| 読了時間:約5分
今年の夏、実は70年に3回しかない事態が起きている。
南シナ海で新しい台風「メイサーク」が生まれた。
台風「バービー」は、すでに発生していた。
2つの台風がそろい、今年はダブル台風という状態だ。
でも、この2つの扱われ方には大きな差がある。
名前が先に大きく出る方が、実は大したことがない。
あなたが本当に気にすべきなのは、もう一つの方だ。
この記事でわかること

台風10号発生、実は史上級の異常事態
1951年以降で 3回 だけ。
今年がその1つだ。
台風 10号「メイサーク」 は、7月3日午前3時に南シナ海で発生した。
前日の7月2日午前9時には、台風 9号「バービー」 がマーシャル諸島で発生していた。
つまり、2つの台風が同時に存在する状態になったわけだ。
これがいわゆる「ダブル台風」だ。
気象庁 は、この状況を1951年からの統計で振り返っている。
1月から7月まで毎月台風が発生したのは、1951年以降でわずか 3回 しかない。
1965年と2015年、そして今年2026年だけだ。
3回
1951年以降で毎月台風が発生した年(1965・2015・2026年)
70年以上のうち3回しかない珍しい年 に、今年は入ったことになる。
ウェザーニュース が伝えている。
台風10号の発生そのものも、1951年からの統計で 4番目 に早かったという。
【台風発生】
— ウェザーニュース (@wni_jp) July 2, 2026
7月3日(金)3時、マーシャル諸島で発達中の台風9号(バービー)とは別に、南シナ海で台風10号(メイサーク)が発生しました。今月2つ目の台風発生です。
「台風10号」の発生の早さでは、1951年からの統計で過去4番目の早さです。 https://t.co/DaUUvguVbK pic.twitter.com/sp4IwWrdTm
台風の名前は、加盟国が提案した140個の名前から発生順に割り当てられる。
台風の名前は発生順に決まるだけだ。
危険度とは関係ない。
本当に見るべきは、どちらの台風なのだろう。
広告
目立つ10号より本命は9号だった
「10号」は6日で消える。
なのに大きく報じられている。
台風10号「メイサーク」は、その後トンキン湾を経て中国の華南に向かった。
気象庁の予想では、10号は7月6日午後3時に 熱帯低気圧 (台風より弱い低気圧)へ変わる見込みだ。
福井新聞ONLINE が伝えている。
熱帯低気圧になれば、台風としての勢力は失われる。
つまり 日本への直接的な影響は、ほとんどない ことになる。
一方、台風9号「バービー」は真逆の道をたどっていた。
9号は発達に適した暖かい海域を進み、勢力を急激に強めていた。
台風9号
猛烈化し沖縄接近へ
台風10号
6日で消滅・影響なし
台風の番号は、発生した順番で振られていく。
そのため10号も、9号と並んで大きく報じられているのではないか。
見出しの並び方だけを見ると、2つとも同じくらい 危険に思えてしまう 。
だが実際に警戒すべきは、片方だけだった。
広告
静かなもう一方の台風は、実際どれくらいのペースで育っているのか。
予想より早く来た「最強クラス」の恐怖
本来は6日の予定だった。
だが4日の夜には、もう 最強クラス に達していたのだ。
気象庁の発表によると、台風9号は7月4日夜の時点ですでに「猛烈な」勢力に達していた。
NBC長崎放送 (※リンク切れ) が伝えている。
7月2日
台風9号「バービー」がマーシャル諸島で発生
7月3日
台風10号「メイサーク」が南シナ海で発生、ダブル台風に
当初予想
9号が「猛烈な」勢力に達するのは6日ごろとされていた
7月4日夜
予想より2日早く、すでに「猛烈な」勢力に到達
「猛烈な」勢力は、気象庁が定める台風の強さで一番上のランクにあたる。
当初の予想では、この勢力に達するのは6日ごろとされていた。
それが 2日 ほど前倒しになった形だ。
気象庁の予想を上回るスピードで発達したとされる。
台風9号は、米軍の基準でいう「スーパー台風」にあたる強さだったという。
ウェザーニュース による。
最大瞬間風速は、ピーク時には 80m/s に達する見通しだった。
80m/sを時速に直すと、およそ 288キロ になる。
新幹線が走るくらいの速さの風が吹く計算だ。
人には、悪くなっていく情報を実際より軽く見積もってしまう心のクセがある。
これは 「正常性バイアス」 と呼ばれる心理の傾向として知られている。
①正常性バイアス
②悪いことが起きても「自分は大丈夫」と思い込んでしまう心の動き
③今回で言えば、台風が予報より早く育っても、多くの人の警戒心がすぐには追いつかないということ
広告
台風が予報より早く最悪級まで育つと、警戒心が追いつかないのではないか。
気づいたときには、備えが間に合っていない状況になりかねない。
広告
この最強クラスの台風は、実際にいつ沖縄へ近づくのか。
沖縄に迫る猛烈台風、接近はいつ
5日
沖縄への接近まで(7月10日頃の見込み)
あと 5日 で、沖縄はうねりと大しけに包まれる。
気象庁の発表によると、台風9号は今後フィリピンの東を進む見込みだ。
沖縄タイムス+プラス によるものだ。
10日頃には、沖縄地方へ接近する見込みだという。
沖縄・奄美では、9日から10日にかけて波が高くなる見込みだ。
