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2026年4月7日 、TBS『ひるおび』のMC・ 恵俊彰 (61)が番組内で「アポロの月面着陸はスタジオで撮影されたのではないか」と発言した。
SNS上では批判が殺到している。
最新の月探査ニュースを扱う文脈で持ち出されたこの「古典的な陰謀論」に、視聴者からは「情報番組のMCが何を言っているのか」と呆れる声が相次いだ。
番組内では科学ジャーナリストが否定したにもかかわらず、恵は「何回聞いても信じられない」と繰り返している。
この記事でわかること
恵俊彰が『ひるおび』で「月面着陸はスタジオ撮影」と発言
2026年4月7日 放送の『ひるおび』で、MC・ 恵俊彰 (61)がアポロ計画の月面着陸について 「どこかのスタジオで撮ったのではないか」 と発言し、波紋を広げている。
番組では、 NASAの宇宙船オリオンが地球から最も遠い地点に到達したニュース を扱っていた。
これは国際月探査プロジェクト「 アルテミス計画 」の一環だ。
その流れで、1969年のアポロ11号による人類初の月面着陸の話題になった。
恵が 八代英輝 弁護士に話を振ると、八代は「僕は月面に着陸したのをちょっと疑っていた」と冗談まじりに発言。
恵も「なんで宇宙なのに国旗がたなびいているのか?」と疑問を呈した。
科学ジャーナリストが否定
SmartFLASHの報道 によると、番組内の科学ジャーナリストが「もちろん、確かなことです」と否定したという。
それでも恵は「何回聞いても信じられない」と繰り返した。
アポロ17号の宇宙飛行士が月面を歩く映像が流れた際も、「本当ですか?と思ってしまう」と発言。
八代氏も「すごくスタジオっぽい」と同調した。
科学ジャーナリストが番組内で否定したのに、MCが繰り返し陰謀論を展開する という構図は異例だ。
アルテミス計画という最新の宇宙開発ニュースを扱う文脈で、半世紀前の陰謀論を持ち出したことになる。
この発言に対し、SNS上では 批判が殺到 している。
「まともな番組作る気ない」SNSで批判殺到
この発言に対し、X(旧Twitter)では「未だにこんなこと言ってる人たちがいるんですね」「TBSはまともな番組作る気ないなら撤退しろ」といった批判が相次いでいる。
批判の声の多くは、「情報番組のMCとして不適切」という点に集中している。
「とっくの昔に科学的に検証済、ネタが古い」という指摘もあった。
一方で、番組を実際に視聴していたという人からは「冗談のウケ狙い発言で、スタジオも和やかに笑っていた」という擁護の声も上がっている。
ガールズちゃんねる のコメント欄では「叩かれてるの?昼間これ生でTVで見たけど、冗談のウケ狙い発言で、スタジオも皆んな和やかに笑っていたよ」という投稿もあった。
批判派
情報番組で陰謀論はNG
視聴者に誤った情報を広める危険性
擁護派
冗談だった
スタジオは和やかな雰囲気だった
しかし、批判が多い理由は明確だ。
情報番組のMCという立場での発言だからこそ、冗談では済まされない と考える人が多い。
バラエティ番組なら許容される「ネタ」でも、ニュースを扱う情報番組では視聴者に誤解を与えるおそれがある。
では、恵が持ち出した「アポロ陰謀論」は、科学的にはどう評価されているのか。
アポロ陰謀論はとっくに科学的に否定されている
「アポロは月へ行っていない」説は1960年代から存在する古典的な陰謀論で、科学的には完全に否定されている。
SmartFLASHの取材 に対し、オカルトに詳しい放送作家はこう語っている。
アポロ計画は1969年7月20日(現地時間)にアポロ11号が人類初の月面着陸を成し遂げ、その様子はテレビ中継された。
これがフェイクで、スタジオで撮影されたものだと主張する人がいる。
その根拠として、真空状態の月面でアメリカ国旗が揺れていた、ほかの星が映っていないなどがあげられる。
しかし、真空でも人が揺らせば旗は揺れるし、星が映らないのは光のコントラストのためと科学的な説明がなされている。
陰謀論の主な根拠は、以下の2つだ。
- 真空状態の月面で国旗が揺れていた
- 月面の写真に星が映っていない
これらに対する科学的な反証は、すでに何十年も前から示されている。
真空でも人が旗を揺らせば慣性で揺れ続ける。
星が映らないのは、月面の明るさと星の明るさの差(コントラスト)が大きすぎて、カメラが星を捉えられないからだ。
さらに決定的な証拠がある 。
日本の JAXA が2007年に打ち上げた月周回衛星「 かぐや(SELENE) 」は、2008年、 アポロ15号の噴射跡を確認した 。
月面に残された着陸船の噴射跡が、「かぐや」の地形カメラによって撮影されたのだ。
アポロが持ち帰った月の石も、世界中の科学者が検証している。
宇宙開発情報サイトSorabatake によれば、「アポロ計画が真実であったことは、さまざまな人が科学技術と天文学の観点から立証しています」とある。
つまり、 複数の独立した証拠が揃っている ため、捏造は不可能だ。
アメリカだけでなく、日本やヨーロッパの宇宙機関も月面の痕跡を確認している。
アポロ陰謀論を支持する科学者は、現在ほとんど存在しない。
科学的には完全に否定されているにもかかわらず、なぜ今でもこの陰謀論は消えないのか。
その理由の一つが、次に解説する「疑問」だ。
「なぜ50年以上月に行かないのか」という疑問の答え
