| 読了時間:約5分
フジロック'26第3弾、異色すぎる顔ぶれにSNSがざわついている。
7月24日からの苗場。
発表されたのは英国マーキュリー賞ラッパー、和風音頭バンド、米国インディーポップ、北アイルランドのラップユニット。
主催者SMASHはこの人選で何を伝えたいのか。
テレビ大陸音頭の初出演を軸に読み解く。

第3弾で加わった注目アーティスト4組の顔ぶれ
フジロック'26第3弾は、 マーキュリー賞 受賞のロイル・カーナーを筆頭に、テレビ大陸音頭、トロ・イ・モア、Kneecapの 4組 。
ジャンルも国籍もバラバラの顔ぶれとなった。
ロイル・カーナーは、英BBCが主催する マーキュリー賞 を 2024年 に受賞した、いまUKで最も評価されるラッパーのひとり。
日常の機微をパーソナルに綴るリリックと、ジャズやソウルを取り入れたサウンドで、本国ではすでに大きな存在感を放っている。
その彼が、今回初めてフジロックのステージに立つ。
一方、テレビ大陸音頭は、文字通り「音頭」を掲げる異形のバンドだ。
和太鼓や尺八を交え、祭りの高揚感をオルタナティブロックに落とし込む。
札幌の高校軽音部から生まれ、昨年の「ROOKIE A GO-GO」出演を経て、メインステージへと駆け上がってきた。
トロ・イ・モアは、 チルウェイヴ と呼ばれるジャンルを代表する一人だ。
チルウェイヴ
2000年代後半に現れた夢見心地な電子音楽。
シンセサイザーとサンプリングを多用し、80年代のポップスを現代的に再構築したサウンドとされる。
夏の夕暮れに窓を開けて聴くBGMのような心地よさ。
トロ・イ・モアの楽曲はその先駆けとして知られる。
そしてKneecap(ニーキャップ)は、北アイルランド・ベルファスト出身のラップトリオ。
彼らがラップするのは、世界でわずか 数千人 しか日常的に話さないアイルランド語だ。
北アイルランドでは 2022年 まで公用語として認められていなかった少数言語で、政治や社会を痛烈に風刺するスタイルは「セックス・ピストルズ以来最も物議を醸すバンド」とも呼ばれる。
2025年には半自伝的映画が世界的にヒットし、その名は一気に広まった。
このバラバラな顔ぶれ。
しかし、ここにはフジロックが'26年に向けて打ち出した、明確な方向性がある。
広告
第3弾発表で見えるフジロック'26のブッキング方針
多くの人は「フジロック=洋楽 ロックフェス の祭典」というイメージを持っているかもしれない。
洋楽ロックの祭典
アイルランド語ラップ
単に多様なジャンルを並べただけでない。
主催者SMASHは、ロックの枠そのものを取り払い、 世界中の境界線上の音楽を一堂に集める場 へと、フェスの定義を塗り替えようとしているように見える。
SMASHは長年、日本の音楽ファンと海外の才能を引き合わせる ゲートキーパー の役割を果たしてきた。
かつてはUKロックやUSオルタナティブを紹介することが主だったが、ここ数年はヒップホップやワールドミュージック、さらには日本の伝統芸能にまで手を広げている。
フジロックの公式発表によれば、初めてヘッドライナーを務めるThe xxもMassive Attackも、いずれもジャンルの境界を越えてきたアーティストだ。
- 世界的フェス多様化
- SMASHの先鋭的才能の発掘
- 苗場に境界線上の音楽が集結
ここには、世界的なフェス文化の変化と、SMASHの長年のノウハウがかけ合わさっている。
フジロックはいまや、国やジャンルの壁を超えるプラットフォームへと変わりつつあるといわれている。
広告
そのブッキング方針を最も体現するのが、今回大きな話題を呼んだ——テレビ大陸音頭だ。
テレビ大陸音頭とは何者か
テレビ大陸音頭は、一言でいえば「和風サイケデリック音頭バンド」とも呼べる存在」。
盆踊りとロックを融合させた異形の音楽性が、フジロックの新たな方向性と共鳴したとみられる。
彼らは 2023年 に札幌で結成された4人組。
昨年、フジロックの新人登竜門「 ROOKIE A GO-GO 」に出演し、投票企画「 目指すはメインステージ! 」を勝ち抜いて今回の切符を手にした。
ROOKIE A GO-GOからは過去にKing GnuやCreepy Nuts、Suchmosといった、いまやスタジアム級のアーティストが巣立っている。
