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特殊詐欺被害1816億円で最悪、SNS投資が押し上げた上半期

| 読了時間:約5分

1816億円――過去最悪。

だが件数の増え方は、それほどでもなかった。

警察庁が7月30日、2026年上半期(1〜6月)の特殊詐欺被害額を発表した。

暫定の値で 1816億2千万円

前の年の同じ時期より618億8千万円多く、上半期としては過去最悪を更新した。
1日あたりに直すと、およそ10億円が消えた計算になる。

件数も2万2031件と増えたが、金額の伸びはそれをはるかに上回る。

押し上げたのは、SNS(交流サイト)の投資話だった。

被害の 約44% はSNS型投資詐欺で、1回あたりの平均は約1362万円。

少額から狙う昔ながらの手口とは、規模がまるでちがう。

件数の増え方より金額の増え方がずっと大きいのは、なぜなのか。


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特殊詐欺被害1816億円で最悪、SNS投資が押し上げた上半期

上半期の詐欺被害1816億円 過去最悪を更新

1816億円――過去最悪。

だが件数の増加は、それほどでもない。

警察庁 のまとめによると、2026年1月から6月までの特殊詐欺の認知件数(警察が把握した被害の件数)は全国で 2万2031件 だった。
西日本新聞me によると、被害額は暫定の値で1816億2千万円にのぼり、前の年の同じ時期から618億8千万円増えた。

上半期としては、これまでで最も多い。

上半期だけで1816億円。前年同期から約619億円ふくらんだ。
上半期だけで1816億円。前年同期から約619億円ふくらんだ。(※イメージ図)

数字だけ見ると、件数も金額もそろって膨らんだように見える。

だが、伸びの大きさは同じではない。

金額は前の年の同じ時期からおよそ 5割増えた のに対し、件数の増え方はそこまで急ではなかった。

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同じ「過去最悪」でも、件数が増えたから最悪になったのか、1件あたりの被害が重くなったから最悪になったのかで、意味はまったく変わってくる。

では、その金額を押し上げたのは、どの手口だったのか。

件数は約2割増、なのに金額は5割増えた

件数は約2割増。

なのに金額は5割増えた。

認知件数は2万2031件で、前の年の同じ時期より 3408件 増えた。

割合にすると、およそ2割の増加にとどまる。

ところが被害額は618億8千万円も増え、こちらは5割ほど膨らんだ。

件数の伸びと金額の伸びのあいだに、大きな開きがある。

約2割増
認知件数(+3408件)
約5割増
被害額(+618.8億円)

この差が意味するものは、はっきりしている。

件数が約2割増にとどまる一方で金額が約5割ふくらんだのは、 1件あたりの被害が高額化した ためだろう。

一人がだまし取られる金額そのものが、以前より重くなっているということだ。

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つまり被害の中心が、少額を数多く狙う手口から、一撃で大金を奪う手口へと移っている。

電話をつかった昔ながらの手口は、いまどれだけの割合を占めているのだろう。

被害の柱はSNS投資、ニセ警察も金地金も

電話、投資話、恋愛――だます入り口は、いくつもある。

被害額でいちばん大きいのは、SNS型投資詐欺(SNSの広告やメッセージで近づき、もうかる投資だと信じ込ませてお金を振り込ませる手口)だった。
テレ朝news によると、被害額は 797億9千万円 で、全体の約44%を占める。

1回あたりの平均は約1362万円。

前の年の同じ時期から倍増した。

被害の柱はSNS型投資。ニセ警察・ロマンスが続く。
被害の柱はSNS型投資。ニセ警察・ロマンスが続く。(※イメージ図)

次に多いのが、ニセ警察詐欺(警察官などになりすまし「捜査に必要だ」と偽って現金をだまし取る手口)で507億9千万円。

前の年の同じ時期から108億9千万円増えた。

恋愛感情を利用してお金をだまし取るSNS型ロマンス詐欺も246億6千万円にのぼる。

手口はちがっても、狙いは似ている。

相手が冷静に疑う前に信じ込ませ、大きな金額を一度に動かさせる点だ。

テレ朝newsによると、最近は被害者に金地金(金の延べ棒などの純金のかたまり)を買わせてだまし取るケースも急増しているという。

振り込みだけでなく、モノに変えて奪う手口まで広がっている。

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そもそもこの「最悪」という数字、去年と同じ物差しで測られているのだろうか。

同じ「最悪」でも数え方は去年から変わった

同じ「最悪」でも、数え方は去年から変わっていた。

警察庁は令和8年(2026年)から、統計の整理のしかたを変えた。
警察庁 によると、これまで別に数えていたSNS型投資・ロマンス詐欺を、特殊詐欺の一つの手口として位置づけ直したのだ。