「なぜ50年以上月に行かないのか」という疑問は、陰謀論者がよく持ち出す根拠だ。
しかし、答えは単純である。
膨大なコストと人命リスクに見合うリターンがないからだ。
アポロ計画は1969年から1972年の 3年間で6回 の有人月面着陸に成功した。
この数字だけ見ると「簡単だった」ように思えるかもしれない。
だが実際は、 膨大な予算と人命リスクを投じた結果 だった。
アポロ計画の背景には、米ソ冷戦があった。
1961年、ソ連が世界初の有人宇宙飛行に成功。
アメリカは国威発揚のため、「月面着陸」という目標を掲げた。
当時のアメリカは、国家予算の約 4% をアポロ計画に投じている。
月面着陸に成功した時点で、アメリカの目的は達成された。
その後は、科学的価値よりコストが上回ると判断されたのだろう。
月面には資源がほとんどなく、行く理由がなかった。
しかし、現在のアルテミス計画で再び月が注目されている理由がある。
それは、 火星探査の足がかり としてだ。
BBCの報道 によれば、アルテミス計画の最終目標は有人火星探査だという。
月面で長期滞在技術を確立し、火星への中継基地として活用する構想だ。
つまり、「行かない」のではなく、「行く目的がなかった」というのが正しい。
技術が進歩したからこそ、より安全で効率的な方法で月に戻ろうとしている。
このように、科学的には完全に否定されているアポロ陰謀論を、なぜ恵俊彰は情報番組で持ち出したのか。
情報番組のMCが陰謀論を語る危うさ
バラエティ番組ならともかく、情報番組のMCが陰謀論を持ち出すことは、視聴者に誤った情報を広める危険性がある。
SmartFLASHの取材 に対し、オカルトに詳しい放送作家はこう指摘している。
情報番組で話す内容ではない
「アポロ捏造説」は、これまでもテレビ番組で取り上げられてきた。
あくまでも不思議・ミステリー・超常現象といった枠内で「ネタ」として取り上げられてきた。
『アポロ捏造説』を突き詰めると、『アメリカ政府が何か重大な情報を隠しているに違いない、それは現在も続いている』といった陰謀論に容易につながってしまう。
『ひるおび』のような情報番組で話す内容ではないでしょうね。
情報番組とバラエティ番組の違いは、「事実を伝える責任」の有無だ。
バラエティ番組なら「ネタ」として許容される内容でも、情報番組では視聴者に誤解を与えるおそれがある。
陰謀論が広がるメカニズムは単純だ。
権威のある人物が「疑問」を提示すると、視聴者はそれを「真実の可能性」として受け止める 。
恵俊彰は『ひるおび』のMCとして 17年以上 務めており、視聴者にとっては「信頼できる情報源」として認識されている。
そのMCが「信じられない」と繰り返せば、視聴者の中には「もしかして本当に捏造だったのでは?」と考える人も出てくるだろう。
科学的には完全に否定されている陰謀論が、再び拡散されるきっかけになりかねない。
視聴者が持つべきメディアリテラシー
視聴者が持つべきメディアリテラシーは、「情報の発信元と根拠を確認すること」だ。
恵の発言は個人の感想にすぎず、科学的根拠はない。
一方、アポロ計画の真実性を裏付ける証拠は、世界中の宇宙機関が確認している。
恵俊彰のこの発言は、情報番組の信頼性を揺るがすものとして、今後も議論を呼びそうだ。
まとめ
- 恵俊彰の『ひるおび』での発言をめぐり、情報番組の責任が問われている
- 科学的に完全に否定されているアポロ陰謀論を、最新の月探査ニュースを扱う文脈で持ち出したことに、視聴者からは批判が殺到した
- 番組内で科学ジャーナリストが否定したにもかかわらず、恵が繰り返し「信じられない」と発言したことも、批判を加速させている
- 情報番組のMCという立場での発言は、視聴者に誤った情報を広める危険性がある
- TBSや恵俊彰からの公式な謝罪や訂正は、現時点では確認できていない
よくある質問(FAQ)
Q1. 恵俊彰は何と言ったのか
「アポロはどこかのスタジオで撮ったのではないか」「なんで宇宙なのに国旗がたなびいているのか」と発言した。
Q2. なぜ批判されているのか
情報番組のMCという立場で、科学的に否定されている陰謀論を展開したため。
視聴者に誤った情報を広める危険性がある。
Q3. アポロ陰謀論とは何か
「アポロは月へ行っていない」という説。
1960年代から存在するが、科学的には完全に否定されている。
Q4. アポロ計画は本当に月に行ったのか
本当に行った。
JAXAの「かぐや」がアポロ15号の噴射跡を確認しており、月の石も世界中の科学者が検証済み。
Q5. なぜ50年以上月に行かないのか
膨大なコストと人命リスクに見合うリターンがないため。
アポロ計画は米ソ冷戦の国威発揚が目的だった。
Q6. 恵俊彰は謝罪したのか
現時点では、TBSや恵俊彰からの公式な謝罪や訂正は確認できていない。
Q7. 情報番組で陰謀論を語る問題は何か
視聴者が情報番組を信頼しているため、MCの発言が「真実の可能性」として受け止められ、誤情報が拡散されるおそれがある。
Q8. 八代英輝弁護士も同調したのか
はい。
八代氏は「僕は月面に着陸したのをちょっと疑っていた」と冗談まじりに発言し、「すごくスタジオっぽい」と同調した。
リアルタイムニュースNAVI 編集部
reaitimenews.com
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