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マクマホン時速185キロ事故はなぜ1000ドルで済んだのか

マクマホン時速185キロ事故はなぜ1000ドルで済んだのか ― ボディカメラ映像が捉えた全容

| 読了時間:約8分

WWE元社長ビンス・マクマホン(80)が2025年7月、約4500万円のベントレーで時速185キロの衝突事故を起こした。
2026年2月に警察の映像が公開され、事故の全容が明らかになっている。

なぜ80歳が制限速度の2倍で走っていたのか。
映像に残った生々しいやり取りから、驚くべき処分の結末までをまとめた。

 

 

 

80歳マクマホンが時速185キロで追突 ― 事故の全容

事故は2025年7月24日の午前9時22分に起きた。

コネティカット州警察の発表

NBC Connecticutの報道によると、マクマホンが運転する2024年式ベントレー・コンチネンタルGTスピードは、ウェストポートのメリット・パークウェイ北行き車線でBMW 430に後方から追突した。
そのまま木製のガードレールに激突している。

飛び散った破片は中央分離帯を越えた。
対向車線のフォード・フュージョンにまで被害が及び、合計3台がからむ事故になった。


制限速度55マイルの道路で115マイル

メリット・パークウェイは1940年代に開通した歴史ある景観道路だ。
制限速度は55マイル、時速にして約88キロに設定されている。

マクマホンのベントレーはこの道路を、制限速度の2倍以上にあたる時速185キロで走り抜けていた。
NY Postの報道によると、追跡していた州警察官は「時速115マイルに達していた」と推定している。

項目 数値
制限速度 55マイル(約88km/h)
警察官の推定速度 115マイル(約185km/h)
検察の法廷主張 90マイル超(約145km/h)
被害者の体感 80〜90マイル(約130〜145km/h)

CT Postの裁判報道では、検察が「衝突時は90マイル超」と法廷で主張した。
115マイルはマクマホンが出した最高速度で、衝突の瞬間はやや減速していたとみられる。

 

 

 

4500万円の超高性能車を「しばらく運転していなかった」

ベントレー・コンチネンタルGTスピードは新車価格で約30万ドル(約4500万円)の超高級車だ。
0-100キロ加速はわずか3.2秒。最高速度335キロという性能を持つ。

ところがPOST Wrestlingが公開した映像の中で、マクマホン本人は警察官にこう答えている。

しばらく車を運転していなかった。どれくらい乗っていないか、自分でもわからない」

普段は運転手つきの生活を送る億万長者が、たまたま自分でハンドルを握った。
孫娘の誕生日パーティーに向かう途中だった。

事故の構図

アクセルを踏めば一瞬で200キロ近くまで加速する車と、久しぶりの運転。
この組み合わせが、制限速度の2倍を超える暴走につながった。

奇跡的に3台の車に乗っていた全員が無傷だった。
だが映像には、事故直後のマクマホンの衝撃的な姿が残されていた。

 

 

 

「最低の馬鹿野郎だ」― 映像が捉えたマクマホンと被害者の証言

2026年2月21日、事故のボディカメラ映像が公開された。

プロレス専門メディアのPOST Wrestlingがコネティカット州に公記録請求こうきろくせいきゅうを行い、約7ヶ月かけて取得したものだ。
ダッシュカムとボディカメラ、2種類の映像が含まれている。


窓が割れた車内での自責

映像にはまず、マクマホンのベントレーが他車の間を縫うように走行し、BMWに追突する瞬間が映っている。
衝突後、煙を上げながら路肩に停車した車に州警察官が近づいた。