あわせて、急増しているニセ警察詐欺も独立した手口として数えるようになった。

数える枠が広がれば、そのぶん合計の数字も大きく見える。

もちろん実際の被害が急増しているのは確かだが、「過去最悪」という見出しの背景には、こうした数え方の変更も重なっている。

数字は、測る物差しが変わればちがって見える。

検挙の中身にも、これまでと違う動きが出ている。
時事通信 によると、上半期の検挙人数は1381人で、前の年の同じ時期より245人増えた。

このうち外国人は 216人 と、倍に増えている。

検挙された外国人が倍増した背景には、実行役を海外や闇バイトで使い捨てにする分業化が進んでいるのではないか。

特殊詐欺の増加にともない、刑法犯全体の認知件数も38万3364件と4年連続で増えた。

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去年の後半からは、実は243億円も減っている。

それでも最悪と言い切れる理由がある。

去年後半より減ったのに、なぜ過去最悪なのか

去年の後半より243億円減った。

それでも、過去最悪だ。

今回の1816億円は、昨年下半期のピークからは 243億円 減っている。

数字の勢いだけ見れば、少し落ち着いたようにも思える。

それでも「上半期として過去最悪」なのは、上半期同士を並べたときに、これまでで最も高い水準だからだ。

ここで、その規模を時間に置き換えてみる。
1816億円を上半期の日数でならすと、1日あたり約10億円。

さらに24時間で割ると、単純計算で1時間におよそ 4170万円 が消えていく(1816.2億円÷181日÷24時間より)。

減ったとはいえ、時間の物差しに当てると、桁のちがう速さで大金が奪われ続けている。

時間で割ると、1時間に約4170万円が消える計算になる(概算)。
時間で割ると、1時間に約4170万円が消える計算になる(概算)。(※イメージ図)

なぜ、これほどの速さになるのか。

ネットバンキングや暗号資産で送金が一瞬で終わる一方、「まさか自分が」という思い込みが判断を遅らせる。

信じた瞬間に、考える時間のないまま大金が飛ぶ。


1時間あたり約4170万円が消える計算になるのは、送金が一瞬で終わる仕組みと、疑う間を持てない心理が噛み合った結果ではないか。

速さそのものが、いまの詐欺のこわさになっている。

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この速さから身を守る手立ては、意外なほど地味で確実だ。

国際電話を切り、#9110で時間を取り戻す

詐欺の電話は、ある日ふつうの顔で家にかかってくる。

いまの手口は、こちらに考える時間を与えない。

だからこそ、身を守る第一歩は「時間を取り戻す」ことにある。

まず、犯行には海外を経由した国際電話がよく使われている。

ふだん国際電話を受けないなら、固定電話は「国際電話不取扱受付センター」に利用休止を申し込み、携帯電話は国際番号の着信を止める設定にしておくだけで、入り口の一つをふさげる。

不審な電話やSNSの投資勧誘に迷ったら、警察相談専用電話「#9110」に相談できる。

実際にお金を送る前にひと呼吸おいて、消費者ホットライン「188」で確かめるのも有効だ。

番号を一つ押すその数秒が、大金を奪われる前の「考える時間」になる。

国際電話を切り、迷ったら#9110・送る前に188。
国際電話を切り、迷ったら#9110・送る前に188。(※イメージ図)

詐欺かもと思ったとき、不審な電話やSNSの投資勧誘は警察相談専用電話「#9110」へ。

お金を送る前のトラブルは消費者ホットライン「188」で相談できる。

今後もAI(人工知能)を使った偽の広告や、国際電話を悪用した手口は増え続けるだろう。

奪われる速さが上がっているぶん、こちらは意識して立ち止まる。

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その数秒の余裕が、いちばんの備えになる。

まとめ

  • 2026年上半期の特殊詐欺被害は暫定1816億2千万円で、件数は約2割増にとどまる一方、金額は約5割増と、1件あたりの高額化が最悪を押し上げた。
  • 被害額の約44%はSNS型投資詐欺(797億9千万円)で、1回平均は約1362万円。ニセ警察507億9千万円、SNS型ロマンス246億6千万円が続く。
  • 令和8年からSNS型やニセ警察詐欺を特殊詐欺の手口として数え直しており、「過去最悪」には数え方の変更も重なっている。
  • 昨年下半期比では243億円減ったが、時間に直すと1時間あたり約4170万円が消える計算で、送金の速さが被害を深刻にしている。
  • 検挙された外国人は216人で倍増し、実行役の分業化がうかがえる。

奪う速さが上がった今、番号を一つ押して立ち止まる数秒が、いちばん確実な防御になる。

よくある質問(FAQ)

Q1. なぜ2026年上半期の特殊詐欺被害は過去最悪になったの?

SNS型投資詐欺が倍増し、1回平均約1362万円と1件あたりの被害が高額化したためです。

件数以上に金額が伸びました。

Q2. 上半期の特殊詐欺被害額はいくら?

警察庁の暫定値で1816億2千万円です。

前年同期より618億8千万円多く、上半期として過去最悪でした。

Q3. SNS型投資詐欺とはどんな手口?

SNSの広告やメッセージで近づき、必ずもうかると信じ込ませてお金を振り込ませる手口です。

著名人になりすます例もあります。

Q4. 被害に遭うのは高齢者だけ?

いいえ。

SNS型投資詐欺では若い世代の認知件数も急増しており、幅広い年代が狙われています。

Q5. 1日あたりの被害額はどのくらい?

1816億円を上半期の日数でならすと1日約10億円、時間に直すと1時間で約4170万円が消える計算になります(概算)。

Q6. だまされないための相談先は?

不審な電話やSNS勧誘は警察相談専用電話「#9110」へ、送金前のトラブルは消費者ホットライン「188」で確認できます。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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