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5回まで完璧だった投手が、27メートルの走塁で壊れた。
7月7日の阪神戦。
巨人の 戸郷翔征 は5回を投げ終えた時点で無安打という圧巻の投球を続けていた。
その同じ回に打席へ立ち、三塁ゴロを打った後に一塁まで全力で走った。
ベースを踏んだ瞬間、左太もも裏を押さえてうずくまった。
コーチが「前半戦は厳しい」と語る背景には、患部の状態が示す医学的な根拠がある。
そして「なぜ投手が走塁で大けがをするのか」には、野球というスポーツの構造的な問題が潜んでいた。
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5回無安打の直後に何が起きたか
5 回まで無安打投球。
その直後、投手の脚が折れた。
戸郷は 7月7日の阪神戦 に先発し、5回2死まで阪神打線を無安打に抑えていた。
時事通信 によると、同試合の五回裏に打者として一塁へ走った際に左太もも裏を痛め、そのまま降板した。
翌8日に都内の病院を受診し、「 左太もも裏の肉離れ 」と診断されたことを球団が発表した。
同日に出場選手登録が抹消され、今季 9 試合に登板して 4勝1敗・防御率2.24 という成績での離脱となった。
驚くべきことがある。
Full-Count が伝えたところによると、戸郷はプロ入り( 2019 年)以来、一度も故障班に合流したことがなかった。
8年目にして初めての離脱 だ。
しかも5回まで無安打という快投の最中に、投球とはまったく関係のない走塁という動作で倒れた。
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コーチが「前半戦は厳しい」と口をそろえた背景に、何があったのか。
「ウォーキングすらできない」が示す重さ
「 ウォーキングすらできない 」——この一言が、肉離れの深刻さを最もよく示している。
肉離れと聞くと「 数週間で治るもの 」と思いがちだ。
しかし肉離れには重さによって3つの段階がある。
岸谷整形外科クリニック によると、軽度なら 1〜2週間 、中等度(筋肉の繊維が部分的に断裂した状態)なら 4〜12週間 、重度なら 12週間以上 が目安だ。
7月9日にジャイアンツ球場(川崎市)で報道陣の取材に応じた戸郷は、「まだリハビリとしてのウォーキングすらできない。
患部が出血しているはずなので、最初は安静にして治療に専念中です」と語った。
痛みが残り、歩くこともままならない状態だという。
患部に出血がある状態は、医学的には 筋肉の繊維が部分的に断裂した中等度以上の損傷 と整合するだろう。
コーチ陣が「前半戦は厳しい」と語った言葉には、こうした症状が物語る根拠があるのではないか。
日刊スポーツ によると、 村田善則バッテリーチーフコーチ は「軽度ではないのかな。
しばらくはおそらく治療して。
明日から徐々に動くというレベルではない」と説明した。
杉内俊哉投手チーフコーチ も「長くなりそうです。
歩くのもちょっときついかも」と続けた。
では、なぜ投手がこれほどの肉離れを走塁で起こしてしまうのか。
ここには野球の構造的な問題が潜んでいる。
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投手が走塁で壊れる構造的な理由
投球で100球近く動き続けた体が、わずか 27.4 メートルの一塁間で悲鳴を上げた。
太もも裏の筋肉(ハムストリングス)の肉離れは、野球選手がもっとも多く損傷する部位だ。
しかも New-Road Media が紹介する MLB(アメリカ大リーグ) のデータ( 2011 〜 2016 年)では、 投手のハムストリング損傷が野手よりも多く記録されている 。
「鍛えたプロ投手が短い距離を走っただけで」と感じるなら、そこに逆説がある。
なぜ投手はこんなにもハムストリングを痛めやすいのか
運動生理学(体の動きを科学する分野)には「特定の動作に向けた準備をした筋肉は、別の動作に対して脆くなる」という考え方がある。
投手は投球動作に特化したウォームアップを行う。
投げることで体を動かし続けているが、走塁のような「急な加速」に向けた準備はほとんどしていない。
その状態で突然、一塁まで全力疾走を求められると、投球に専念してきた体にまったく異なる負荷が一気にかかる。
その状態で突然、一塁まで全力疾走を求められる。
投球に専念してきた体に、まったく異なる負荷が一気にかかるのだろう。
プロ投手であっても、こうした「 準備されていない動作 」でハムストリングへの急な負担を避けるのは難しいのではないか。
MLBのデータが「 投手に損傷が多い 」と示すのは、まさにこのメカニズムが背景にあるとされる。
今回の受傷機転——5回まで投げ続けた直後の走塁——はその典型例といえるだろう。
あなたが「なぜ走っただけで?」と感じた疑問には、こうした構造的な答えがある。
つまり、 投手は投げることにしか体を慣らしていないから、いきなり本気で走ると筋肉が対応できなくて切れやすい のだ。
エース不在が確実となった今、巨人は首位争いをどう乗り切るのか。
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巨人の先発ローテはどう回るか
首位の座を巡る 9連戦 が、戸郷なしで始まろうとしている。
中日スポーツ によると、 14 日からの9連戦では月曜・火曜の先発枠が空くとされており、 小笠原 や 田中将 らが候補に挙がっているという。
阪神・ヤクルトとのし烈な首位争いが続く中、戸郷の穴をどう埋めるかがチームの浮沈を左右するだろう。
今季の戸郷の歩みを振り返ると、離脱の痛さが際立つ。
Full-Count によると、オープン戦で結果を残せず開幕は 2軍スタート 。
