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札幌バス運賃270円へ?なぜ2年で再値上げか理由を解説

札幌バス運賃270円へ?なぜ2年で再値上げか理由を解説

| 読了時間:約8分

札幌のバス運賃が2027年4月から30円上がり、1区270円になる見通しだ。
前回の値上げからわずか2年4か月。なぜこんなに早いのか。

北海道中央バスなど市内5社が値上げを要望し、3月3日に協議会が始まった。
背景にあるのは深刻な運転手不足だ。

この記事では値上げの中身から、前回値上げの効果検証、そして運転手の厳しい現実と新たな打開策までを整理する。



札幌バス運賃は2027年4月から270円に?30円値上げの中身

2026年3月3日、札幌市公共交通協議会でバス運賃の再値上げの検討が始まった。
値上げ幅は30円が軸で、早ければ2027年4月から実施される見通しだ。

札幌市内のバス運賃がふたたび上がりそうだ。
HTBニュースの報道によると、北海道中央バスやジェイ・アール北海道バス、じょうてつバスなど市内を走るバス事業者5社が、2027年4月からの値上げを要望した。

値上げ幅は30円が軸とみられている。
いま1区240円、2区270円の均一運賃なので、30円上がれば1区270円、2区300円になるだろう。


27年間200円→2年で2回の異例ペース

ここで振り返りたいのが、札幌のバス運賃の歴史だ。

時期 1区運賃 きっかけ
1997年 200円 運賃設定
2014年・2019年 据え置き 消費税転嫁のみ
2024年12月 240円 27年ぶりの本格値上げ
2027年4月? 270円? わずか2年4か月で再値上げ

27年間ずっと200円だった運賃が、ここ2年余りで2度目の改定を迎えようとしている。
札幌のバス史上、異例のペースだ。



正式決定は2026年夏ごろ

では、いつ正式に決まるのか。

HTBニュースの続報によると、2026年3月3日に札幌市公共交通協議会が開かれ、値上げの必要性についての議論が始まった。
正式な決定は、最短で2026年7〜8月の2回目の協議会になる見通しだ。

なお、毎日新聞の報道では値上げ幅の検討範囲は10〜50円とされている。
30円はあくまで「軸」であり、最終的な金額はまだ固まっていない。

値上げ時期は2027年4月が目標。値上げ幅は30円が軸だが、10〜50円の範囲で検討中。
正式決定は2026年夏ごろになる。

だが、2024年にも同じ理由で値上げしたばかりだ。
あのときの値上げは、果たして効果があったのだろうか。



前回値上げの「成績表」――16億円の増収はどこへ消えたのか

2024年12月の値上げで、バス会社の収入は増えた。
しかし、増収16億円のうち、運転手の待遇改善に回ったのは約6割だった。

毎日新聞の報道によると、北海道中央バス・JR北海道バス・じょうてつの3社は計16億円の増収となった。
利用者が30円ずつ多く払った分が、きちんと数字に表れている。

前回値上げの使いみち

毎日新聞によると、前回の運賃改定で3社は計16億円の増収となり、うち9億9000万円が待遇改善に充てられた。
残り約6億円は車両の更新など事業維持費にあてられた。

