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「もう運転しない」の誓いから半年で再逮捕──札幌タイヤ脱落事故の全容と被害者家族の現在

札幌タイヤ脱落事故・若本豊嗣容疑者の再逮捕を伝えるアイキャッチ画像「運転しないは嘘だった?」

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「もう運転しない」──裁判でそう誓った男が、わずか半年で再びハンドルを握っていた。

2023年、改造ジムニーから脱落したタイヤが4歳の女の子を直撃し、意識不明に追い込んだ事件。
運転していた若本豊嗣容疑者(52)は裁判で執行猶予付きの有罪判決を受け、法廷で「一生かけて償う」と述べた。

その若本容疑者が2026211日、執行猶予期間中の無免許運転で再び逮捕された。

なぜ彼は再び運転したのか。
そして、いまだ意識不明の女の子と家族はいま、どのような状況に置かれているのか。

 

 

 

改造ジムニーのタイヤが70m先の4歳女児を直撃──2023年札幌タイヤ脱落事故とは

202311月、札幌市西区で不正改造された軽乗用車スズキ・ジムニーの左前輪が走行中に外れ、約70m先の歩道を歩いていた当時4歳の女の子に直撃した。女の子は頚髄けいずいを損傷し全身が完全に麻痺、2年以上が経った現在も意識不明のままだ。

幼稚園や小学校が立ち並ぶエリア。
父親は2人の幼い娘と、ガードレールのある歩道を歩いていた。
前方から突然、黒いタイヤが転がりながら襲いかかった。

TBS NEWS DIG(nifty転載)の報道によると、現場は緩やかな下り坂で、外れたタイヤは約70m──25mプール約3つ分の距離を転がって、当時4歳の女の子に直撃している。
女の子は頚髄けいずいを損傷し、全身が完全に麻痺した

 

 

 

タイヤが外れたのは、不正に改造された軽乗用車スズキ・ジムニーだった。
JBpressの詳報によれば、車検を通した後にタイヤやフェンダーを交換し、車体からタイヤがはみ出すかたちに改造されていた。
軽自動車の規格を超える車幅になっていた疑いがある。

この事故は突発的なアクシデントではない。
防犯カメラが、重要な場面を記録していた。

事故の約10分前、若本容疑者が車から降りてタイヤを覗き込む姿が防犯カメラに映っている。
TBS NEWS DIGの報道では、目撃者が「足回りに異常があるのかなと思っていた」と証言した。

さらにHBC北海道放送の初公判報道によると、車の所有者である田中正満被告(51)は事故の2日前、この改造車を運転した際にハンドルがぶれるなどの異常を感じていた。
事故当日、若本容疑者に確認を頼んだが、異常に気づかないまま走行し、タイヤが脱落した。

 

 

 

時期 出来事
2023年10月頃 田中被告の依頼で若本容疑者がジムニーを不正改造
事故2日前 田中被告が運転中にハンドルのブレを感じる
事故10分前 若本容疑者がタイヤを覗き込む姿が防犯カメラに映る
2023年11月14日 左前輪が脱落。約70m先の4歳女児に直撃

脱落の直接原因はホイールナットの緩みだった。
タイヤの取り付け位置を車体の外側にずらすパーツを使っていたことで、ナットへの負荷は増大していたとみられる。
産経新聞の判決報道で、渡辺史朗裁判長は「事故の危険性を高める改造で、悪質だ」と断じている。

タイヤ脱落という事故は、改造車だけに起こるものではない。ナットの締め忘れや点検不備は、どんな車でも起こりうる。
しかしこの事故では、不正改造がリスクを大幅に押し上げていた

 

 

 

女の子の父親はHBCの取材に対し、こう語っている。

「いつも明るくて、おしゃべりが好きな家族のムードメーカーでした。病院の先生からは、今後、意識が戻らないだろう。戻ったとしても意思疎通ができない可能性が高いと言われています」

