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日経平均7万2000円台の理由、バブルとの決定的な違いとは

| 読了時間:約5分

銀行より半導体会社の方が大きくなった日が来た。

2026年6月22日、東京の株式市場で日経平均株価が初めて7万2000円の大台を超えた。

その裏で、あるメモリー企業の「会社の値段」が一時、国内最大級のメガバンクと同じ規模に達した。

「これはバブルでは?」という声が出るのは当然だが、答えはそう単純ではない。
1989年のバブル期と今では、株高の「中身」がまったく違う。

日経平均7万2000円台の理由、バブルとの決定的な違いとは

7万2000円台、たった7日で7000円上がった

7 営業日で 7000 円—— 1日あたり1000円上がり続けた計算だ。

6月11日 から始まった上昇は、わずか7営業日でその間の上げ幅を 7000 円余りに積み上げた。
NHKニュース によると、週明け22日の東京市場で日経平均は 800 円以上値上がりし、取引時間中に初めて 7万2000 円を超えた。

2025年10月
大台到達

日経平均が終値で初めて 5万円 台に到達

2026年4月27日
大台到達

終値で初めて 6万円 台——5万から6万まで半年で達成、史上最速の大台替わり

2026年6月11日
連騰開始

7営業日連続の上昇が始まる。

この間の上げ幅は 7000 円余り

2026年6月18日
大台到達

終値で初めて 7万1053 円——6万から7万まで約2カ月弱で達成、史上最速

2026年6月22日
新記録

取引時間中に初めて 7万2000 円台を突破。
6 営業日連続で最高値を更新

この速度は記録的だ。
5万円から6万円まで半年かかったのに、6万円から7万円は「史上最短」のペースで塗り替えられた。

さらに加速は続き、22日には 6 営業日連続で取引時間中の最高値を更新した。

実際に何が買われていたのか。

特定のAI株だけが突出していたのか、それとも日本株全体が上がっていたのか。

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答えは思ったより複雑だ。

上がったのはAIだけ?意外な「広がり」の正体

AI半導体に関連する26社の年度経常利益の予想が、年初の倍以上に膨らんだ。

日本経済新聞 によると、6月22日の上昇をけん引したのは 村田製作所 イビデン 三井金属 などのAI・半導体関連銘柄だ。

「AI株」と聞くと情報技術の企業だけをイメージしがちだが、実際には電子部品や金属メーカーも含まれている。

野村證券のレポートが示すデータはさらに驚く内容だ。
野村證券 によると、AI・半導体関連 26 社の2026年度経常利益の合計は 12.8 兆円で、年初時点の 5.9 兆円から約 2.2 倍に上方修正された。

「期待」ではなく、実際に稼ぐ力の予測が先に動いている。


5.9 兆円
年初予想
AI半導体26社
12.8 兆円
現在の予想
約2.2倍に拡大
+6.9 兆円
上方修正額
半年以内に増加

さらに、AIデータセンターの建設が進む中で、恩恵を受ける銘柄のすそ野が広がってきているという見方が広がっている。

これまで半導体だけだった恩恵が、電線・電子部品・機械の分野にまで波及しつつある。

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なかでも一社だけ、異次元の動きをした企業がある。

銀行を一時抜いた半導体会社の話だ。

キオクシアが三菱UFJを超えた日

一時 60 兆円—— キオクシアホールディングスの時価総額がメガバンク水準を超えた。

キオクシア はNANDフラッシュメモリー(スマホやPCのデータを保存するチップ)を作る会社だ。
日本経済新聞 によると、6月22日の取引でキオクシアは上場来(市場に出てからの)最高値を更新し、時価総額が一時 60 兆円を超えた。

日本では長年、大手銀行や自動車メーカーが「時価総額ランキング」の上位に君臨してきた。

銀行は「大企業の代表」というイメージが、多くの人の脳内にすり込まれている。

だからこそ、メモリーを作るキオクシアがメガバンクと並ぶ水準に達したと聞くと、直感に反する驚きを覚えるはずだ。


半導体メモリーの会社が金融大手を一時超えた事態は、AI需要が日本産業の「稼ぐ中心」を塗り替えつつあることを示しているのではないか。
「三菱UFJ銀行より、メモリーを作るキオクシアの方が一瞬だけ大きくなった」——それが今の日本株の現実だ。