次第にうねりが強まり、 大しけ になるとされている。
10日という日付は、今日から数えるとおよそ 5日後 にあたる。
沖縄や先島諸島に住んでいる人にとって、決して先の話ではない。
この時期に旅行を予定している人も、同じことが言える。
台風の 暴風域 に入るかどうかは、進路がわずかに変わるだけで結果が変わってしまう。
広告
とはいえ、この接近時期の数字は機関によって違って見える。
なぜだろう。
気象庁と米軍で進路予想が違う理由
同じ空を見ているのに、予想円の大きさは機関ごとに違う。
台風の進路予想は、気象庁だけが出しているわけではない。
- 気象庁 :日本の進路予想
- JTWC (米軍合同台風警報センター):米軍の進路予想
- ECMWF (ヨーロッパ中期予報センター):欧州の進路予想
台風9号の進路をめぐっては、 福井新聞ONLINE が3機関の予想を比較している。
この 3つ の機関は、それぞれ異なる数値予報モデルを使って計算している。
使う初期値やモデルが違えば、導き出される数字にも差が生じるものだ。
そのため、気象庁とJTWCの予想には差が出ることがある。
同じ時刻でも、風速や気圧の数字が微妙に食い違うのだ。
どれか1つだけが正しいという単純な話ではない。
複数の予想を並べて見ることで、進路のブレ幅がどれくらいあるかが見えてくる。
広告
こうしたブレを踏まえると、この先の1週間は何に注目すればいいのだろう。
この先1週間で注目すべきこと
台風の進路を最後に決めるのは、 太平洋高気圧 の強さだ。
台風は、太平洋高気圧の縁に沿うようにして進む性質がある。
高気圧が強い
進路は西寄りに
高気圧が弱い
進路は北寄りに
気象庁の全球モデルをもとに、 RSK山陽放送 は7月13日までの雨と風のシミュレーションを示している。
つまり、進路や強さの予想は日々更新され続けているということだ。
つまり、今後の進路は太平洋高気圧の勢力次第で変わってくることになる。
太平洋高気圧の張り出し方次第で、進路は東シナ海寄りにも大陸寄りにも変わりうる。
広告
今後数日で発表される最新の進路情報を、確認し直す必要があるだろう。
今の進路予想は、あくまで現時点でのものにすぎない。
まとめ
- 台風9号「バービー」は、気象庁の当初予想より2日ほど早い4日夜の時点で、最も強い「猛烈な」勢力に達していた
- 見出しで先に大きく扱われがちな台風10号「メイサーク」は、6日には熱帯低気圧に変わり、日本への直接的な影響はほとんどない見込みだ
- 台風9号は10日頃に沖縄地方へ接近する見込みで、9日から10日にかけて沖縄・奄美は大しけになるとされている
- 気象庁とアメリカ軍(JTWC)、ヨーロッパ(ECMWF)の予報機関では、使う数値予報モデルの違いから進路の数字が食い違うことがある
- 台風の進路は太平洋高気圧の張り出し方次第で東シナ海寄りにも大陸寄りにも変わりうるため、今後の情報更新を確認する必要がある
見出しの大きさと、実際の危険度は、必ずしも一致しない。
よくある質問(FAQ)
Q1. 台風10号「メイサーク」はいつ発生した?
台風10号は2026年7月3日午前3時に南シナ海で発生した。
Q2. 台風9号「バービー」はいつ沖縄に近づく?
気象庁の発表では、10日頃に沖縄地方へ接近する見込みだ。
Q3. 台風9号はなぜ猛烈な勢力まで発達した?
高い海面水温など発達に適した海域を進んだためとされる。
Q4. 台風10号は日本に影響する?
10号は6日に熱帯低気圧へ変わり、直接的な影響はほとんどない見込みだ。
Q5. 気象庁と米軍で台風の進路予想が違うのはなぜ?
使う数値予報モデルや初期値が異なるため、数字に差が出ることがある。
Q6. 「猛烈な」勢力とはどのくらいの強さ?
気象庁が定める台風の強さで最も上のランクにあたる強さだ。
📚 参考文献
- ウェザーニュース「南シナ海で台風10号(メイサーク)発生 今月2つ目の台風発生」 (2026年7月3日)
- ウェザーニュース「台風9号(バービー)が猛烈な勢力に発達 4月の台風4号以来の今年2例目」 (2026年7月4日)
- 沖縄タイムス+プラス「全般気象解説情報(台風第9号)(第2報)=気象庁発表」 (2026年7月5日)
- 福井新聞ONLINE「台風9号…気象庁の予想進路、米軍・ヨーロッパの見方 猛烈な台風に発達、日本への影響は」 (2026年7月5日)
- 福井新聞ONLINE「台風10号…気象庁の予想進路、米軍・ヨーロッパの見方 日本への影響は」 (2026年7月5日)
- Yahoo!ニュース(NBC長崎放送配信)「台風9号(バービー)来週にも沖縄接近のおそれ 予想以上の急発達で現在『猛烈な』勢力に」 (※リンク切れ) (2026年7月4日)
- Yahoo!ニュース(RSK山陽放送配信)「台風9号(バービー)『6日に猛烈な勢力』へ発達か…台風10号『メイサーク』7月13日(月)までの雨・風シミュレーションで確認」 (2026年7月3日)
- news.google.com
- x.com
リアルタイムニュースNAVI 編集部
reaitimenews.com
話題のニュースを「なぜ?」の視点で深掘りするニュースメディアです。法律・心理学・経済など専門分野の知識をもとに、報道だけではわからない背景や理由をわかりやすく解説しています。
広告