窓ガラスは粉々に割れ、エアバッグが展開した車内で、マクマホンと警察官のやり取りが始まった。

ボディカメラ映像の会話記録

警察官「なぜ100マイル以上で走っていたんだ?」
マクマホン「孫娘の誕生日なんだ。次の出口だった」

警察官「後ろから追いかけていたのが見えなかったのか?」
マクマホン「ライトは見えた。でも普通のものだと思った。逃げようとはしていない」

警察官「あなたは115マイル近くまで出して、前の車に突っ込んだ。電話を見ていたのか? 体調の問題か?」
マクマホン「いや、ただ運転しようとしていただけだ」

POST Wrestling公開映像より

登録証と保険証書を手渡すとき、マクマホンはこうつぶやいた。
「God damn it. Stupid fucking fool(ちくしょう。最低の馬鹿野郎だ)」。

WWEで「悪のオーナー」を演じてきた男が、現実の事故で自分を罵倒する映像は大きな反響を呼んだ。
映像にはその後、マクマホンがBMWの運転手バーバラ・ドーランさんのもとを訪れ、謝罪する場面も記録されている。

 

 

 

100ヤード飛ばされた被害者の声

追突されたドーランさんは72歳。犬と一緒に車に乗っていた。

ESPN/AP通信の報道でドーランさんは「右車線を走っていたら突然、後ろからぶつけられた。必死にハンドルを握って道路にとどまろうとした」と語っている。

Slam Wrestlingが引用した当時のFacebook投稿(現在は削除)では、さらに生々しい状況が記されていた。
車は100ヤード(約91メートル)以上も前方に飛ばされたという。サッカーのピッチ1面分に相当する距離だ。

「マクマホンは最後の瞬間に私を見て急ハンドルを切り、左後方にぶつかった。もし真正面から当たっていたら、まったく違う結末になっていたかもしれない」
― バーバラ・ドーランさんのFacebook投稿より

走行中に背後から時速130キロ超の車が突っ込んでくる恐怖は、想像するだけで背筋が凍る。
ドーランさんは首の痛みなどを訴えたが、幸い命に別状はなかった。


じつはハルク・ホーガン死去と同じ日だった

この事故にはもうひとつ、ほとんど知られていない事実がある。

同日の出来事

事故が起きた2025年7月24日は、マクマホンとともにWWE黄金期を築いたハルク・ホーガンが71歳で急死した日でもあった。
死因は急性心筋梗塞。フロリダ州の自宅で心停止を起こした。

ABC7/AP通信の報道によれば、事故が起きたのは午前中で、ホーガンの死亡がニュースになったのはその数時間後だった。

ドーランさん自身もFacebookでこう書いている。
「奇妙なことに、マクマホンに名声と富をもたらしたハルク・ホーガンが、事故とほぼ同じ時刻に亡くなった」。

WWEの歴史を変えた2人の運命が、同じ日に交差していた。
死傷者ゼロだったのは不幸中の幸いだが、マクマホンへの処分は多くの人の予想とはかけ離れたものになった。

 

 

 

寄付金1000ドルで告訴取り下げ ― マクマホンの処分と「いま」

制限速度の2倍で走り、3台を巻き込む事故を起こした。日本の感覚では免許取り消し相当だろう。

追いかけた州警察官がパトカーで追いつけなかったほどのスピードだった。

事故の深刻さ

時速185キロ
3台巻き込み

裁判所の結論

寄付金1000ドル
+1年間の遵法

ところが裁判所が出した結論は、1000ドル(約15万円)の慈善寄付と1年間の遵法だけで全告訴の取り下げだった。


なぜこの処分で済んだのか

事故後、マクマホンは500ドルの保釈金で釈放された。
起訴された罪名は「無謀運転むぼううんてん」と「車間距離不保持」。いずれも米国では軽罪けいざいにあたる。

けが人がいなかったことが、この分類に大きく影響している。

裁判の結果

CT Postの裁判報道によると、2025年10月16日にスタンフォード上位裁判所のゲーリー・ホワイト裁判官がマクマホンの申請を認めた。

認められたのは公判前更生こうはんぜんこうせいプログラムと呼ばれる制度だ。
初犯の軽罪で、裁判官が認めた場合に使える。条件を満たせば前科がつかない。

マクマホンの条件は2つ。1000ドルの慈善寄付と、適切な免許・保険を保ったうえでの運転だけ。
1年間問題を起こさなければ、2026年10月15日に告訴は消える。

検察のアイリーン・オルノウスキー副主任検事は「衝突時の速度は90マイル超」と述べた。
だがマクマホンが十分な保険に入っていたことを理由に、プログラムへの参加には反対しなかった。