この日には追加の材料もあった。

政府の成長戦略に盛り込まれた「 フィジカルAI (AIでロボットなど物理的な機械を自律的に動かす技術)」の分野に、官民合わせて 2040 年度までに 10.5 兆円を投資する計画の全容が前週末に判明した。

ファナック など関連銘柄への買いがさらに勢いを増した。

日本経済新聞 によると、 JPモルガン証券 は日経平均の2026年末の目標を 7万5000円 に引き上げた。

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「でも正直なところ——これだけ急騰すると、頭のどこかで『バブルじゃないのか』という警戒感が出てくる。

実際のところ、どうなのか」

「これはバブルだ」と言いたくなる気持ちへの答え

1989年 バブル期の日経平均はPER(株価収益率・「今の株価が利益の何年分か」を示す指標)が 60倍超 だった。

今回は 22倍台 だ。

PER 60倍超
1989年バブル期

実態なき期待の膨張。

企業の稼ぐ力を無視した熱狂が株価を押し上げた

PER 22倍台
2026年現在

業績成長が先行。

AI半導体26社の経常利益予想が年初比2.2倍に上方修正された

「バブル」という言葉が出てくるのは当然だ。
7 営業日で 7000 円という上昇は、過去に類例が少ない速度だ。

しかし構造が根本的に違う。
1989年当時 、日本株の割高さは 「実態なき期待」によって支えられていた。

企業が実際に稼ぐ力(業績)を無視して、「まだ上がる」という熱狂だけが株価を押し上げた状態だ。

今回は違う。
野村證券 によると、AI・半導体関連 26 社の経常利益予想はわずか半年で年初比 2.2倍 に上方修正された。

株価が先に上がったのではなく、 企業が稼ぐ予測が先に跳ね上がった。

第一ライフ資産運用経済研究所 の分析では、世界半導体統計(WSTS)のデータとして、 2026年2月 の世界半導体売上高が前年比 86.1%増 という数値が示されている。

需要は「期待」ではなく数字に現れており、半導体メモリー価格が 2025 年末から半年で 4 倍規模上昇したとされる。

「バブル」の条件である「実態のない期待」と、現在の状況は一線を画している。

ただし懸念がゼロではない。
野村證券 によると、日経平均をTOPIX(東証株価指数・全上場企業の平均)で割った「NT倍率」が 16.37倍 という過去最高水準にある。

日経平均がAI株の集中で押し上げられる一方、全体の市場はそこまで上がっていないという乖離(かけ離れ)が生まれている。

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バブルではないとしても、その恩恵は全員に平等に届いているわけではない。

NISAで積み立てをしている人が気にすべきことが一つある。

NISAをやっている人が今すぐ確認したいこと

日経平均が上がっても、TOPIX連動の投信が「思ったより上がっていない」と感じる人がいる理由がある。

NT倍率 16.37倍 という数字の意味を日常語で言えば、「日経平均は一部のAI株に引っ張られて上がっているが、全体の市場はそこまで上がっていない」ということだ。
野村證券 によると、NT倍率が過去最高水準にあることは、日経平均に連動する商品とTOPIX連動の商品では恩恵の差が大きくなっている可能性があるという見方が広がっている。

📌 NISAの種類別・今回の上昇の受け取り方の違い

日経平均連動型 :今回の上昇の恩恵を受けやすい。

AI株の集中上昇がそのまま反映される

TOPIX連動型・全世界株(オルカン) :体感する上昇が小さくなる可能性がある。

日経平均ほど急上昇していない

まず自分のNISA口座の投資先がどちらのタイプかを確認するのが最初の一歩だ。

ちなみに、日経平均がここまで上がったこと自体には長期的な文脈がある。
日本経済新聞 によると、 2009年3月 にバブル崩壊後の最安値( 7054 円)をつけてから、現在の 7万2000 円台まで約 17 年で 10倍超 になった計算だ。

「日本株は上がらない」という認識は、長期で見ればすでに崩れていた。

では、これからも上がり続けるのか。

専門家たちの見方は実は割れている——しかも怖がっているのは下落ではなく、別の理由だ。


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専門家が「まだ上がる」と言いながら怖がっていること

過熱感を指摘する声も増えている 」——好調な数字を見ながらも、市場関係者がそう語っている。

強気の見方は確かに多い。
JPモルガン証券 が年末 7万5000 円を示したほか、 大和証券 は「米国とイランの戦闘終結合意で日本企業の増益の確度が高まった」として 8万円 という強気の目標を示した。

