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竹島に本籍を置けるのはなぜ?112人の推移と転籍届1枚の仕組み

竹島に本籍を置く日本人112人の仕組みと推移を解説するアイキャッチ画像

| 読了時間:約8分

竹島に本籍を置く日本人は、2025年末で112人
転籍届1枚で移せる戸籍法の仕組みと、20年で4.3倍に増えた背景を読み解く。

 

 

 

竹島に本籍を置ける仕組み――転籍届1枚で完了する

竹島に本籍を置くのに、特別な許可はいらない。

「住んでもいない島に戸籍を移せるの?」と思うだろう。
審査や資格が必要に見えるかもしれない。

ところが日本の戸籍法こせきほうでは、本籍地は住所と無関係に国内どこにでも自由に設定できる。
松江地方法務局もこの点を明言している。

必要な手続きは転籍届を1枚出すだけだ。
郵送でも受け付けてもらえる。

本籍と住所の違い

本籍と住所はまったくの別物。住所(住民票)は住んでいる場所だが、本籍は戸籍の「置き場所」にすぎない。住む必要はなく、転籍届1枚で変更できる。

皇居に3000人、甲子園に699人

この「自由さ」を使っている人は多い。

Wikipediaの本籍ページによると、皇居には約3,000人が本籍を置いている
本籍地としては全国最多だ。

場所 人数 主な動機
皇居 約3,000人 縁起・記憶しやすさ
大阪城 約800人 地元愛
甲子園球場 699人 野球への思い
竹島 112人 領土意識

皇居や甲子園に本籍を置く人の動機は「縁起」や「趣味」が中心だ。
一方、竹島の場合は「領土意識」がほぼ唯一の動機となる。

同じ制度を使いながら、込められた思いはまるで違う。

 

 

 

「官有無番地」という不思議な住所

竹島に転籍すると、戸籍の本籍欄に載る住所はこうなる。

島根県隠岐郡隠岐の島町竹島官有無番地かんゆうむばんち

「官有無番地」とは、国有地で番地が振られていない土地のことだ。
普通の生活では見かけない表記で、この文字列自体が「ここは日本の領土だ」と無言で主張している。


そもそも日本の戸籍制度は、明治政府が1872年に徴兵や徴税の管理のために始めたものだ。
当初は住所と本籍が同じだったが、都市化で人が移動するようになり、やがて住所と切り離された。

この150年前の制度設計が、いま「領土意識の表明手段」として使われているわけだ。

2024年の戸籍法改正

法務省によると、2024年3月の戸籍法改正で本籍地以外の窓口でも戸籍謄本が取れるようになった。本籍が遠方でも不便が減り、自由な場所に本籍を置きやすくなっている。

では、実際に竹島に本籍を置いている112人はどんな人たちで、なぜこの行動に至ったのか。

 

 

 

20年で4.3倍、しかし近年は微減――112人の意外な推移

見出しの「4.3倍」にはインパクトがある。
ただ、数字の中身を見ると少し印象が変わる。

読売新聞の報道によると、2021年の124人をピークに微減が続いている
2022年は121人、2023年は119人、2024年は122人、そして2025年は112人

20年スパンでは確かに4.3倍だが、直近5年だけ見れば1割減っている。

竹島に本籍を置く人数の推移

2005年:政府が国会答弁で「26人」と公表

2012年:88人に増加(竹島問題の報道が活発化)

2021年124人でピーク

2022〜2024年:119〜122人で横ばい

2025年末:112人に減少

最初に竹島へ転籍した人物

転籍の「火付け役」は、拓殖大学防災教育研究センター長の浜口和久氏(57歳)だ。

浜口氏は2004年3月、松江市から竹島に本籍を移した
きっかけは韓国が「独島切手」を発行したことだった。

「竹島や領土問題を国民に知ってほしい」という思いからの転籍だったと、読売新聞のインタビューで語っている。


浜口氏の行動は周囲にも広がり、実際に転籍した人もいたという。
だが浜口氏自身は数年前に東京都内へ再び転籍している。

その理由を「役割は十分に果たした」と述べた。

 

 

 