2年以上が経った現在も意識不明のままだ。
当時4歳だった女の子は、本来なら小学校に入学している年齢になる。

この重大事故を起こした若本容疑者に、裁判所が下した判決は──意外にも執行猶予付きだった。

 

「もう運転しない」裁判での誓いは嘘だったのか──判決わずか半年で無免許運転を再開

2025424日、札幌地裁は若本被告に懲役3年執行猶予5年の判決を下した。しかし判決確定から約半年後の202511月、若本容疑者は再び無免許で車を運転し始めた。

「再び運転しない」「一生かけて償おうと思う」。
若本被告は法廷でそう述べたと報じられている。
裁判所もその言葉を受け、「反省している」ことを執行猶予の判断材料に含めた。

ところが若本容疑者は、判決が確定してから、わずか約6ヶ月半で無免許運転を再開していた。

 

 

 

JBpressの続報によると、検察は控訴せず、202558日に判決が確定した。
そしてHBC北海道放送の報道によれば、若本容疑者は同年1128日から1225日までの約1か月間、札幌市内や小樽市内で複数回にわたり、軽トラックを無免許で運転していた。

取り調べに対し、若本容疑者は容疑を認めたうえでこう述べている。

「無免許運転なのは分かっていたし、悪いことだとも分かっていたが運転した」「仕事をするためだった」

裁判での誓いと、再犯時の供述を並べるとこうなる。

  裁判(2025年4月) 再犯後の供述(2026年2月)
運転について 「再び運転しない」 「仕事のために仕方なく運転した」
償いについて 「一生かけて償う」 賠償の具体的な動きは報じられていない
反省について 入院費用200万円を支払い 「悪いことだと分かっていたが運転した」

 

 

 

この対比で見落とせない事実がある。
裁判で入院費用200万円を支払ったことが、反省の証として認められている

産経新聞の報道では、渡辺裁判長は「タイヤの緩みの点検は所有者の責任」として若本被告の過失の程度を限定し、この支払いや反省を考慮して執行猶予にした。

一方で車の所有者・田中正満被告への判決は罰金20万円
新品タイヤ4本分にも満たない金額だった。

FNNの報道によると、女の子の父親は再逮捕の報を受け、こうコメントしている。

「やっぱりなという呆れがある。裁判での『運転しない』という言葉は嘘だったのかなと思ってしまう」

父親はこの判決が出た直後にも「被害の大きさと刑罰のバランスが取れていない」と憤りを示し、検察に控訴を求めていた。
しかし控訴はかなわず、判決は確定している。

では、執行猶予期間中に再び罪を犯した若本容疑者は、今度こそ刑務所に入ることになるのか。
そして、いまだ意識不明の女の子と家族の現状はどうなっているのか。

 

執行猶予は取り消されるのか──被害女児の家族が直面する「三重苦」

刑務所に入ればこの事件は終わるのだろうか。答えはNoだ。

まず法的な見通しから整理する。
アトム法律事務所の解説によると、執行猶予期間中に再び罪を犯し、懲役刑や禁錮きんこ刑が言い渡された場合、前の執行猶予は法律上必ず取り消される。
刑法26条にもとづく「必要的取消ひつようてきとりけしし」と呼ばれる仕組みだ。

 

 

 

取り消されるとどうなるか。
前の懲役3年がそのまま復活し、今回の刑と合わせて服役することになる。

無免許運転の罰則は懲役3年以下または罰金50万円以下。
今回のケースでは執行猶予中の同種犯行であり、しかも約1か月にわたる複数回の常習的な無免許運転であるため、懲役刑を言い渡されれば前の執行猶予は取り消されるだろう。

⚠️ ここからは推測です

罰金刑にとどまった場合は、裁判官の裁量で取り消す「裁量的取消し」にとどまり、前の懲役が復活しない展開もゼロではない。
しかし執行猶予中に再犯した場合、実刑になるのが通常と法律実務では扱われている。