5月に1軍昇格すると、フォームを修正しながら9先発で 4勝1敗・防御率2.24・1完封・53奪三振 を記録した。
1試合あたり平均約 6 個の三振を奪う計算で、エースとしての復活が見えていた矢先だった。
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巨人ファンにとっては、戸郷が後半戦に戻ってくる前に首位をどう守るかが、今後の観戦の焦点になる。
そしてもう一つ、戸郷自身にとって最も気をつけなければならないことがある——それは「治った後」だ。
復帰への道と30〜40%という数字
再発率は 30〜40% 。
治ったとしても、 3〜4人に1人 が同じ場所を再び痛める。
ハムストリングの肉離れは、一度治っても再発しやすいという特徴がある。
岸谷整形外科クリニック によると、再発率は 30〜40% と非常に高い。
これはプロ野球でも草野球でも変わらない数字だ。
⚠ ハムストリングの肉離れの再発率は 30〜40% 。
痛みが消えても、筋肉の内部に残るしこり(損傷部位の硬化)が高強度の動作で再断裂を引き起こす。
「治った」と「安全に復帰できる」は別物 だ。
戸郷は7月9日の取材で、「どれくらいで治るというのを聞いて、ちょっと 絶望 はしていますけど、なるべく早く戻りたいです。
ただやっぱり 再発したら意味がない ので」と語った。
その言葉は、リハビリの最大の落とし穴を本能的に理解していることを示しているのではないか。
「復帰する」ことよりも「 再発しない形で復帰する 」ことの方が、実ははるかに難しい。
痛みが消えても、筋肉の内部に残るしこりが高強度の動作で再断裂を引き起こす。
サンスポ によると、戸郷は「肉離れを経験した先輩方の話も聞いてやっていきたい」と話した。
プロ入り初の故障が、長いキャリアに与える意味を自分なりに考え始めている姿がある。
プロ入り 8 年間ずっとけがと無縁だったエースが初めて倒れた理由は、体の弱さではなく、 投手という役割が生む構造的なリスク だった。
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まとめ
- 戸郷翔征は7月7日の阪神戦で5回まで無安打投球中、一塁への走塁で左太もも裏を肉離れし、翌8日に登録抹消・故障班合流となった
- 「ウォーキングも不可・患部出血あり」という状態は、医学的には全治4〜12週以上かかる中等度以上の損傷と整合する
- 投手は投球に特化した体の準備しかしていないため、突然の走塁でハムストリングへの急な負荷に対応できなくなりやすい——MLBのデータでも投手の損傷が最多とされており、今回はその構造的リスクが出た可能性がある
- 村田コーチは「前半戦は厳しい」と語り、後半戦からの復帰が目標となる見通しだ
- 再発率30〜40%という数字が示すように、復帰後に「再発しないこと」がゴールになる
よくある質問(FAQ)
Q1. 戸郷翔征の肉離れ、全治はどのくらいかかる?
軽度なら1〜2週間、中等度なら4〜12週間、重度なら12週間以上が目安です。
「ウォーキングも不可・患部出血あり」という状態から、前半戦復帰は厳しいとコーチ陣が語っています。
Q2. 戸郷翔征は後半戦に復帰できる?
村田コーチは「前半戦は厳しい」と語っており、後半戦からの復帰が目標となる見通しです。
ただし正確な全治期間は公表されておらず、詳細は不明です。
Q3. なぜ投手が走塁で肉離れになりやすいの?
投手は投球動作に特化したウォームアップをしているため、突然の走塁という動作で太もも裏に急な負荷がかかりやすいとされています。
MLBのデータでも投手のハムストリング損傷が最も多く記録されています。
Q4. 肉離れは再発しやすいって本当?
本当です。
太もも裏の肉離れの再発率は30〜40%と非常に高く、3〜4人に1人が同じ場所を再び痛めるとされています。
痛みが消えても内部のしこりが残ると再断裂のリスクがあります。
Q5. 巨人の先発ローテは戸郷不在でどうなる?
14日からの9連戦で月曜・火曜の先発枠が空くとされており、小笠原や田中将らが候補に挙がっているという報道があります。
Q6. 戸郷翔征は今季どんな成績だったの?
今季は開幕2軍スタートから5月に1軍昇格し、9先発で4勝1敗・防御率2.24・53奪三振・1完封を記録していました。
復調が見えていた矢先の離脱でした。
Q7. ハムストリングの肉離れのリハビリはどう進む?
まず安静と出血の収束を待ち、ウォーキングができるようになってから段階的にジョギング・走塁練習へ移行します。
投手の場合、全力疾走の再開は試合復帰直前の段階になるとされています。
📚 参考文献
- 時事通信「巨人の戸郷、肉離れで抹消=プロ野球」 (2026年7月8日)
- 東京スポーツ「【巨人】無念の戦線離脱…緊急降板の戸郷翔征は左太もも裏の肉離れと診断」 (2026年7月8日)
- Full-Count「巨人・戸郷が登録抹消『左太もも裏の肉離れ』 前日の阪神戦で負傷交代…4勝&防御率2.24」 (2026年7月8日)
- サンスポ「巨人・戸郷翔征がプロ入り初の故障班合流『申し訳ない気持ちが一番』」 (2026年7月9日)
- 中日スポーツ「巨人・戸郷翔征『前半戦は厳しい』村田コーチが復帰見通し語る」 (2026年7月8日)
- 日刊スポーツ「【巨人】肉離れの戸郷翔征が長期離脱へ『長引きそう』『しばらくは治療』コーチ陣が説明」 (2026年7月8日)
- 岸谷整形外科クリニック「肉離れの運動復帰基準」
- New-Road Media「野球選手にハムストリングスの故障が多いわけ」
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リアルタイムニュースNAVI 編集部
reaitimenews.com
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