テレビ大陸音頭も、その系譜に名を連ねることになる。
7月の夕暮れ、苗場の森に和太鼓のリズムが響き、観客がテレビ大陸音頭の掛け声に合わせて手を叩く——ロック史に残るステージで、日本の祭囃子が鳴る光景。
エレキギターと尺八がせめぎ合い、サイケデリックな音像が緑の峡谷に溶けていく。
この場違いとも思える和の響きこそ、いまのフジロックが求める「見たことのない景色」だろう。
もしあなたが初めてフジロックに行くなら
誰を目当てにチケットを取るだろう。
大物ヘッドライナーか、それとも今回の第3弾で名前を知った異色のアーティストか。
知らない音楽との出会いが、フェスの本当の醍醐味だ。
彼らの音楽は、単なる「和風ロック」ではない。
盆踊りの反復構造にオルタナティブロックの轟音を重ね、時にプログレッシブに展開する。
フジロックがこれまで招いてきた民謡クルセイダーズのような「伝統の再解釈」路線の最先端とも言える存在だ。
そして何より、彼らの起用は、日本の民俗文化を海外に届ける“ 逆輸入 ”の視点を感じさせるといわれる。
フジロックが海外アーティストを迎え入れるのと同じように、いまや日本の音を世界に開く場にもなっている。
広告
こうして第3弾を見渡すと、フジロック'26の全体像が少しずつ見えてくる。
あとは第4弾発表と、苗場の森で実際に鳴る音を待つだけだ。
まとめ
- 第3弾はロイル・カーナー、テレビ大陸音頭ら4組、ジャンルも国籍もバラバラの顔ぶれ
- 主催者SMASHは「ロック」の枠を超え、越境する音楽のプラットフォームを志向
- テレビ大陸音頭の和風音頭は、日本文化の再発見と海外輸出を象徴する異色枠
苗場の森に響く初めての音頭——あの異形のリズムは、フジロックが開いた新しい扉の音だ。
よくある質問(FAQ)
Q1. フジロック'26のチケットはまだ買えますか?
25日の1日券先行は完売も、3日通し券や他日の1日券は5月15日まで先行販売、一般発売あり。
Q2. テレビ大陸音頭とはどんなバンドですか?
和太鼓・尺八とロックを融合させた「和風サイケ音頭バンド」。
盆踊りの反復と轟音が交錯する独自の音楽性。
Q3. フジロックの第4弾発表はいつですか?
5月15日にステージ別発表があり、以降も追加アーティストが順次公開される見込み。
Q4. ロイル・カーナーはどんなアーティストですか?
英マーキュリー賞2024受賞のラッパー。
日常をパーソナルに綴るリリックが特徴。
Q5. Kneecapはなぜ注目されているのですか?
北アイルランドの少数言語アイルランド語でラップし、2025年の映画が世界的ヒットとなったため。
Q6. フジロックの開催場所はどこですか?
新潟県湯沢町の苗場スキー場。
Q7. フジロック'26のヘッドライナーは誰ですか?
The xx、Khruangbin、Massive Attackの3組。
📚 参考文献
- 音楽ナタリー「「フジロック」第3弾発表でテレビ大陸音頭、ロイル・カーナー、トロ・イ・モア、Kneecap」 (2026-05-08)
- FUJI ROCK FESTIVAL 公式「ラインナップ」 (2026-05-08)
- FUJI ROCK FESTIVAL 公式「インフォメーション」 (2026-05-08)
- FUJI ROCK FESTIVAL 公式X「@fujirock_jp」 (2026-05-08)
- Yahoo!ニュース(WWDJAPAN)「フジロック'26第3弾発表」 (2026-05-08)
- FUJI ROCK FESTIVAL 公式「テレビ大陸音頭 アーティスト詳細」 (2026-05-08)
- fujirockfestival.com
- nme-jp.com
- gekirock.com
- billboard-japan.com
- spincoaster.com
リアルタイムニュースNAVI 編集部
reaitimenews.com
話題のニュースを「なぜ?」の視点で深掘りするニュースメディアです。法律・心理学・経済など専門分野の知識をもとに、報道だけではわからない背景や理由をわかりやすく解説しています。
広告