弁護士のマーク・シャーマンは法廷の後にこう語っている。
「すべての自動車事故が犯罪ではない。ここで起きたのは事故だ」。

 

 

 

法廷で沈黙、裁判所の外ではファンサービス

マクマホンは法廷で一言も発しなかった。

だが裁判所の外に出ると別人のようだった。
待ち受けたファンのサイン要求に応じ、写真撮影にもにこやかに対応した。

そして待機していたキャデラックのSUVに乗り込み、「行かなくちゃ(Gotta run, guys)」と言い残して去った。
ベントレーを大破させた数ヶ月後、今度はキャデラックで颯爽と去る。この一幕がまた、SNSで話題を呼んでいる。


事故だけではないマクマホンの法的問題

じつはこの交通事故は、マクマホンが抱える問題のひとつにすぎない。

2022年にWWEのCEOを辞任。社内での性的不正行為の調査がきっかけだった。
2024年1月には元女性従業員から性的暴行で提訴され、同日TKO取締役会長も辞任している。訴訟は現在も係争中で、マクマホン側は否定している。

NBC ConnecticutESPNが伝えるとおり、妻のリンダ・マクマホンは2025年3月にトランプ政権の米国教育長官に就任した。
WWE帝国を築いた一族は、政治とスキャンダルの渦中にいる。

まだ終わっていない

交通事故の告訴は2026年10月15日に取り下げ予定だ。
だが性的暴行訴訟は続いており、マクマホンの法的な問題はまだ終わっていない。

 

 

 

まとめ

  • 80歳のビンス・マクマホンが約4500万円のベントレーで時速185キロの追突事故を起こした。ボディカメラ映像には自らを「最低の馬鹿野郎」と罵る姿が記録されている。
  • 被害者のドーランさんは100ヤード近く飛ばされたが、奇跡的に命に別状はなかった。事故の日は、盟友ハルク・ホーガンが亡くなった日と同じだった。
  • 処分は1000ドルの慈善寄付と1年間の遵法で告訴取り下げ。性的暴行訴訟を含む複数の法的問題は現在も続いている。

よくある質問(FAQ)

Q1. ビンス・マクマホンの事故はいつどこで起きた?

2025年7月24日午前9時22分、コネティカット州ウェストポートのメリット・パークウェイで発生した。

Q2. マクマホンはなぜ時速185キロも出していた?

孫娘の誕生日パーティーに向かう途中で、約4500万円のベントレーを久しぶりに自分で運転していた。

Q3. 事故の被害者にけが人はいた?

追突されたバーバラ・ドーランさん(72)は首の痛みを訴えたが、3台の全員が命に別状なしだった。

Q4. マクマホンの事故の処分はどうなった?

1000ドルの慈善寄付と1年間の遵法を条件に、2026年10月15日に全告訴が取り下げられる予定。

Q5. マクマホンは逮捕されたのか?

逮捕ではなく軽罪の召喚状が出され、500ドルの保釈金で釈放された。

Q6. ビンス・マクマホンの妻は誰?

妻のリンダ・マクマホンは2025年3月にトランプ政権の米国教育長官に就任している。

Q7. 事故のボディカメラ映像はなぜ公開された?

プロレス専門メディアPOST Wrestlingが公記録請求で取得し、2026年2月21日に公開した。

Q8. マクマホンの事故とハルク・ホーガンの関係は?

事故が起きた2025年7月24日は、ホーガンが急性心筋梗塞で死去した日と同じだった。

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リアルタイムニュースNAVI 編集部

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