なぜ微減しているのか

浜口氏はこうも語っている。
「残念なことに竹島問題は沈滞化している」。

転籍運動の先駆者が自ら去り、竹島問題そのものへの関心が薄れつつある。
近年の微減はその表れではないだろうか。

⚠️ 推測についての注記

微減の原因について公的な分析は発表されていない。浜口氏の発言と転籍数の推移から推測した内容だ。

112人という数字がゼロに近づくわけではなく、100人前後で定着する流れだろう。
ただ、かつてのような右肩上がりの勢いはもう見られない。

竹島だけではない。
日本が領有権を主張する他の地域にも本籍を置く人がいる。

 

 

 

北方領土205人、尖閣41人――「本籍で示す領土意識」の全体像

竹島の112人は、日本の領土問題地域のなかで突出して多いわけではない。

地域 人数 時点
沖ノ鳥島 約210人 2010年
北方領土 205人 2019年
竹島 112人 2025年
尖閣諸島 41人 2012年

J-CASTニュースの取材に対し、法務省は「領土問題への関心からと推測できる」と回答した。

北方領土の場合は、元島民とその子孫が「故郷に戸籍を戻す」という意味合いが強い。
竹島の場合は元々の住民がいないため、純粋に「領土主張」の性格が際立つ。

同じ「本籍移転」でも、動機の質が異なるのだ。


2026年「竹島の日」式典で起きたこと

2月22日、松江市で21回目の「竹島の日」式典が開かれた。

政府からの出席は古川直季・内閣府政務官のみ。
産経新聞によると、政務官級の出席は14年連続となる。

高市早苗首相は昨年の自民党総裁選で「堂々と大臣が出て行ったらいい」と語っていた。
しかし閣僚派遣は見送られた。

会場での反応

約420人が出席。「高市総理を連れて来てよ」「大臣来るんじゃなかったのか」といったヤジが飛んだ。

一方で注目すべき変化もあった。
自民党から初めて党三役が出席したのだ。

有村治子総務会長が参加したことは、閣僚派遣が見送られた文脈のなかでは小さいが確かな前進だろう。

「静かな意思表示」としての本籍移転

浜口氏は「せめて副大臣クラスを派遣し、問題提起するくらいの姿勢が必要ではないか」と持論を述べている。閣僚が出ないなら市民が動く。112人の本籍移転は、外交的配慮を求められる政府とは別の場所で、日本の領有権を静かに主張し続ける行為だ。

 

 

 

まとめ

  • 竹島に本籍を置く日本人は2025年末で112人。戸籍法上、転籍届1枚で誰でも移せる
  • 20年前の26人から4.3倍に増えたが、近年は124人→112人と微減傾向
  • 最初の転籍者・浜口氏は「役割を果たした」として東京に戻り、竹島問題の「沈滞化」を指摘
  • 北方領土に205人、尖閣に41人と、領土問題地域への本籍移転は竹島に限らない
  • 2026年竹島の日式典では閣僚派遣が見送られた一方、自民党三役が初出席した

よくある質問(FAQ)

Q1. 竹島に本籍を置くことはできますか?

可能です。戸籍法に基づき、日本人なら本籍地を国内のどこにでも自由に移せます。転籍届を提出するだけで完了します。

Q2. 竹島に本籍を移す手続き方法は?

転籍届に現在の戸籍謄本を添付し、隠岐の島町役場に提出します。郵送でも受け付けてもらえます。

Q3. 竹島に本籍を置いている人は何人いますか?

2025年12月末時点で112人です。2005年の26人から20年で4.3倍に増えましたが、近年は微減傾向にあります。

Q4. 竹島に住民票を置くことはできますか?

できません。住民票は居住の実態が必要です。本籍は住む必要がなく住所とは別の制度です。

Q5. 本籍を竹島にするデメリットはありますか?

パスポートの本籍地都道府県の変更手続きが必要になる程度です。税金や選挙権には影響しません。

Q6. 皇居に本籍を置いている人は何人いますか?

約3,000人で、本籍地としては全国最多です。「縁起がよい」「忘れにくい」といった理由が多いとされています。

Q7. 北方領土や尖閣諸島にも本籍を置けますか?

置けます。北方領土には205人、尖閣諸島には41人、沖ノ鳥島には約210人が本籍を置いています。

Q8. 竹島の本籍地の住所はどう表記されますか?

「島根県隠岐郡隠岐の島町竹島官有無番地」と記載されます。官有無番地は国有地で番地がない土地を意味します。

Q9. 2026年の竹島の日式典には誰が出席しましたか?

政府から古川直季内閣府政務官が出席。閣僚派遣は見送られましたが、自民党三役の有村治子総務会長が初出席しました。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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