的に広がっている。
物価高でも値上げせずに営業できる「店側の仕組み」にその秘密があった。

テレビで紹介された3店舗の値段やアクセスとあわせて、人気の裏側を解説する。

 

 

 

サラリーマン居酒屋が女性客9割に逆転――おちょこ丼に見る小鉢グルメ大流行の実態

小鉢グルメが、東京の飲食店を席巻している。

ネギトロにイクラ、ウニに甘エビ。
10種の海鮮が手のひらサイズの器でずらりと並ぶ。
渋谷の魚秀 宇田川店が出す「おちょこ丼」の光景だ。

「1つ1つは小さいけど、全体としてはすごく満足感」「ひとくちでぜいたく、それを何回もできる。幸せです」
――来店客の声(日テレNEWS NNNより)

驚くのは数字のほうだ。
この店はもともとサラリーマン向けの海鮮居酒屋だった。

ところがおちょこ丼を始めてから、客の9割が女性に逆転した
ランチの売上は前年比3倍に達している。


「映えランチ」の裏側にある老舗の実力

おちょこ丼は2022年7月に誕生した。
当時の店長代理が「渋谷に似合うビジュアル」を狙って開発したメニューだ。

ぐるなび通信の取材記事によると、SNSで写真が拡散されると行列が生まれた。
開店前に50人以上が並んだ日もある。

同年11月には「日本流行丼大賞2022・特別賞」を受賞。知名度は全国に広がった。

この店を運営するのは、神戸で40年以上続く老舗鮮魚店の直営だ。
渋谷のトレンドランチの裏側には、市場の目利きが選んだ魚介の実力がある。

映えだけで3年以上も行列が続くわけではない。

 

 

 

2026年、「豆皿定食」はトレンドの本流へ

小鉢スタイルの広がりは魚秀だけにとどまらない。

銀座の銀座朝食ラボでは9升トレイに小鉢を並べるビュッフェが人気だ。
足立区役所14階の食堂ソラノシタでは、1,000円台の豆皿定食に行列ができている。

食べログマガジンの2026年トレンド予測でも「豆皿定食」が正式に選出された。
築地本願寺カフェ Tsumugiの「18品の朝ごはん」をはじめ、小春日和TOKYO、神楽坂茶寮など同スタイルの店が都内で続々と増えている。

一過性のSNSブームではなく、飲食業界全体の構造的な変化だろう。
では、なぜ飲食店はこぞって小鉢スタイルを採用するのか。

映えだけでは説明できない、物価高ならではの理由がある。

 

 

 

「高い野菜はじいて入れ替え」――小鉢が物価高を乗り切れる3つの仕組み

小鉢は、客の満足度だけの話ではない。
飲食店にとっても値上げせずに食材高騰を吸収する仕組みとして機能している。

「映え狙いでしょ」と思った人は多いはずだ。
たしかに小鉢がずらり並ぶ姿は写真映えする。

ところが、飲食店にとっての小鉢スタイルには、もっと切実なメリットが隠れていた。


仕組み①:食材入替で値上げを回避できる

食堂ソラノシタの岡本啓佑店長は、こう語る。

「小鉢とかでいったらトマトが高かったらはじいて、別の野菜を入れていくことで価格をコントロールできる」
――livedoorニュースより

ここが小鉢スタイルの核心だ。
大皿料理は「メインの食材」が決まっている。
その食材が値上がりすれば、値上げか量を減らすしかない。

小鉢なら話が変わる。
高い野菜をはじいて別の旬野菜に入れ替えるだけで、定食全体の値段を据え置ける。
5つの小鉢のうち1つを差し替えるだけだから、客は気づきにくい。

 

 

 