ここまでは確認できた法的事実にもとづく見通しだ。

だが問題は、仮に若本容疑者が実刑になったとしても、被害者家族の苦しみは何一つ解決しないという点にある。

 

 

 

女の子は2年以上にわたって意識が戻っていない。
HBCの報道で父親が明かしたとおり、医師からは「意識が戻らないだろう。戻っても意思疎通ができない」と告げられている。

そこに追い打ちをかける事実がある。
事故を起こした改造車は、任意保険に入っていなかった

産経新聞の父親会見報道によると、若本被告側の保険会社からも「適用対象外」と伝えられたという。
加害者個人の保険すら使えない。

自賠責保険(強制保険)には加入していたとしても、その上限は限定的だ。
意識不明で全身麻痺の重度後遺障害の場合、生涯にわたる介護費用は億単位にのぼる。自賠責だけではまかなえない。

JBpressの取材では「加害者には賠償能力がない」と報じられており、父親は自宅での介護を望んでいるが、費用面での制約があるとも語っている。

 

 

 

被害者家族が直面している問題を整理する。

問題 内容
娘の回復見込み 医師から「意識が戻らないだろう」と宣告。2年以上意識不明
加害者の反省 裁判での誓いを破り、判決から半年で無免許運転を再開
賠償の見通し 任意保険なし。加害者の保険も適用外。賠償能力なし

娘は目を覚まさない。加害者は反省しなかった。賠償のあてもない。

この事件が突きつけているのは、交通犯罪における「刑罰の軽さ」だけではない。
無保険車両が公道を走り、被害者が経済的にも追い詰められるという構造そのものだ。

 

まとめ

  • 若本豊嗣容疑者(52)は2026年2月11日、執行猶予期間中の無免許運転で逮捕された
  • 2023年11月の改造ジムニー・タイヤ脱落事故で、当時4歳の女の子が頚髄損傷・全身麻痺の重傷を負い、2年以上意識不明が続いている
  • 2025年4月の裁判で「もう運転しない」と誓ったにもかかわらず、判決確定から約6ヶ月半で無免許運転を再開
  • 無免許運転で懲役刑が言い渡されれば、前の執行猶予(懲役3年)は法律上必ず取り消され、実刑となる見通し
  • 事故車は任意保険未加入で、被害者家族への賠償の見通しは立っていない

 

 

 

よくある質問(FAQ)

Q1. 札幌のタイヤ脱落事故で被害に遭った女の子は亡くなったのですか?

死亡していません。2年以上にわたり意識不明の重体が続いており、頚髄けいずい損傷で全身が完全に麻痺した状態です。

Q2. 若本豊嗣容疑者の執行猶予は取り消されるのですか?

無免許運転で起訴され懲役刑が言い渡されれば、刑法26条により前の執行猶予は法律上必ず取り消されます。

Q3. なぜ前回の裁判で実刑ではなく執行猶予になったのですか?

裁判長が「タイヤの点検は所有者の責任」と過失を限定し、反省や入院費200万円の支払いを考慮したためです。

Q4. 被害者への賠償はどうなっていますか?

事故車は任意保険未加入で、若本被告側の保険会社からも適用対象外と伝えられており、賠償の見通しは立っていません。

Q5. 若本豊嗣容疑者はなぜ再び運転したのですか?

取り調べに対し「仕事をするためだった。無免許なのは分かっていたし悪いことだとも分かっていた」と供述しています。

Q6. 車の所有者・田中正満被告はどうなりましたか?

道路運送車両法違反(不正改造)の罪で罰金20万円の判決を受けました。過失運転傷害では起訴されていません。

Q7. 2023年の事故はどのように起きたのですか?

不正改造した軽乗用車の左前輪が走行中に脱落し、約70m転がって歩道の4歳女児に直撃しました。

Q8. 執行猶予が取り消されたら何年刑務所に入るのですか?

前回の懲役3年が復活し、今回の無免許運転の刑と合算して服役することになります。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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