値上げ分は全額、運転手の給料に回った実際は約6割の9.9億円のみ
バスも老朽化すれば買い替えが必要で、1台あたり数千万円かかる。

運転手だけに全額を振り向けるわけにはいかなかったのだろう。



それでも減便は止まらなかった

問題は、9.9億円を投じてもなお、運転手不足が解消しなかったことだ。

UHB北海道文化放送の報道によれば、2026年4月から中央バスだけで6路線が廃止、平日173本が減便される。
美園駅や麻生駅を発着する路線も含まれる。

HTBニュースの取材では、札幌市内の運転手は5年間で356人減少。
全体のおよそ6割を50代と60代が占めている。

市の認識

北海道新聞の報道によると、市は「前回の値上げ幅では運転手の確保に向けた待遇改善は不十分だった」としている。

そこで今回は、増収分の「ほとんど」を運転手の給与に充てる方針だ。
STVニュースの報道によると、バス事業者3社の運転手の平均年収は現在483万円

30円の値上げで平均年収は521万円になる試算だ。

現在の平均年収

483万円

値上げ後の目標

521万円

では、バス運転手の現場はどれほど厳しいのか。
そして値上げ以外に打つ手はあるのだろうか。



手取り21万・拘束15時間の現場と、中央バス「年功序列廃止」の賭け

バス運転手が集まらない理由は、給料だけではない。
拘束時間の長さ、不規則な勤務、将来の見通しの立たなさ。
現場を変えなければ、値上げだけでは人は来ない。

缶コーヒーと菓子パンで走り続ける日々

HTBニュースが取材した50代の現役運転手は、朝6時に出社し夜9時に帰宅する日もある。
拘束時間は15時間。

昼食は缶コーヒー1本と菓子パン1つ。
「胃に負担がかかると運転中に眠くなる」からだ。

残業は月66時間にのぼる。
それでも手取りはおよそ21万円

運転手の声

「本当に誰でも来たくなるような職場を目指してほしい」
――定年が迫る50代運転手の言葉だ(HTBニュースより)。

東京都市大学の西山敏樹教授はこう指摘する。
「ベテランの給料の低さを見て、将来が展望できないと判断した30代40代が辞めていく悪循環がある」。

毎朝バス停で待っている「いつものバス」。
その運転席に座る人の手取りが21万円だと知ったら、30円の値上げをどう感じるだろうか。



中央バスが打ち出した「年功序列廃止」

値上げだけに頼らない動きも始まっている。

北海道中央バスの公式発表によると、同社は2026年4月から年功序列型の賃金を廃止し、5段階の職務給しょくむきゅうを導入する。

職務給とは、年齢や勤続年数ではなく、仕事の内容と習熟度しゅうじゅくどで給料が決まる仕組みだ。
バス業界版の「ジョブ型」への転換といえる。

中央バス新賃金制度の目標年収

入社後早期:年収約500万円(扶養家族3名の場合)
入社後約10年目:年収約570万円

※北海道全産業の平均年収をベンチマークとして設定

「離職理由の多くに賃金水準が挙げられ、特に勤続年数が短い層の賃金水準が他業種と比較して十分ではなかった」。
同社はこう説明している。

入社すぐに年収500万円を目指せるなら、他の仕事と迷っている人にとって選択肢に入りやすくなるだろう。
ただし、制度導入は2026年4月からで、実際に人が集まるかはこれからの話だ。


運賃値上げ、賃金制度の改革、外国人運転手の採用協定。
複数の手を同時に打てるかどうかが、札幌のバス路線を守れるかの分かれ道になるのではないか。



まとめ

  • 札幌市内のバス運賃は2027年4月から30円値上げで1区270円になる見通し。検討幅は10〜50円で、正式決定は2026年夏ごろ
  • 前回値上げでは16億円増収したが、待遇改善に使われたのは約6割の9.9億円。それでも減便は止まらなかった
  • 運転手の平均年収は483万円。値上げで521万円に引き上げ、増収分の「ほとんど」を給与に充てる方針
  • 北海道中央バスは値上げとは別に年功序列を廃止し、入社早期で年収500万円を目指す新賃金制度を導入
  • 値上げ・制度改革・外国人採用の複数策を同時に進められるかが今後のカギとなる

よくある質問(FAQ)

Q1. 札幌のバス運賃はいつからいくらになる?

2027年4月から30円の値上げが検討されており、1区は240円から270円になる見通しです。

Q2. 値上げの対象はどのバス会社?

北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス、じょうてつバスなど市内を走る5社が対象です。

Q3. なぜ2年で再値上げするの?

前回の値上げでは運転手の待遇改善が不十分で、減便・路線廃止が止まらなかったためです。

Q4. バス運転手の年収はいくら?

札幌市によると3社の運転手の平均年収は483万円。値上げで521万円になる試算です。

Q5. 値上げはいつ正式に決まる?

最短で2026年7〜8月に開かれる2回目の協議会で決定される方針です。

Q6. 前回の値上げはいつだった?

2024年12月に27年ぶりの本格値上げがあり、1区は200円から240円になりました。

Q7. 定期券の料金はどうなる?

運賃改定にともない定期券も改定される見込みですが、具体的な金額は未確定です。

Q8. 札幌のバスはどのくらい減便された?

2026年4月に中央バスだけで6路線廃止・平日173本が減便されます。

Q9. 北海道中央バスの新賃金制度とは?

2026年4月から年功序列を廃止し5段階の職務給を導入。入社早期で年収500万円を目指す制度です。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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