仕組み②:ビュッフェ台が清潔に保てる

銀座朝食ラボの武石匡央広報は、小鉢ビュッフェの衛生面を評価している。

「汚れが少なくなる。食材がこぼれたりもないので、いつもきれいな状態で提供できる」
――日テレNEWS NNNより

ビュッフェで料理を取り分けた経験がある人なら、ドレッシングが隣の料理に流れたり、トングで食材がこぼれたりする場面に心当たりがあるだろう。

小鉢なら1品ずつ完結しているから、味も混ざらないし、台も汚れない。
清掃の手間が減れば人件費も浮く
客の満足度と店の運営効率が、同時に上がる構造だ。


仕組み③:「家ではそろえられない」を外食の価値にする

60代の来店客は「野菜でもちょっとずつ、肉でもちょっとずつって(家では)そろえるわけにいかない」と語った。

自宅で10品の小鉢をそろえようとしたら、食材の種類も調理の手間も膨大になる。
トマト、ほうれん草、ツブ貝、刺身三種盛りを全部1人分ずつ買うのは現実的ではない。

行動経済学では「選択肢が多すぎると逆に満足度が下がる」とされている。
小鉢スタイルは、店が品数をあらかじめ絞り、トレイの上で完結させる。
選びすぎの疲れがなく、見た目の華やかさで「自分へのご褒美感」を味わえる。

この仕掛けが、物価高で外食を控えがちな層の財布のひもを緩めているのではないだろうか。

小鉢スタイルが成り立つ3つの理由

食材入替による値上げ回避、衛生面のコスト削減、外食でしかできない体験価値の提供
この3つが重なったからこそ、物価高の時代に客も店も得をする構造が成り立っている。

こうしたメリットを活かし、東京では個性の異なる小鉢スタイルの店が続々と登場している。
テレビで紹介された3店舗の詳細を見ていこう。

 

 

 

テレビ紹介3店舗を徹底ガイド――魚秀・銀座朝食ラボ・食堂ソラノシタ

2026年2月27日、日テレ「news every.」で紹介されたのは3店舗。
渋谷・銀座・足立と、立地もスタイルも異なる。

店名 価格帯(税込) 特徴
魚秀 渋谷宇田川店
渋谷駅 徒歩10分
1,580円〜2,680円 神戸老舗鮮魚店直営の海鮮ミニ丼
銀座朝食ラボ
東銀座駅 徒歩4分
2,970円〜3,300円 9升トレイで食べ放題ビュッフェ
食堂ソラノシタ
梅島駅 徒歩12分
1,485円 区役所14階・富士山の眺望

魚秀 渋谷宇田川店:海鮮ミニ丼を1,580円から

おちょこ丼は3つのコースから選べる。
6種セットが1,580円、8種セットが中間価格帯、10種セットが2,680円だ。

10種にはネギトロ、イクラ、ウニ、甘エビ、カニなどが入る。
昆布とかつお節でとった白だしが付くので、最後は茶漬けで締められる。

ぐるなび通信の記事によれば、ネタの並び順やエビのしっぽの向きまで位置が決まっている。
見た目のこだわりは徹底的だ。
渋谷センター街の奥にあり、週末は行列が出る。

 

 

 

銀座朝食ラボ:9升トレイで映える小鉢ビュッフェ

銀座朝食ラボの公式サイトによると、ホテルミュッセ銀座名鉄の2階にあるビュッフェレストランだ。
2021年7月にオープンした。

9マスに仕切られた木製トレイに、好きな小鉢を並べていく。
メニューの半分以上が小鉢で、全て食べ放題。

銀座朝食ラボの料金

朝食:全日2,970円(50分制)
ランチ:平日2,970円(90分制)、土日祝3,300円
宿泊者以外も利用可。予約が確実。

和の小鉢は出汁と季節感を、洋の小鉢は銀座の洋食の味を大事にしている。
ライブキッチンでは黄金出汁のしゃぶしゃぶも提供される。


食堂ソラノシタ:区役所14階で富士山と豆皿定食

3店舗のなかで最も意外な存在がここだ。
足立区役所の14階、地上67メートルにあるレストランで、晴れた日には富士山が見える。

「区役所の食堂」と聞くと素朴な定食を想像する人が多いだろう。

ところがあだち観光ネットの紹介によれば、安くて素朴な区役所の食堂九谷焼の器と特A米「青天の霹靂」で割烹級のクオリティだった。
鮮魚は豊洲市場から直接仕入れている。