日本経済新聞 によると、 6月18日 の段階で海外投資家が株価指数の先物(将来の売買契約)やAI半導体関連銘柄に積極的に買いを入れ、相場を押し上げた。

一方で、 テレビ朝日系(ANN)の報道 でも市場関係者が「AI・半導体関連企業の業績への期待感が強く、買い注文が広がっている」と分析する一方、過熱感を指摘する声も増えているとある。


⚠️ 専門家が最も気にしているリスク

株価の暴落ではなく、 半導体需要の息切れ だ。
第一ライフ資産運用経済研究所 の分析では、「価格が高すぎると今度は需要が着いてこれなくなる状況が生じる」リスクがあると指摘されている。

半導体メモリー価格が急騰し続ければ、データセンターの発注量が鈍化するおそれがある。

専門家たちが最も気にしているのは株価そのものより、 半導体需要が持続するかどうか だ。

バブルかどうかより、AI需要がこのまま続くかどうかが本当の問いだ。

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上昇の実態が「期待の膨張」ではなく「企業が稼ぐ力の急変」にある限り、今の株高は過去のバブルとは別の現象として扱う必要がある。

まとめ

  • 日経平均は6月22日に取引時間中で初めて7万2000円台を記録し、6月11日からの7営業日での上げ幅は7000円余りに達した
  • 上昇の主役はAI・半導体関連銘柄だが、恩恵は電線・電子部品・機械など幅広い業種に広がりつつある
  • キオクシアHDの時価総額が一時60兆円を超え、国内最大級のメガバンクと並ぶ規模に達した——これは半導体企業が日本の産業構造の中心に入りつつあることを示す出来事だ
  • 1989年バブル期のPERが60倍超だったのに対し現在は22倍台で、AI半導体26社の経常利益予想が年初比2.2倍に上方修正されるなど「業績が先に動いた相場」という点で構造が異なる
  • NISAを持っている人は、日経平均連動型とTOPIX連動型では今回の上昇の恩恵の受け取り方が大きく異なる

よくある質問(FAQ)

Q1. 日経平均が7万2000円台になったのはいつですか?

2026年6月22日(月曜日)の取引時間中に初めて7万2000円台を記録した。

上げ幅は一時1000円を超え、6営業日連続で取引時間中の最高値を更新した。

Q2. 日経平均はなぜこんなに上がっているのですか?

主な理由はAI・半導体関連銘柄の業績急拡大だ。

関連26社の2026年度の利益予想が年初の約2.2倍に上方修正され、「期待」ではなく実際に稼ぐ力の予測が先に動いたことが株価を押し上げている。

Q3. 今の株高はバブルなのですか?

構造的に1989年バブルとは異なるという見方が広がっている。

当時の株価収益率(PER)は60倍超だったが、現在は22倍台で、企業業績の上方修正が先行している点が大きく違う。

Q4. キオクシアの時価総額が60兆円を超えたとはどういう意味ですか?

キオクシアはメモリーチップを作る会社で、会社の値段(時価総額)が一時、国内最大級のメガバンクと同じ規模に達した。

半導体企業がその水準に達するのは日本企業史で類例がない出来事だ。

Q5. NISAをやっている人は日経平均の上昇で得をしますか?

口座に入っている投資先の種類による。

日経平均に連動する商品なら恩恵を受けやすいが、TOPIX(全上場企業の平均)連動型や全世界株に連動する商品では体感する上昇が小さくなる可能性がある。

Q6. フィジカルAIとは何ですか?

AIを使ってロボットなど物理的な機械を自律的に動かす技術のこと。

政府は2040年度までに官民合わせて10.5兆円を投資する計画を示しており、関連銘柄への買いが広がった。

Q7. 日経平均はこれからも上がり続けますか?

専門家の見方は割れている。

JPモルガン証券は年末7万5000円を示す一方、半導体価格が高すぎると需要が鈍化するリスクも指摘されており、AI需要が持続するかどうかが焦点だという見方もある。

📚 参考文献

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

reaitimenews.com

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