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大垣市の灯油にガソリン混入、なぜ2週間も売られ続けたのか――引火点差80℃の危険と見分け方

| 読了時間:約4分

ガソリンスタンドで買った灯油が、ファンヒーターを凶器に変えた。

岐阜県大垣市の「キグナス石油西濃」で売られた灯油に、ガソリンがまざっていた。
大垣消防組合が2月15日に発表し、使用中止をつよく求めている。

なぜ約2週間も売り続けられたのか。混入灯油はどれほど危ないのか。
引火点の差80℃以上というしくみから、見分け方、2ヶ月前の同種事故まで整理する。

 

 

 

大垣市「キグナス石油西濃」で何が起きたのか

大垣消防組合によると、ガソリンがまざったおそれのある灯油のはんばい期間は1月29日から2月13日だ。およそ2週間にわたる。

ことの発端は、2月9日の住宅全焼だった。ファンヒーターがとつぜん火を噴いたのだ。

消防が灯油を調べると、ガソリン反応が出た。購入先はキグナス石油西濃だった。


ぎふチャンDIGITALの報道によると、14日までに「色がおかしい」「ガソリンのにおいがする」という相談もいくつか届いている。火災よりも前に気づいた人がいたわけだ。

それでも混入灯油はおよそ2週間売られ続けた。中日新聞によると、同スタンドは15日の午後3時30分に営業を自粛している。

⚠️ 対象者への注意

混入のいきさつは調査中で、はんばい量や購入者の全容はわかっていない。心あたりのある人は大垣消防組合(0584-87-1512)へれんらくしてほしい。

では、灯油にガソリンがまざると、なぜ大きな火災になるのか。

 

 

 

引火点の差は80℃以上――少量でも火災になるしくみ

灯油とガソリンは見た目がよく似ている。だが「火がつく温度」はまるでちがう。

灯油の引火点はおよそ40℃。真夏の炎天下でやっと火がつく温度だ。


一方、ガソリンの引火点はマイナス40℃よりも低い。真冬でもひとりでに気化し、いつでも火がつく。ふたつの差は80℃以上もある。

「すこしなら大丈夫だろう」と思うかもしれない。ところが、ごくわずかでも灯油にまざれば爆発的にもえ上がる。

🔥 混入灯油が燃えるしくみ

①ファンヒーターのタンクで、ガソリンが室温で気化する
②目に見えないガスが充満して圧力が上がっていく
③やがて燃料があふれ出し、気化ガソリンに引火する

📊 暖房器具事故の統計

NITE(製品評価技術基盤機構)によると、だんぼう器具の事故は5年間で965件にのぼる。火災が75%をしめ、57人が命を落とした

日本ガス石油機器工業会は「ガソリンや混合油の使用はげんきん」と警告する。ダイニチ工業も「きはつ性の高い油はぜったいに使うな」とよびかけた。

では、買った灯油にガソリンがまざっていないか。自分で見分けられるのだろうか。

 

 

 

「色がおかしい」「においがちがう」――3つの見分け方と対処法

今回の大垣でも、買った人じしんが異変に気づいていた。「色がおかしい」「ガソリンのにおいがする」という声が14日までにとどいている。

灯油にガソリンがまざっているか、3つの方法でたしかめられる。

✅ 混入を見分ける3つの方法

①色
灯油はむしょくとうめいだが、ガソリンはオレンジ色にちゃくしょくされている。うっすら色づいていたら混入をうたがおう。

②におい
ガソリンは灯油よりツンとしたきはつ臭がある。ふだんとちがうにおいを感じたら要注意になる。

③ゆびさきテスト
火の気のないところで少量をゆびにつけ、息をふきかける。灯油ならぬれたままだが、ガソリンはすぐかわく。

⚠️ 使ってしまったら

混入がうたがわれる灯油を使ってしまったら、すぐにファンヒーターの電源を切ろう。のこった灯油はガソリンスタンドでしょ分をたのめる。

キグナス石油西濃で1月29日~2月13日に灯油を買った人は、消防へれんらくしてほしい。電話番号は0584-87-1512だ。

今回のような灯油へのガソリン混入は、過去にも起きている。

 

 

 

2ヶ月前にも福島で同種事故――くり返される灯油ガソリン混入

大垣からさかのぼること、わずか2ヶ月前のことだ。福島県会津若松市の「皆川商店・会津神指SS」で同じたぐいの事故が起きている。

📋 会津若松の事故概要

会津若松市の公式発表によると、原因はタンクローリーのにおろし時のあやまちだった。灯油の地下タンクにガソリン約300リットルが入った。福島民友によると、約2500リットルの灯油が16けんにはんばいされている。

さいわい3日後に発覚し、全量が回収された。火災は起きていない。

項目 会津若松(2025年12月) 大垣(2026年2月)
発覚までの日数 3日 16日以上
被害 なし(全量回収) 住宅1棟全焼
原因 におろし時のあやまち 調査中

はやく見つけて動いたかどうかが、ひ害の明暗を分けている。

2002年には福島県いわき市で同種の事故がおきた。3人がなくなっている。けっしてまれな事故とは言えない。


大垣の原因はまだ何もあきらかになっていない。会津若松ではタンクローリーのにおろし時のあやまちが原因だった。大垣でも人のミスがうたがわれる。

経産省の東北経済産業局は、会津若松の事故をうけて立入けんさを行った。灯油の品質をまもる法にもとづく対応だ。大垣にも同じ対応がもとめられるだろう。

2ヶ月で全国2件。冬のライフラインであるとう油の安全がゆらいでいる。

 

 

 

まとめ

  • キグナス石油西濃で1月29日~2月13日に灯油を買った人は、ぜったいに使わず消防(0584-87-1512)へれんらくを
  • 灯油とガソリンは引火点が80℃以上ことなり、すこしまざっただけでも大きな火災になりうる
  • 色やにおいの変化、ゆびさきテストの3つで混入はたしかめられる
  • 会津若松では早期発見で全量回収にせいこうした
  • おかしいと感じたらまよわず行動することが、ひ害をふせぐただひとつの手だて

よくある質問(FAQ)

Q1. 灯油にガソリンが混入するとどうなる?

ガソリンが室温で気化してタンク内の圧力が上がり、爆発的に燃え上がる。灯油とガソリンの引火点の差は80℃以上ある。

Q2. 灯油にガソリンが混ざっているか見分ける方法は?

色(オレンジがかっていないか)、におい(ツンとした揮発臭)、指先テスト(すぐ乾くか)の3つで確認できる。

Q3. 混入灯油を使ってしまったらどうすればいい?

すぐにファンヒーターの電源を切り、残った灯油はガソリンスタンドで処分を依頼する。

Q4. キグナス石油西濃で灯油を買った場合の連絡先は?

大垣消防組合(0584-87-1512)またはキグナス石油西濃に連絡する。

Q5. 灯油へのガソリン混入は過去にもあった?

2025年12月に福島県会津若松市でも同種事故が発生。2002年には福島県いわき市で3人が死亡している。

Q6. なぜ灯油にガソリンが混入する?

大垣の原因は調査中。会津若松ではタンクローリーの荷下ろし時の誤注入が原因だった。

Q7. 購入者への補償はあるのか?

現時点で補償に関する公式発表はない。販売量や購入者の全容も特定できていない。

Q8. ファンヒーター以外の暖房器具でも危険か?

灯油を使う石油ストーブや石油ファンヒーターはすべて同じ危険がある。ガソリン混入灯油は使わないこと。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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