豆皿定食の中身

刺身を含む中鉢2種と小鉢5種にご飯・味噌汁・香の物がつく。
これで豆皿定食1,485円
毎日15時半から17時は中学生以下の子どもが無料で食事できる「夢食堂」も運営している。

前述のとおり、この店は小鉢の中身を旬の安い食材に入れ替えることで値上げを回避している。
物価高でも価格を据え置ける理由が、まさにここにある。

 

 

 

ブームはまだ序章――2026年の小鉢グルメ年表

この流れがいつ、どう広がったかを整理する。

① 2021年7月 ― 銀座朝食ラボが開業。小鉢ビュッフェの先駆けに

② 2022年7月 ― 魚秀がおちょこ丼を開始。SNSで爆発的に拡散

③ 2022年11月 ― 「日本流行丼大賞2022・特別賞」受賞

④ 2026年1月 ― 食べログマガジンが2026年トレンドに「豆皿定食」を選出

⑤ 2026年2月27日 ― 日テレ「news every.」で小鉢グルメ特集が放映

2021年の銀座朝食ラボから数えて約5年。
ゆっくりと広がった小鉢スタイルが、物価高という追い風を受けて一気にメインストリームに躍り出た格好だ。

 

 

 

まとめ

  • 小鉢グルメの人気は「映え」だけではない。 食材入替で値上げを回避できる店側の経営メリットが広がりの根幹にある
  • 魚秀のおちょこ丼は1,580円から。 神戸の老舗鮮魚店が目利きした海鮮を、渋谷で手軽に味わえる
  • 銀座朝食ラボは2,970円〜の小鉢ビュッフェ。 9升トレイで味が混ざらず、清潔なビュッフェ体験ができる
  • 食堂ソラノシタは1,485円の豆皿定食。 足立区役所14階から富士山を眺めながら割烹級の料理を楽しめる
  • 食べログマガジンも2026年トレンドに選出。 豆皿定食・小鉢スタイルはこれから広がっていくフェーズにある

物価高が続くなか、外食に求められるのは「安さ」だけではない。
限られた予算で最大限の満足を得るための工夫として、小鉢グルメは客にも店にも理にかなった選択肢になっている。

気になった店があれば、週末にでも足を運んでみてほしい。

よくある質問(FAQ)

Q1. 小鉢グルメが人気の理由は?

映えに加え、店側が食材を入れ替えることで値上げを回避できる経営メリットがあるため、物価高の時代に客も店も得する構造になっている。

Q2. 魚秀 渋谷のおちょこ丼の値段はいくら?

6種セット1,580円、10種セット2,680円(税込)。白だし付きで最後はお茶漬けにして楽しめる。

Q3. 銀座朝食ラボの予約は必要?

予約推奨。朝食は全日2,970円(50分制)、ランチは平日2,970円(90分制)。宿泊者以外も利用可能。

Q4. 食堂ソラノシタの豆皿定食はいくら?

税込1,485円。刺身含む中鉢2種と小鉢5種にご飯・味噌汁・香の物がつく。足立区役所南館14階にある。

Q5. 飲食店が小鉢スタイルにするメリットは?

高い食材を旬の安い食材に入れ替えて価格を据え置ける。ビュッフェ台の汚れも減り、清掃の手間と人件費を削減できる。

Q6. 東京で小鉢ランチ・豆皿定食が食べられる他の店は?

築地本願寺カフェTsumugi、小春日和TOKYO、神楽坂茶寮、京都石塀小路豆ちゃ日本橋などが同スタイルで人気。

Q7. 小鉢グルメは2026年のトレンド?

食べログマガジンの2026年トレンド予測で「豆皿定食」が正式に選出されており、業界全体の流れになりつつある。

Q8. 食堂ソラノシタは子連れで行ける?

毎日15時半〜17時は中学生以下の子どもが無料で食事できる「夢食堂」を運営している。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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